第1章 第67話 ティーンからファイへ
転移92日目 ティーン男爵領 領都の宿屋
セイヤ達は、騎士隊が揃う前に、出発の準備を終え、クレア達が来るのを待っていた。
「セイヤさん、おはようございます。 昨日はお疲れ様でした。」
「アッ! ロバート隊長、昨日はお疲れ様でした。 昨日、ギルドの方に、オウガの1群の退治件は、報告しておきました。」
「ありがとう!! オウガ退治の件、報告を忘れていた。」
「回収した商隊の犠牲者も、ギルドにおいてきました。 後の報告は、サーテアのギルドに報告をお願いしました。」
「では、出発出来るな。 領都の街門で、同行の商隊等が居るか確認して出発しょう。」
セイヤ達は、ムード側の街門で、ムード行きの商人や旅人、行商等がいないか確認して、同行の者や馬車を、隊列に入れて、ムードに向けて出発した。
ムードへの街道沿いで、セイヤはリョカ達に馬車を預け、ハルスと共に先行し魔物を探知していると、レッドホースを探知した。
そのレッドホースは、他の魔物あるいは冒険者に襲われた後、逃げてきたのか、負傷しており、街道沿いの草むらに蹲っていて、セイヤを威嚇してきた。
お腹が大きく、仔を孕んでいるらしく、守る様にしているが、脚を負傷していて、上手く逃げられず、セイヤは《念話》により、意思の疎通を試みる。
『おとなしくしてくれたら、助けてあげるよ。 僕達と一緒に、旅をしないか? 仔も、安全な場所で、産める様にしてあげる。』
セイヤは、ハルスから降り、ハルスを擦りながら、牝のレッドホースをみて、話し掛けた。
牝のレッドホースは、最初びっくりした様だが、セイヤがハルスと仲良くしていた為、匿ってくれるかと、頷く様にしておとなしくなった。
セイヤは、ボックス内に牝のレッドホースを保護して、飼い葉や魔物肉に、回復ポーションを混ぜた物を与え、脚に《聖魔法》を掛けて、回復させた。
牝のレッドホースと、ハルスは寄り添い、労る様にしていた為、牝のレッドホースをハルスに任せ、ボックス内から出て、街道沿いで待機して、リョカ達の馬車を待った。
「セイヤさん? ハルスと一緒だったのでは?」
「訳あって、ハルスをボックス内に入れた為、リョカさん達を待ってました。」
リョカ達の馬車に乗り込み、セイヤが答えた。
「牝のレッドホースが、負傷していたのを、ボックス内に保護して、回復させている。 ハルス1頭では寂しいし、仔馬も孕んでいるみたいだから…」
「セイヤさんは優しいですね! ハルスみたく、馴れてくれると、良いですね。」
ファリスが、笑顔で応えてくれた。
ムード迄の道程で、何度か魔物に遭遇したが、ゴブリンやコボルト、オークで、セイヤ達だけで倒せる程度の魔物で、順調に道程を進み、早めにムードについた。
セイヤ達と騎士隊で宿を取り、セイヤ達は、街に買い出しに向かうと
「セイヤさん! リョカちゃんにファリスさんも! 行商ですか?」
セイヤ達は、突然声を掛けられ、そちらを見ると、〖ムードの光〗のサーシャだった。
「サーシャさん! こちらに戻っていたんですね。 討伐の帰りですか?」
「ファイの村での討伐が終わり、今日迄休みだったの。 明日からは、また討伐に出るわ。 こちらには、行商で?」
「いえ。 姫騎士クレア様に同行し、サナトリア王国迄。 〖豪聖槍〗レスポールさんの回復の件で。」
「そうだったわね! セイヤさんのボックスの中に回収されていたんだったわね!」
「石化した3人も、無事回復出来ました。」
「よかったわね! その帰りって事ね。」
「はい。 クレア様を護衛しての、帰りの道中でムードに。」
セイヤ達は、サーシャと別れ、買い出しに戻り、仕入れ後、宿に戻った。
宿に戻ったセイヤは、部屋に入り、ボックス内に向かった。
ボックス内に入ると、牝のレッドホースとハルスが、入口から離れた所におり、2頭が一緒にいた。
セイヤは、空間内のハルス用の水飲み場を奥に移し、近くに藁により休める場所を作り、牝のレッドホースの居場所を作ってあげて、牝のレッドホースとハルス用に、魔物肉や飼い葉、砕けた魔石等、餌になる様な物を準備した。
セイヤは、ハルスに、2頭でゆっくりして、牝のレッドホースが回復する様に面倒をみる事をお願いした。
リョカ達も、ボックス内に入ってきた為、ハルスから、牝レッドホースに、仲間であり、危害は加え無い事を報せてもらった。
「あちらのレッドホースが、今回保護したレッドホースですが、あちらはハルスにお願いしてあるので、近づかない様にお願いします」
「懐いてくれたら、ハルスのお嫁さんに良さそうですね。」
ファリスがそんな事を言っていた。
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転移93日目 ムードの街 宿屋
その日もセイヤ達は早く起き出し、クレア達が出てくる前に準備をしておいた。
時期に、クレア達騎士隊も揃い、ファイの村に向けて準備が調い、街門に向かった。
ファイの村方面の街門で、同行者を募り、出発していった。
ファイの村迄の道程も、以前程ではなく、それほど魔物にも遭遇せず、セイヤ達〖イストビレン〗で退治可能な程であり、騎士隊は姫様と商隊の護衛で事足り、順調にファイの村に到着した。
クレア達は、騎士隊の駐屯地に入り、セイヤ達は出丸の夜営地に行き、夜営の準備をすると、村長の所に向かった。
「こんばんは。 護衛のついでに、挨拶を。」
「あっ! セイヤさん! 護衛ですか? サナトリアの帰りか!」
「そうです。 村の周りは、どのような感じですか? まだ、魔物は多いですか?」
「小数ですが、騎士隊が残って、討伐してくれていますし、〖ファイの嵐〗をはじめ、冒険者の方も少し残ってくれてます。 村人も討伐に出てますし、薪もなんとか取りに出られる様になってきました。」
「それは良かった! また、行商の方で、寄らせてもらいます。」
「セイヤさんには、助けてもらい、ありがとうございました。」
「たまたま、こちらに寄った時、魔物が多かった事からの繋がりです。 やはり、見過ごせませんから。」




