ヴェラ・ド・マルゴー①
私の名前はヴェラ。ヴェラ・ド・マルゴー。
ロマネス王国、4大公爵家が1つマルゴー公爵家次女。私は産まれた時はスペア-だった。いや、スペア-ですらなかった。理由は簡単な事。
ヘレナ・ド・マルゴー
マルゴー公爵のいいえ、ロマネス王国の至宝。人族の女神。二つ名どころか4つ5つ・・・多分信じられないくらいあると思う。私の自慢の姉にして、私が絶対超えられない壁・覚める事ない悪夢。
マルゴー公爵で幼い頃の私は優秀な男子を家に呼ぶために育てられていた。ヘレナお姉様は次期王妃と、いや、ヘレナお姉様を手に入れた者が国王になるとたった2歳上のお姉様がすでに言われる存在になっていたからだ。
ビシ!
「全く、何度言えば出来るのですか?手の角度が2°違います。はぁ~ヘレナ様は1度で出来た事が何故、出来ないのか、嘆かわしい。」
「ごめんなさい」
剣を持つ手を杖で叩かれる、何時もそうだった、ヘレナお姉様と比べられ出来ない事を責められる。歳を取り、少しずつ分かって来た。マナーや魔法、武術の先生達は自分達が数年数十年かけて完成させた技や所作をヘレナお姉様が1度で習得したのが許せない事、そのイライラを私にぶつけている。
パァン!
「何ですかそのような意地汚い食事の仕方は!あなたの出来が私の評価にもなるのですよ!・・・食事一つも満足に出来ないとは、これでは孤児院の子供に教えている方がまだマシです。ヘレナ様は本当に素晴らしい方で、一度お見せしただけで完璧でしたのに、ふぅ~クズが。」
「・・ごめんなさい」
食事も普通に食べる事などほとんどなかった、頬を叩かれ料理の温かさが反って口の中を痛める。やがて弟が産まれ、マルゴー公爵家での私は本当に要らない存在になった。本館から別館へ追いやられ、数名のメイドと過ごす日々が始まった。時折現れる講師たちはこれ幸いと、私に八つ当たりをする様になったが止める者はルナリス以外周りに居なかった。
それから数年間、両親の顔を忘れる程にほっとかれたある日、急な呼び出しがかかる。久し振りに見るお父様が、私のお父様と思う感覚が無いほどどうでも良くなっていた。
「お前には穢れ人に会ってもらう。絶滅したはずのダークスネークの存在が確認された。何者か使い魔が本当か確かめろ。以上だ。さっさと出て行け。」
一方的に告げられ追い出される。廊下を歩いていると前から弟が護衛とメイド達を引き連れ歩いて来る。すれ違う寸前で護衛の持つ剣を抜き私に剣先を向ける。
「おい、廊下の掃除担当は誰だ?大きな生ゴミが落ちてるぞ(笑)早く片付けろ。斬ろうかと思ったが生ごみを斬っては剣が錆びるか?ははははは!」
「お嬢様にその態度にその言いよう、いかに次期・・」
「ルナリス。止めなさい。次期当主さま、お久し振りです。ヴェラです。」
弟の言動にルナリスが諌める様に進言するが無駄な事とわかっているので止める。
「ああ!?出来損ないか?ふん、何の用で本館に来たか知らんが、いつまでもその気味悪い目で俺を見るな。穢れるさっさと出て行け。」
出来損ない。私のワインレッドの瞳はマルゴー公爵家では前例の無い色であり、水の適正者しか居ない青い瞳のマルゴー公爵家では、忌避されている。ただでさえ、次女であり家にとってあまり価値のない私は、お金を浪費する存在でしかない。結婚相手も爵位が下すぎると後の王妃になるヘレナお姉様に迷惑が掛かり、同列にはきっと相手にされない、残るは派閥内でそこそこの爵位で大きく年齢が離れた人か普通の人が嫁いでこない相手になる。出来たとしたらだけど。
「申し訳ございません、直ぐに立ち去ります。」
弟に頭を下げる。彼に従うメイド達が嘲笑う声が聞こえる。もう怒りや悲しみ等すでになかった。どうせ、2年後、ヘレナお姉様が王室に嫁がれれば、私の人生も多分終わる。存在価値のない私を生かしておく理由などないのだから、急病か事故か、これならヘレナお姉様は妹を急に失った悲劇の王妃としても話題となるだろう。
翌日、貴族学校に向かい、決闘を見る事となった。何でも、目当ての人物にセギュラス子爵家嫡男が決闘を申し込んだとの事。聖王・聖女教会の者にすれば、大聖女スズカの死の原因を作った穢れの勇者と同じ容姿の人物は許せないだろうと思う、カロン卿の聖なる踊りの後に、彼が披露する。
ドン!
「な、何!?ルナリス、何が起こっ・・・え!?まさか、ハ、ハカマテ?どうして、彼が踊れるの?」
いきなりの地響きに驚いていると、目が見開くのが分かる。彼が踊ったハカマテは大聖女スズカが踊った、本当の聖なる踊り。それを踊れるのは限られた人間か、王国に、闇に存在すると言われている謎の集団。聖闘士しか居ない。しかもあの完成度、確実に幹部クラス、つまり黄金聖闘士の可能性がある。
胸が高まる、黄金聖闘士は王国でも未だに分からない存在だ、もしそんな存在を私が確認して、家に伝える事が出来たら、お父様やお母様、ヘレナお姉様、弟にも少しは私の事を見て貰えるかも知れない。色々と思案していると決闘場では彼が先に止めを刺した様に思えたけれど、負けを宣告されていた。
次の日、貴族学校に行き隣の席に座る。黒い髪に黒い瞳、顔は・・・・普通と言うか、当たり障りのないモブ顔ね。使い魔の蛇の姿は当たり前に見当たらない、後ろに控える鬼種族の子も同じく黒髪、黒死病に感染している。授業が終わり彼に声を掛ける。
「貴方、名前を聞いても良いかしら?」
「あ、失礼いたしました。ムートン男爵家のシンガと言います。・・・僕の様な者の名は、どうぞお気流しください。それでは、食堂が混みますのでこれで。」
え?俺ですか?みたいな反応で挨拶をして、この場から逃げようとする彼に、ルナリスが立ちふさがる。数度のやり取りの後、昼食を取りに部屋に向かおうとするとガルシア男爵家の者が邪魔をしに来たりもしたがシンガの言葉が胸に突き刺さった
「申し訳ありません。実は彼は、僕に絡んでくる数少ない一人なのです。腫物の様に遠巻きや陰口、また、無視などに比べれば、不思議とうれしく思えるものでして思わず笑みが零れたのではないかと。」
確かにと思った。一人で居る時間よりも誰かと接する時間の方が数倍楽しいのかもしれない。彼は2種族から私は家族から嫌われ、必要とされていない存在。親近感が無いと言えばウソになる。部屋に入りシンガが使い魔を呼び出す、確かにダークスネークだ。私が用意した食事を検食した事にルナリスが一瞬怒りを表すが、シンガの行動は仕方ないと許した。しばらく使い魔を見つめ思案する。何故、彼は穢れの勇者と同じ容姿でダークスネークを従えているのか?全能神ゼリウスの神託に意味はあるのか?
思案していると視線を感じてマナー違反と注意をすると意外な言葉が返ってきた。
「・・・僕はマルゴー公爵家の令嬢として努力されている。ヴェラ嬢に称賛と敬意を送りたいです。」
周りの者は皆、私の出来ない所やこの容姿を責めるだけだった、努力など当たり前で、いや、ヘレナお姉様に劣る時点で価値など努力など意味がないと思われている。ルナリスはシンガの言葉に少し怒っていたけど、その時私は、なぜか少しの期待と大きないたずら心でシンガに質問する。
「私に価値があると思うの?」
「ヴェラ嬢が素敵な人に変わりは無いです。どんな、立場になられても僕の心が変わる事はありません。・・・どんなあなたも好きです・・大好きです・・結婚してください・・・キラン☆(もっそい笑顔ビーム)」
あぶない!!!ちゃんとしっかりと避けたから頭と心臓はもちろん全身穴だらけ、たかが、メインカメラとコックピットがやられ全身が動かなくなった、つまりZの百式状態なだけよ!そう!当たらなければどうと・・・・いや、がっつり当たってるけど、ふぅ~なにかが心の中で産声?を上げたわ。
後半はなんかシンガと声が違った気がするけど、もちろん幻聴と違う!マジもんや!ヤバい、私口説かれてる。めっちゃ口説かれてる!ええ?初対面でいきなり?男爵家嫡男のシンガ様が公爵家令嬢如きの私に?普通に不敬罪やで!んんん死刑!っは、落ち着け私、告白され慣れてるでしょ?こんな時はそう!・・・嘘です、ここまでのは初めてです、ええと、どうすれば良いのかしら?
しばらくわちゃわちゃしたけど、楽しい時間が過ごせた、黄金聖闘士の件は誤魔化されたのか本当なのか分からないお父様に報告したが特に興味は持たれなかったけど、家族の評価は変わらないけど、私はシンガと会うのが楽しみになった。2回目のお茶会も楽しかったわ。ただ、問題もあったのよね。・・・・その第三者に確認は必要ね、無いとは思うけど・・・一応ね。
「ルナリス。私、無いと思うのだけど、あくまでも確認だけど、・・・・・落ちはじめてる?」
「はい、かなり堕ちてます。」
ちょっと、ルナリスの言葉が強い気がするけど、そっか~落ちはじめてるか~大聖女スズカの自伝書にあったグランド・キャッスルか小田城と自称してる私を落とし始めるなんてシンガって恋愛強者ね、よく分からないけど、城って砦の別名らしい。だから簡単には落ちないって事よね?油断したわ、先に言っておいてよね。
「だって、ほら、ねぇ?シンガって格好いいじゃない?私にだけ優しいし、私にだけ笑顔を見せるでしょ。絶対私の事が大好きだもの、ふ、ふぅぅ~罪な女よね私って、辛いわぁ~また一人男が私の虜に」
「お嬢様しか絡んでいませんから必然的にそうなります。後、けが・・」
「ルナリス(怒)」
「失礼しました。シンガ様は普通にモブ顔です。あと、シンガ様はお嬢様に特別な感情はお持ちでないように思うのです・・が・・」
穢れと言いそうになるルナリスを嗜めたけど、後の言葉にも眉間にシワがよる。ダメダメ、ただでさえ、歳上なのにシワなんてシンガに嫌われるわ。モブ顔違いますぅ~格好いいですぅ~絶対私の事が好きですぅ~それが分からないから、ルナリスは未だに独身なんですぅ~もう一度言うわ、モテる女は辛いわぁ~
「お嬢様。私は婚約者がおりますよ。それと、お嬢様が堕ちてる話ですよね?」
「へ?そ、そうなの?居たの?・・・・ええ、まあ、・・・ねぇ。(苦笑)」
何故か、心を読まれ伝えられた言葉に驚いたけれど・・・・嘘ついてるわね。だって、貴女が左手で額を触る時は嘘ついてる時の癖だもの。何で見え張ったのよ(笑)、あと、まだよ!まだ落ちてないわ!・・・・とりあえずお父様に報告して今後の事を相談。国王様から許可を貰いノワールと会う。あった後からルナリスの様子が変なのが気になった。
「お嬢様、こちらを。・・・飲食店からのツケ払いの請求書です。その・・シンガ様がご利用なさっているそうです」
「・・・どういう事かしら?シンガが私の名前でツケ払いをしてるの?あのシンガが?」
数日が過ぎ、珍しくルナリスの困惑した表情と告げられた言葉に私も一瞬思考が止まる。いくら何でも、男爵家が公爵家の名前でツケなど頭がおかしいレベルじゃない。早く確認はしたいが支払いはとりあえず済ませて、今日も気が重くなる講師が待つ中庭に魔法の練習に向かう。
「では、いつもの様に詠唱から発動を行いウォーターボールを的に当ててください。・・はじめ!」
「母なる命の恵みの水よ我の呼びかけに答えて・・」
ゴンッ!
「っつ、」
「詠唱中も周囲を警戒するのは当たり前のことです。はぁ~出来損ない。ヘレナ様は無詠唱なのに貴女は魔力発現中も瞳はワインレッドのままで、水もたったこれだけしか発現させていない。意味のない存在が・・ふん」
「先生・・申し訳ありません。」
詠唱を始めた私に向かいストーンボールを死角からぶつけてくる。額に当たり少し切ったのが分かるが傷もそのままに謝罪する。ルナリスが講師を射殺さんばかりに睨みつけているが、決して反論や注意はしない、すれば余計に私が傷つけられるのを今日までの日々で分かっているからだ。
「最近は穢れ人と接触なされているとか?まぁ、私が穢れ人なら貴女の様な出来損ない、無駄な存在と会いたい等思いませんが(笑)」
「・・・申し訳ございません」
「ヘレナ様との時間はまさしく至高の時間ですが、貴女と過ごす時間はとっても無駄にしか思えません、同じ事の繰り返し・・・・はぁ、苦痛な時間ですが仕事ですから続けましょう。」
「・・・・・申し訳ございません」
その日もずっと講師の八つ当たりを受け続けていた。後日、シンガに会いツケ払いの事情を説明すると慌てた様子で謝罪と、解決に尽力すると言われた。久しぶりのお茶会で魔法の話になった時、シンガにふと、愚痴をこぼしてしまった。
講師の言葉が私と会いたくない発言が小さな棘となって私を傷つける、シンガも私の事をそう思っているのではないか?水の魔法適正と違い瞳がワインレッドな、出来損ないの私の事を。その後の笑顔のシンガが告げた言葉がずっと頭に反芻する。気づけば、シンガに言われた言葉を呟いている。
「ルナリ・・」
「はい、さらに堕ちてます。公爵家の力はシンガ様の為にです。」
「私は瞳の色が嫌いだった。お姉様と比べてさえ貰えない。弟が生まれて価値の無い私が嫌いだった。」
「はい、魔法属性と違う瞳の色であっても普通は魔力発現時に瞳の色が変わります、変わらないのは卑下される存在です。」
「シンガは貴重な存在だと。私だけの個性だと言った。」
「はい、世界で唯一無二の存在。それが、お嬢様。ヴェラ・ド・マルゴーと言われました。」
〖僕にとってはヴェラ嬢が唯一無二の存在で、ヘレナ嬢は普通です。前例など意味はありません。〗
またシンガの言葉が頭に響く、この世の何処に、いいえ、過去でも未来でも私をヘレナお姉様と比べてこんな事を言う人など現れるわけがない。
「さらに落ちるわよね?私、チョロくないわよね?結構、踏ん張ってるわよね?シンガが私に惚れてるわよね?」
「まぁ、チョロくはありますが、堕ちるのは仕方ないかと思います。・・・どうでしょうか?」
それからすぐにシンガから連絡があり問題を起こした人物の謝罪を受けに昼食を共にする。謝罪は素晴らしい物だった。
「僕のムートン男爵家を一緒に支えて欲しい。僕の愛しき人。・・・愛する妻・・君との子供が欲しい。キラン☆☆(それアカン笑顔ビーム)」
気付けば12歳程のイケメンでめちゃくちゃイケメンボイスのシンガに私は抱きしめられて私は時が見えた。もちろんシンガのセリフは一問一句間違っていない!一瞬気を失っていたのかルナリスと別室で目覚める。・・・そうか⁈これはシンガが私を、いいえ、私の愛を試しているのね。なによシンガったら可愛いわね(笑)分かってる、お金のこと等どうでもいいわ!シンガを伯爵にして私を妻に!地位も名誉もお金も私も全部全部あげる、ええ、シンガと一緒に甲子園に行く!目指せポケモンマスター!そう私はシンガの太客!
「お嬢様、戻ってきてください。そっちの道はダメな道です。利用されて捨てられるだけの・・」
「違うもん!私だけだもん!シンガが私だけを頼りにしてるもん!ターボは走れるもん!有馬記念第3コー・・・・・・・・・ごめんなさい、ルナリス。」
もんもん言ってたら逆噴射したみたいに何故か気分が急に一旦落ち着いた。部屋に入ると、また、戻っちゃったけど、声を掛けられたら残念だけど私のシンガが居なくなっていた。しばらくして、以前から気になっていた事がありそれも質問する。シンガの奴隷は宝石の名前が多い、ちなみに私に宝石の名を付けるならと聞いた。
「パパラチアサファイアでしょうか?」
パパラチアサファイア。サファイア(青)でありながらオレンジとピンクの中間色の宝石。ルナリスに確認してもらうと、魔力を通すと青くなる物とならない物があり、もちろん変化しない物はクズ宝石と言われてタダ当然に手に入った。シンガへのお礼にと黒い宝石を置いてないかと宝石商に尋ねると
「ヴェラ様。当店も信用がございます、黒い、穢れた宝石は置くことはありません。ご冗談でもお聞きされるのはお控えいただきたく。」
「そうね、悪かったわ。お詫びに何かおススメの宝石はあるかしら?」
「では、こちらのガーネットはいかがでしょう?ヴェラ様の髪と同じお美しい宝石になります。」
おススメの宝石を購入して宝石箱に入れる。シンガに今度会った時に加工の事で相談しよう。ゆ、指輪かな?・・やだ、シンガったら!領地の資金3か月分だなんて、それってもう、婚約指輪じゃない?困るわ、本当に困るぅ、うふふふふふ、以前の私なら宝石などに興味はなかった。着飾る必要を感じなかったから。でも、シンガに会って話を聞いて興味を持った。シンガと話したいから、シンガと共通の話題が欲しいから、シンガに私に興味を持って欲しいから。
その日その後の会話では夏季休暇に領地に来ませんか?と誘われた。夢の様だ、シンガといると毎日が楽しいに違いない、すごくうれしい。シンガに何か意図があっての事とは思うけど、このチャンスを逃す気は無い。こちらも、予定通りレピのおかげでスパイの件も解決しそうだ、お父様に事情を話して許可をもらう。
「穢れの所に行くならジスクール伯爵令嬢も連れていけ、話は以上だ。出来損ないはさっさと出ていけ。」
いつものごとく、急に呼びつけ勝手に話して退室を促すお父様の言葉にも先日の唯一無二と言ったシンガのおかげか何も感じない。私を理解して導く存在が居る、それだけで周りの雑音など気にならない。小説や物語のヒロインが話によってなんでそいつに堕ちとんねん!そいつそんなええ奴か?って思うこともあったけど分かる!分かるわ!ちゃうねんな!自分に取ってどないやねんやねん。他人は関係ないねん。幸せになってや、応援してるでロメオとジュリエットさん!
「お、お久しぶりであります、ヴェラ嬢。この度は急なお願いを・・」
「久しぶりね、セレスティーヌ嬢。元気にしてましたか?この後、シンガと会いますから一緒に行きましょう。」
別館に戻るとジスクール伯爵家の令嬢が待っていたが簡単に挨拶を済ませてシンガに会いに行く。・・・敵が居た。ええ、油断していた、初めて見るシンガの優しそうな、そう妹を見るような私には見せない目。誰?私のシンガに近づくメスガキを連れてきたの?ああ、マルゴー公爵家とか言うクズの集まる家ね。一応シンガがどんな気持ちか確認して場合によってはメスガキは悲しい事故に遭って・・・へ⁈お義母さまが私に?そう、そうなのね?ん・んん、セレスティーヌ嬢、夏季休暇が楽しみね。あと、ムートン男爵家の屋敷は大きくなったみたいね、対外的にも将来的にも必要だから、もちろんお金は公爵家が払ってるわ。・・・私の為に怒ってくれるシンガが居る、うふふふふふ。あと、ウクレレと言う楽器で歌か音楽を旅の時に聞かせてくれるらしい、シンガって多才よね?領地までの旅も楽しみだわ。




