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とある男の話

男は酷く疲弊していた。

彼はいたって普通の会社員で、東京の小さなアパートに住んでおり会社はいかにもな中小企業、

彼女なんて、そもそも働きづめでそんな余裕すらないと自分に四十年間言い聞かせてきた。

元々彼は幼少期、要領もコミュニケーション能力も高く昔から天才だの神童などともてはやされていたような人間だった。

だが現実は残酷である、気づいたら彼は現在スーツを着た量産型の‘大人‘になってしまっていた。

しまっていたと言っても、別にそれだって一つの人生のルートだ。

「いや、これは言い訳か。」

男は一人、ベットに腰を落としそんな言葉を零した。

「なんかアイスが食べたい気分だな。」

彼はこの虚しい気持ちを切り替えるため(普通にアイスが食べたかったのもある)

コンビニに行くことにした。

「そういえば駅の近くのコンビニ臨時休業だったな。」

そんなことに気づいたのは、もう道の半分まで来たところだった。

今更帰るほうが面倒くさかったので、隣の駅の近くにあるコンビニに行った。

駅のホームについたとき。男は何か急に自分の人生が虚しく感じた。

「このまま一歩踏み出せば…」

男はなんの気もなくそんな一言を放った。人の目もあるのに。

気付けば踏み出していた

もう耳の近くまで電車が近づいている。

その刹那、ゴオオンと鈍い音がした。


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