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「桃音」
柔らかな髪が広がる背中に青葉は声をかけた。
廊下の窓から庭を見ていた桃音が無表情のまま振り返る。
「どうしたです……あおくん……」
「赤城のなにが問題なんだ」
前置きなしに青葉は一気に核心を尋ねた。
向かい合った桃音は微かに目を細める。
なにも言わない桃音に青葉はなおも言葉を重ねる。
「赤城に秘密があることか、俺たちに秘密があると知られたことか? そんなもの大したことか? いつものように桃音が言い負かして契約をとりつければいい話だ」
「……あお君」
「俺は赤城に借りもあるし、情もある。俺が招き入れたことも事実だ。だから、このゲームに理由ないまま俺は納得できない。桃音は赤城を何から遠ざけようとしてる?」
まくし立てた言葉の上に感情が降り積もる。苦しげに顔を歪める青葉に、桃音は俯く。
「言えることはひとつだけです……あか君の秘密はこのままだと目覚める……」
「待て、それで何が困るんだ桃音。それにお前が赤城の秘密を暴けというゲームにしたんじゃないか」
青葉の戸惑いに桃音が顔を上げる。
感情の一切ない、いつもに増して人形じみた顔で桃音は言った。
「どっちにしてもあか君には消えてもらうですから……」
get a punch in(言い負かす




