つまらないじいさんとミー
あるところに、「つまらない」と言ってばかりのおじいさんが住んでいました。
おじいさんは、何があっても「つまらない」と言うので、つまらないじいさんとよばれていました。
おまつりがあっても、お花がさいても、おじいさんにはつまらないのです。
みんなが楽しそうにしていればいるほど、おじいさんは、つまらない気もちでいっぱいになってしまうので、だれにもできるだけ会わないように、くらしておりました。
ある日のこと。
おじいさんは、家のお庭に、やせっぽっちの子ネコがたおれているのに気が付きました。
子ネコは、小さな声で、み、み、となくだけで、動けないのです。
死んでしまいそうな子ネコが家の庭に来るなんて、なんて、つまらないことだろう
おじいさんは思いました。
そのまま、いちどは家の中に入りました。
でも
お庭で子ネコが死んでしまったら、嫌だな
そう思って、おじいさんは、子ネコを抱き上げました。
そのまま、よそへ捨ててしまおう、と思っていたおじいさんですが、抱き上げた子ネコのからだはとても小さくて、やせていて、びっくりするほどつめたかったのです。
み、み、という声は、だんだん弱くなっていくようです。
青い子ネコの目は、いっしょうけんめいにおじいさんをみているようです。
たすけて。たすけて。
おじいさんには、そう言っているように聞こえました。
子ネコを助けても、つまらない でも、このまま捨ててしまっても、きっとつまらない
おじいさんは、子ネコを抱いて、家に入りました。
火の前につれて行って、さかなをすこし口に入れてあげました。
子ネコは、もぐもぐと口を動かしてたべました。
食べると、少し元気が出たようで、にゃっとなきました。
おじいさんは、子ネコを抱いて、いっしょにおふとんにはいりました。
つぎの日の朝。
ほっぺをざらざらとしたものになめられて、おじいさんは目を覚ましました。
子ネコは、み―、みーと声を上げました。
青い目が、じっと、おじいさんを見つめていました。
わかった。わかった。おまえは、みー、というんだな。
その日から、おじいさんは、子ネコとくらすことにしました。




