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俺はお嬢様が恋をしたことに気付いていない  作者: 海原羅絃
第5章 バレンタインと元彼とお嬢様
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第十一話 チョコたっか!!

番外編でも書こうかなー。

 日にちが明けて、放課後俺は俊哉と共にデパートに来ていた。

 目的はもちろんチョコを買いに来たのだ。

 さすがにデパートもバレンタインフェアとかで色々とチョコサービスを賄っている。

 俺の働いているコンビとは大違いだな。

 ああ、バイト先今度からいつも言っている喫茶店にしようかな。

 なんて思っていると俊哉に肘で脇腹を小突かれた。

 「ぼうっとしていないで行くぞ」

 どうやら俺は道端で立ち止まっていたらしい。

 いかんいかん。考え事をしながらも歩行はかえって事故の元。

 なんて自分に言い聞かせながら俺は俊哉と共にデパートの中へと入る。

 いや、放課後なのか、客層はどう見ても女子高生女子高生女子高生。

 この客層を判断してチョコを買えと言うのかよ。

 「なぁ、蓮司」

 「は?」

 横で茫然としている俊哉が俺に声をかけてくる。

 「女子高生って・・・・・いいよな」

 どげしっ

 俺は俊哉の弁慶を蹴ってやった。

 そして無言のまま俺は携帯を取り出す。

 「どこにかけるんだよ」

 「賀川のところ」

 「ちょっ!!なんで!!」

 「え?お前がほかの女のところ見惚れていたから」

 一応理由にはなっているのか?

 いや、なっているな。うん、大丈夫。

 「分かった!!分かったから。お前の買うチョコ代の半分は俺が払うから」

 「分かったよ・・・・ってなんで俺までチョコ買うの?」

 まずおかしくない?俺が買ってどうするの?

 そんな表情をしていると俊哉はん?としたような顔をする。

 相変わらずの間抜け面だな。

 どげしっ

 いって。

 今度は俊哉が俺の弁慶を蹴った。

 正直俺が蹴った強さよりも倍の強さ。

 くそ、手加減のできない奴だ。

 「なにもくそも言ったじゃん。お前も買う必要があるって」

 それはどういった経緯で?

 ってかおれを泣きものにさせたいのか?

 「あれ?言ってなかったっけ?今日家に利華が来るって」

 そんなこと昨日のメールで言っていたような。

 そういえば今朝もしつこいほど言ってたな。

 おかげで頭が痛い。

 「でもそれと俺がどう関係あるんだよ」

 「相変わらず鈍感だなー。だから利華がそうするって言ったら鈴川も来るらしいよ」

 鈍感で悪かったな。どうせ俺は・・・・・・

 ん?

 誰が狂ってるって?

 「変換ミスってるよ。来るだよ。狂うじゃない」

 とうとうこいつまで俺の心を読心してきやがった。

 俺も周りはみんな超能力者なのか?

 怖すぎるぞ、瀬原蓮司のアラウンドは。

 「で、誰が来るって?」

 「鈴川」

 「え?」

 聞こえてない聞こえてない。

 「だから鈴川」

 「ごめん補聴器付け忘れた」

 「お前の愛しの鈴川蘭さん」

 だあああああああああああ!!

 それだけはやめて。

 愛しのなんてやめろぉ!!

 ああ、聞いただけでむずむずする。

 うう、蕁麻疹じんましんが・・・・

 「はぁはぁはぁ・・・・・で、どういったご用件で」

 「チョコを作りに」

 なんでそのためにわざわざ俺ん家に来るんだよ。

 「自分家にでっかい厨房あるってこの前言ってなかったっけ?」

 「ああ、その事ならこの前利華と鈴川さんと春富さんと古川さんとチョコ作ったらしいんだよ。で古川さんのあまりのドジっぷりに厨房が今使えないらしい」

 一体何したんだよ。古川さん。

 でも待てよ、鈴川がチョコづくり?

 ・・・・・瀬原蓮司妄想区域突入。

 料理経験ゼロの鈴川さん。

 チョコを作るとどうなるか。

 分かる。俺には分かる。

 固形じゃなくてぜってぇ液体。

 ・・・・・・チョコジュースってか?

 考えただけで鼻血が出てきそう。

 「何口抑えてんだよ」

 「いや、未来のこと想像したらつい」

 「お前の未来そんな悲惨なのかよ」

 ああ、そうだよ。その悲惨な未来まで一週間切っているからな。

 「でも人んちでチョコづくりってあれだよな。なんか気が引ける」

 「・・・・でもなんで自分ちじゃねえんだよ」

 塞いでいた口を解放し俺は大きく息を吸いながら俺は言う。

 うん、いい空気だ。このデパートの暖房の空気は。

 でも同時に鼻にチョコの匂いが充満したのは気のせいだろう。

 「どうやら大野のところにも委員長が来るらしいよ」

 委員長、あれでももう大野にもうぞっこんだからなぁ。

 田中と佐藤はおそらく呪っているはずだ。

 「まああれだよな。自分ちで作ると家族とか冷やかすとかそういうのあるんじゃね?」

 「鈴川の家ならまだしもその可能性はあるとしてよく三人一緒で作る気にならなかったよな。やっぱりあれか?古川さんパターン?」

 「かもな。でも家族のパターンはあるぞ。鈴川さんの家は知らないけれど利華んちと委員長に家には弟いるらしいし。あ、利華んちは妹もいた」

 よくもまあ家族構成をご存じで。

 まあ賀川も弟や妹がいるとさすがにチョコも作りにくいだろ。

 「ちなみに利華んちの妹と弟は双子」

 「どーでもいい情報ありがとうな」

 「ちなみに今年から高校生」

 本当にどうでもいい。

 「ちなみに・・・・・・来年この学校入ってくる」

 しくしくとデパートの片隅で泣いていた俊哉。

 それもどうでも・・・・・・よくねえよな?

 「という事はお前敵視されるしね?からかわれるしね?」

 「ううっ、利華がこの前デートと言わずに友達と出かけると称していったら尾行されていたらしい」 そりゃあ悲しむよな。

 「なんで友達と出かけるっていったんだよ!!」

 「そこに喰いつくのかよ!!」

 ああ、心配すればするほど頭が痛い。

 ってかデパート内で発狂するのやめてさっさと用事済ませようよ。

 「まあ、どのみち逃げられないのは確かなんだけれどな」

 いっそのこと彼氏だって紹介すれば賀川も後が悪くならないはずなのに。

 あとで知ったあの二人には後味悪すぎだろ。

 あ、でももう知ってんだっけ?

 「という事で蓮司、チョコ買いに行こうぜ」

 こいつはこいつで立ち直り超早い。

 でもなんで俺んちでチョコづくりなんでするんだよ。

 ああ、そういえば最近鈴川とは面と向かって話していないんだよな。

 どうする、俺。

 台所を貸しっぱなしで呑気にテレビを見ていろとも?

 考えるだけでむずむずしてくる。

 いいや、いざとなったらこいつにメールすればいいし。

 「さて行きますかー」

 高らかと声を上げて俺と俊哉はデパートのスイーツ専門店へと入っていった。

 ちなみにチョコの値段は相当だった。

 いや、気持ちは分かる。

 だって大事な人に送りたいっていうのは十分わかるよ。

 でもよ・・・女性陣。値段を少し配慮していただきたい。

 銀行からお金を卸して来て正解だったよ。

 だってよ?チョコ一個値段が高いんだぞ?

 サイズ的にはあのコンビニとかで売っているダース。わかる?ダース。宇宙侵略者じゃないから。

 あれ一個の大きさには匹敵するもののそれなりの値段だ。

 一つ350円。

 あまりにも高すぎる。

 「これだよな?頼まれたの」

 「うん・・・・間違いない」

 携帯で確認するとそうだった。

 今俺たちが見ているチョコと賀川から贈られてきたチョコは全く持って同じものだった。

 「どうする、これかってこれ渡されたら」

 「そりゃ嬉しいよ。自分の金で買ったチョコなんだから」

 ははは、そうだよな。

 「じゃあもし違うチョコだったらどうする?」

 「泣く」

 すでに涙目ですよ。

 とりあえず値段が破格すぎる。

 なぜ女性陣はコンビニとかで売っているダースにしなかったのだろうか。

 あれなら十個で1000円だぞ!!

 普段鈴川がどれだけリッチな生活をしているか分かってきた気がする。

 「蓮司、今財布の中どれぐらい入ってる?」

 指例のあの仕草をしながら俺に聞いてきた。

 つまりは足りなかったら貸してほしいという訳だ。

 もちろん、俺の方も足りなかったら貸してもらう予定だったんだけれど。

 「28000円入ってる」

 さっきのとおり銀行で卸してきたから何の問題もない。はず。

 「おお、実はな、俺8000円しか持って来てねえから買えねえんだ『買え』・・・・・はい」

 途中で俺の注釈が入りしょんぼりする俊哉。

 十分足りんじゃねえかよ。

 「だってよ・・・・新刊の漫画買えねえじゃん」

 「漫画が一冊1000円以上するなんて俺は聞いたことがない」

 もってのほか、1000円なら二冊買えるだろ。

 「えー、ケチ」

 黙れドケチ。

 「とりあえず買ってこうぜ早く家に帰りたい」

 「あれ?蓮司、あそこにいるの大野じゃね?」

 俺は指で示された方向を見ると確かに大野がいた。

 しかもこっちに向かってきている。

 「あれ、蓮司に俊哉じゃん」

 いつものように覚束ないようなどこか気の緩んだような顔をしている大野。まさかこいつも・・・

 「お前、誰かにチョコ買って来いって頼まれた?」

 「は?なんでそんなこと知ってんだよ」

 知ってるも何も、俺たちも被害者だからだよ。

 「いやそれもそうだけれどなんで泣いてるの?え?二人ともどうしたの?」

 とりあえず俺は被害者がもう一人いたことに感謝した。 

 「・・・・・・・なるほど、だからか」

 「だからって何がだよ」

 「いや、だから」

 「意味わかんね」

 などデパートでのマ〇クにて俺たちは一息ついていた。

 寒い日にマックシェイクを飲む人はどうとか思うんだけれど・・・・

 まあ腹壊しても俺は知らないけれどさ。

 「で、こうして三人集まったわけだけれど」

 俊哉がなぜか口火を切った。

 俺はポテトのLサイズを一人黙々と食っている。ちなみに俊哉はビックマックにマックシェイク。大野はテリヤキバーガーに烏龍茶。俺はダブルチーズバーガーにポテトとコーラ。

 なんかこうして三人でなんか食うのって初めて・・・・でもないか。 

 俺と俊哉の場に大野が加わっただけか。

 「お前等楽しいと思うか?」

 「何がだよ」

 「チョコを貰う事」

 どの部分がだよ。

 「おれは分からん」

 それでいいんだ。それでいいんだよ大野。君の答えを模範解答として俺も答えさせてもらおう。

 「俺も・・・・・」

 「俺は正直言ってつまらん」

 は?

 「なんかこう、チョコ貰うって分かっているとなんかこうソワソワしないか?」

 「しない」

 「全然」

 全く、無欠ですけれど。

 「だって男の子ってサプライズ感を持ち出されたいじゃん?いきなり後ろから抱きつかれたり後ろから抱きつかれたり・・・・・って」

 ネタ尽きるの早。

 でもそういうのは案外女子が求めるような気がするんだけれど・・・・・・

 「あ、わかるよ。この前瑠奈ちゃんに後ろから抱きつかれてびっくりして失神したもん」

 いつから名前で呼ぶ仲になったんだよ。 

 ってかそれサプライズじゃなくね?むしろ脅かしだよね? 

 「俺はこの前利華の家行ったときにトイレ借りて出てきたらいきなり目の前に包丁持っている利華がいてびっくりした」

 それ明らか脅迫行為の前兆でしょ。

 「で、蓮司は?」

 「はい?」

 何故に俺?

 「いやいや、ここまで来たらあとは蓮司しかいないでしょ」

 「蓮司のサプライズが聞きたい」

 俺のサプライズ・・・・と入ったものの俺にはそういう経験はない。

 むしろ脅迫行為あるいはそれ紛いのものは多数ある。

 主に鈴川。

 ・・・・・・そこ中から選定しろってか。

 ・・・過酷だな。

 「んー、俺は・・・・・・・・文化祭の最終日に鈴川にキスされたこと?」

 あれ?何言ってんの俺。

 完全に空気引けてんじゃん。

 ってか俺こんなこと言おうとしたの?え?待ってよ、俺が言いたかったのは・・・・・・・

 これだけ?

 ちなみに二人は茫然としている。

 まあいきなりそんな宣言されても何も言えねえよな。

 へっ、俺の勝利。

 じゃねえ!!

 「お前・・・・それ本気か?」

 「蓮司・・・・・・いつから大胆になったの?」

 だああああああああああ!!二人ともそんな目で見るな!!

 ああ、人生最大の汚点だ。汚点だ。汚点だ。大汚点だ!!

 「で、いつ?」

 「やめろ!!迫るな!!」

 「いいから聞かせろよ・・・・・・」 

 「うん、今後の為にもなる」

 今後のため?まさか!!俺の弱みを握るためにか!!

 「くっ・・・・・後夜祭中だよ。俊哉が賀川に告白して成功したらいきなり鈴川に・・・・・」

 ポッといきなり顔が火照り始めた。

 あああああああ、何を記憶に呼び戻しているんだよ。

 いっそのこと死にてええええええええ!!

 「まあ、そんなことも有るしな」

 「あることあること。気にするな」

 あれ、案外普通じゃん。ここなら「弱みもーらい☆」とかいいそうなのに。

 「これで蓮司の弱みゲット☆」

 ・・・・・・・・・ぶっ殺す!!

 



 そんなかんなでおれは家に帰ってきた。

 けれどおかしい。

 部屋の明かりがついている。

 なんで?

 思い当たる節は一つしかない。

 来てる。

 あいつがもう来た。

 兄さんなわけがない。

 だってまだハワイだもん。

 となれば・・・・・

 俺は恐る恐る玄関のドアを開けた。

 そして静かに音を立てずに閉める。

 見えるのは一足の靴。

 その靴は俺も見たことのある靴。ましてや同一人物なわけがない。

 もうこの靴と行ったらあいつしかない。

 タッタッタッタッタと足音が聞こえる。

 来る・・・・台所から。

 俺は目を伏せた。

 「おかえりなさい。瀬原君」

 そこには、何とも可愛らしいエプロンをつけ、髪の毛を束ねた鈴川蘭の姿があった。

あ、マ〇クって伏字してんのにビッグマックってやっても意味ねえか。

てへぺろ☆

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