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第一話 出会い

*僕の護衛古代アンドロイド騎士は強かったの第一話 出会いです♪

*他作品、『未来都市でわたしが出会った古代アンドロイドたちは最強でした』のアナザーストーリーとなります。

*古代、クロノス、ノクティス、アルヴィスの三隊長が国を治めている同時代、

別大陸の辺境島国《アークレイ帝国》の騎士を目指す少年ウォルターと、護衛古代アンドロイド騎士、パーシヴァルの絆の物語です。

古代アンドロイドを対等に扱うウォルターやウォルター家に出会い、パーシヴァルの価値観も揺らいでいきます。


*前提として古代アンドロイドの隷属制度や差別がある国家の話です。

*ダーク、差別、過激表現あり。苦手な方はご注意ください。

*基本シリアスストーリーです♪

*みこさいアナザーストーリーです♪

*少々ダーク、差別表現あります。苦手な方はご注意下さい。シリアス要素多めです☆

では、お楽しみください♪


ーー


ーー



まだ着なれない、新しい騎士学校の指定制服を着て、


ウォルターは、〝下級護衛古代アンドロイド騎士養成所〟の前に、父と来ていた。


養成所は、とても大きな施設で、白くどこか無機質さを感じさせる建物の構造をしていた。


ウォルター「父さん、見て!すごいよ…これが〝古代アンドロイド騎士〟の稽古なんだ…!!」


短い茶色の髪が揺れ、緑の目が輝いた。


広い円形の演習場では、古代アンドロイド騎士同士が稽古や模擬試合を行っていた。


剣と剣のぶつかり合う音が鳴り響いている。


戦いの動きも激しく、人間の動きとはまるで違う。


正確さ、速さ、力、全てが圧倒的だった…。


ウォルターは心から感動した。


ウォルター父「ふむ。ウォルターは初めてだからな。〝養成所〟に来るのはな。」


そう言いながら、黒のハットを被り直した。

ウォルター父は、かっちりした黒のスーツを着ていた。


しっかりと撫でつけられた、焦茶の髪に緑の目をし、少しふくよかな体型をしている。


ウォルターとウォルター父の元へ、養成所職員がやって来た。


養成所職員「こちらが〝下級護衛騎士〟の稽古練習所ですね!」


ウォルター「え、これで〝下級護衛〟なの…??」


養成所職員は、笑顔でウォルターにうなずいた。


養成所職員「あぁ、そうなんだ。…でも、下級護衛古代アンドロイド騎士だからといって、決して弱いわけじゃない。人間の護衛より遥かに強くて、身体能力、体力だって…まるで違う。」


ウォルター父「で…。息子が騎士学校に入学することになってな。〝下級護衛古代アンドロイド騎士〟を専属護衛として付けたい。」


ウォルターは目をキラキラさせて、演習場を見渡していた。


養成所職員「なるほど!そうでしたら…このあたりの個体が適しているかと…。」


養成所職員は、ウォルター父に古代アンドロイド騎士のリストを見せている。


ふとウォルターは、稽古場の隅で練習していた、1人の古代アンドロイド騎士を目に留めた。


その騎士は、剣を持ち1人で剣の型をしていた。


静かで、派手さはなかった。


踏み込みには音がない。


だが、一切の無駄もない。


まるで舞踏や舞いのように、しなやかで軽やかに剣が振り抜かれる。


重さはないように見えるのに、剣を振り抜く音はとても力強い。


剣を振い、腕と足が動くたびに髪が風に靡く。


それは、ウォルターがいままで見た中で、


ーーもっとも美しい剣技だった。


騎士は、誰にも注目されない場所で、1人で淡々と稽古を続けている。


ウォルターは、その剣から目が離せなかった…。


気がつくと、ウォルターは演習場を走って横切り、その古代アンドロイド騎士の近くへ行っていた。


ウォルターに気付いて騎士は手を止めた。


ウォルターを見て、何が起きたかのかを考えているようだった。


深い青の瞳がウォルターをまっすぐに見ていた。


ウォルター父「ウォルター!危ないぞ!!急に演習場に入ったりして…!!」


養成所職員が、胸に掛けていた笛を吹くと、剣の音がぴたりと止んだ。


他の古代アンドロイド騎士たちは、剣を下ろして止まりウォルターを見ている。


ウォルターは、隅にいる古代アンドロイド騎士に近づき見上げた。


淡い栗色の短い癖毛、深い青の瞳に白い肌、白のシャツを腕まくりし、黒ズボンに茶色のロングブーツを履いている。


古代アンドロイドらしい、とても整った外見と、騎士としての凛々しさを兼ね備えている。


風に栗色の髪が柔らかく揺れていた。



騎士は剣を下ろし、ウォルターを見て首を傾げている…。


表情は変わることがなく無表情だった。


ウォルター「あの、名前は…?」

と、ウォルターは少し緊張気味に聞いた。


騎士は剣を腰に納め、ウォルターに向き直った。


パーシヴァル「…パーシヴァルだ。」

と、騎士は、低すぎず凛とした声で言った。


次の瞬間、ウォルターは迷わずにパージヴァルの手を取った。


ウォルター「パーシヴァル!僕はウォルター。一緒に来てよ!!」

と、ウォルターはパーシヴァルの手を引いた。


パーシヴァルは固まった。


ウォルター父「ウォルター、その古代アンドロイド騎士が…いいのかね??」

と、ウォルター父は、驚いたように言った。


ウォルターはうなずいた。


ウォルター「パーシヴァルがいい!!」

と、ウォルターはパーシヴァルに笑いかけた。


パーシヴァル「…。」


パーシヴァルは、ウォルターを見ながら何も言えない。


ただ、自分より小さな温かな手が、自分を引いて歩いていくのに従うだけだった。


養成所職員「この個体は、他国に傭兵として長期貸与されていた個体でして…もちろん性能自体に問題はありません。戦闘経験は、大変豊富な部類かと。」


ウォルター父は、パーシヴァルのデータ資料に目を通した。


ウォルター父「…護衛契約締結金がずいぶんと安いんだな…。〝製造年不明〟?〝戦歴および傭兵貸与期間不明〟?…経歴欄がほとんど〝空白〟となっているが…??」


養成所職員は、言葉を選びながら続ける。


養成所職員「…なんせ長期貸出で…別大陸にて戦地を転々としていたようですから。返還されたのはごく最近なのです。登録システム上の分類が、旧式すぎてデータ紛失していたこともあるのですが…。現行では〝新規〟の下級護衛古代アンドロイド騎士として再登録しております。」

と、説明をした。


ウォルターは、パーシヴァルと手を繋いでその話を聞いていた。


パーシヴァルは身じろぎひとつしない。


ウォルターは、パーシヴァルを見上げていた。


姿勢は真っ直ぐで、立ち姿は整っていて美しい。


養成所職員「もしご希望でしたら、護衛経験のある、別の個体も選べますが…??」


ウォルターはパーシヴァルの手を強く握って言った。


ウォルター「僕はパーシヴァルがいい!」


パーシヴァルは、目線を下げてウォルターを見た。


表情にも目にも感情は出ていなかった。


静かにウォルターを見つめていた。


ウォルター父「ふむ。ウォルターの専属護衛だ。ならば、息子の意思に従う。」

と、ウォルター父は契約書にサインした。


ウォルターは、パーシヴァルを見上げた。

ウォルター「よろしく!パーシヴァル!!」

と、ウォルターはパーシヴァルに抱きついた。


パーシヴァルは唐突で困惑していた。


ぎこちないながらも、ウォルターの背に手を置いた。


パーシヴァル「…あぁ。こちらこそよろしく頼む。」

と、パーシヴァルは落ち着いたしっかりした声で言った。


ウォルター父は笑顔でうなずいていた。


ウォルター「さあ、家に帰ろう!パーシヴァル!!」

と、ウォルターはパーシヴァルの腕を引いた。


パーシヴァルは、ウォルターに手を引かれ歩く。


パーシヴァルは荷物もほとんどなかった。


黒色の外套を纏い、使い込まれた茶色の手持ちトランクを持っていた。


馬車に揺られ、ウォルターの隣に姿勢よく座っている。


前を見据えたまま視線はぶれない。


ウォルターが、見ていることに気づくと、パーシヴァルはウォルターに目線を向け首を傾げた。


ウォルターは、照れ臭くて俯いてしまう。


だが、パーシヴァルはウォルターや、ウォルター父を観察していた。


あくまで、〝護衛対象〟、〝新規契約者〟として…。


ーー


ーー


馬車は小さな屋敷の前で止まった。


ウォルターの家は、男爵家、いわば下級貴族であった。

当たり前のように使用人はいない。


大きくはないが、よく手入れされ行き届いた屋敷に住んでいる。

屋敷の裏手には広い畑が広がっていて、たくさんの花や野菜に果物が栽培されている。


ウォルター家専属の4人の護衛古代アンドロイド達が、半袖Tシャツに、長靴を履き、笑い合いながら畑仕事をしていた。


ウォルターは、畑に向かって力いっぱいに叫んだ。


ウォルター「フィリップ、リチャード、マルコ、ジャックーーー!新しい〝家族〟が増えたよー!!」


パーシヴァル「…〝家族〟?」


聞きなれない単語に、パーシヴァルは思わず眉を寄せた。


フィリップ「へえ。ウォルターの専属護衛か。いい面構えしてるな。」

と、白シャツに迷彩ズボンを履き、黒の長靴を履いているフィリップは言った。


短い金髪に、鋭い薄緑の目が光っている。


…まるで軍人のような威圧感がある。


リチャード「おい…いきなりだぞフィリップ…。俺はリチャードだ。」

と、リチャードもまた白シャツ、迷彩ズボン、長靴スタイルである。着こなしが軍人のそれだった。


ベリーショートの紺色の髪に、黒い瞳が不安げにフィリップに注がれている。


マルコ「わっ!かっこいいなー!正統派な騎士さんですね〜、マルコです〜。よろしくおねがいします♪分からないことはなんでも聞いて下さいね〜☆」


マルコは、薄ピンクのTシャツに赤色のズボンを履き、長靴スタイルである。耳までの巻き髪のピンクの髪が、ふんわり揺れている。

ハートと星型のヘアピンがサイドに止まっている。


大きな青の目が、ニコニコ笑ってパーシヴァルを見つめていた。


ジャックは、メガネを掛け直し、パーシヴァルを見た。


ジャックの表情は全く変わらない。


ジャック「新規護衛登録認証済み。判定: 歓迎。」

と、機械的な短文を小さく言った。


それからジャックは、畑の苗にすぐ向き直り、小さなスコップで黙々と作業再開した。


短いグレーの髪に、薄いライトブルーの目をしている。


フィリップ「…あー、ジャックはつまり、〝歓迎〟してるってコト。俺はフィリップ!よろしくな!」

と、笑顔でフィリップは、軍手を外しパーシヴァルに右手を差し出した。


パーシヴァルはぎこちなく右手で握手を返す。

パーシヴァル「…よろしく。」


ウォルター「名前はね、パーシヴァルだよ!」


ウォルター父「ふふ。さあ、みんなそろそろ夕食時間だ。中に入るとしよう。」


一同は屋敷へと入る。


ウォルターの母が出迎えた。


白いエプロンを付け、ニコニコ笑っている。


茶色の髪はすっきりまとめられ、後ろで三つ編みにしお団子に結えている。


ウォルター母「おかえりなさい、えっと…お名前は何かしら〜?」


パーシヴァル「…パーシヴァル。」

と、パーシヴァルは落ち着いて答えた。


ウォルター母「まあ、パーシヴァル!素敵な名前だわ〜♪自分の家だと思ってね?」


ウォルター父「ウォルター、パーシヴァルを部屋に案内してあげなさい。すぐに夕食にしよう。」

と、ウォルター父はにこにこ言った。


ウォルター「うん!パーシヴァルの部屋はこっち!!」

と、ウォルターは二階の突き当たりの部屋に案内した。


だが、パーシヴァルはウォルターに言った。


パーシヴァル「…ウォルターと同じ部屋でいい。夜間は最も危険だ。…〝護衛〟が離れることはあってはならない。」

と、パーシヴァルは言った。


ウォルター「…そっか。じゃあ、僕の部屋広いから。一緒でいいね。」


ウォルターの部屋は、2人で過ごしても困らない広さだった。物が少なく、学習机、本棚、ベッドが一つと質素な作りだった。


パーシヴァルは、ウォルターの部屋の隅にトランクを置いた。それから外套も脱いだ。ウォルターがコートを預かる。


パーシヴァル「いや…自分で…」


だが、ウォルターはにこにこハンガーにかけクローゼットに入れた。


パーシヴァル「…。」


本来ならば逆だった。


〝護衛〟が〝主人〟の世話をするのが当然だからだ。


ウォルター「パーシヴァルは、夜はお布団でも大丈夫?」

と、ウォルターは隣の部屋の押入れから布団を出していた。


パーシヴァルは、重い布団をひょいっと持ち上げる。


パーシヴァル「問題ない。…何処でも寝れる。」

と、布団を畳んで隅に置いた。


ウォルター「…隣の部屋はパーシヴァルが使っていいお部屋なのに。」


パーシヴァル「ウォルターの部屋でいい。…隣部屋には甲冑や盾、装備など置かせてもらう。」

と、パーシヴァルは言った。


階段下から、2人を呼ぶ優しい声がした。


ウォルター母「ウォルター、パーシヴァル!お夕飯が出来ましたよ〜♪」


ウォルター「じゃあ行こうか、パーシヴァル!」

と、ウォルターはパーシヴァルの手を取った。


パーシヴァル「…あぁ。」


パーシヴァルは、様々な戸惑う気持ちを抱きつつも、ウォルターに手を引かれながら、階段を降りて行った。



ーー


ーー


*長文読んでいただきありがとうございました♪

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