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異世界からの訪問者  作者: マイティ
一年目 春
25/39

勉強?の成果

〜佐藤由希 視点〜



今日の講義が終わって家に帰る。……前に隆司の車に乗せてもらって夕飯の買い出しに行ってきた。

ちなみに卓弥は自転車で先に帰っている。


「「ただいま」」


「お、おうお帰り。」


「……………」


「お帰りなさい」


「「おかえりなさい!」」


ユキ以外の4人は返事をしてくれたんだけど、なぜかユキが黙ったまま。どうしたの?卓弥はなんかどもってるし…


「?なんかあった?」


「い、いやそれが…」


「なんでもぉ、ないわぁ」


…あ、ハルが怒ってる。でもなんで?


「えっとハル?どうして『なんでもぉ、ないわぁ』そ、そう………じゃぁフィオ!勉強はどうだった?」


とにかく話をそらそう。なんでハルが怒ってるか分からない以上どうしようもないし。


「まだ覚えている途中ですね。似たような文字が多くて間違えてしまいます。後は…そうですね、ハルから『やつあたり』と『とばっちり』の意味を教えてもらいましたよ?」


どうしてその二つをチョイス?八つ当たりととばっちりをフィオに教えるってことは、怒ってる相手はフィオじゃない?ルイ君やエリーちゃんに対して怒る事はないと思うし。それ以外でいったら私たち三人の誰か?もしくは3人とも?

…ここまで考えたところで今朝のやり取りを思い出した。……ああ、そうか。あの事を根にもってるのね…


「ハルごめんね。フィオたちの事全部任せちゃって」


「別にぃ、いいわぁ」


「でもさ、講義を休む訳にはいかないんだし仕方ない…………ごめんなさい」


隆司がいいわけしようとしてたみたいだけど、ハルに無言で見つめられて折れた。…全く、余分な事しかいわないなら黙っててよ。


「明日からはあたしたちもフィオの事みるし、今日はハルの食べたいもの作るから許して」


「それじゃぁ……」


今日の夕飯の予定を変更してハルの食べたい物をメモする。ええっとオムライスに青椒肉絲とブリの照り焼き?ジャンルがバラバラだし一緒の食卓に出していい物なの?っていうかハルの好きな物って違ったよね。……完全に嫌がらせだ……自分も食べるんだから身を挺しての嫌がらせだ。

まぁ、これで少しでも機嫌が良くなるならつくるけどね。後、食材は隆司と卓弥に買いにいってもらう。あたしが作るんだから2人には何かしてもらわないと。


「それで、どんな勉強方法だったの?」


明日から引き継ぐのならどんなやり方なのか知っておかないといけないし。


「ひらがなカタカナをぉ、書き取らせただけよぉ」


「一文字につき二十回、その後はハルの指示に従って何度も書きました………」


フィオがちらっと後ろを見てたから、視線の先を確認しにいく。……うわぁここまでやらせてたんだ…

そこにはひらがな、カタカナを所狭しと書き並べられている紙が散らばっていた。


「途中からは表を見ずにいわれた文字を書いて、間違ってたらその文字を十回書くことになって……疲れました」


確かにこれだけ書いていれば疲れるのは当たり前だと思う。


「後ぉ、凄い事がぁ分かったわぁ」


凄い事?


「これ聞いてみてぇ」


ハルにいわれてコンポに耳を傾けてみる。


-- I do not want to talk to mother absolutely. –


英語?急に聞かされても分からない。…急じゃなくても分からないけど。


「フィオなんていってるぅ?」


無理でしょ。日本語もわからないのに……あれ?


「えっと、『お母さんには絶対に話したくない』です。……だからどうしてこの文なんですか!」


え?うそ?


「ちなみにぃ、これもぉ」


-- Er wird verschuldet. –


もうなんて言ってるかわからない。


「これはぁドイツ語ねぇ。フィオぉ」


「『お世話になります』ですね。はい。お世話になってます」


ドイツ語?何でわかるの!?


「フィオはぁ、歩く翻訳機みたいねぇ」


……普通にしゃべってるのに文字が書けないのに疑問を持つべきだったのかも。


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