第1章 第56話 〖レイドの悪魔〗 決戦
ランクSの〖白銀姫〗・〖拳狼騎士〗・〖豪槍聖〗を始め、ランクA以上の冒険者達が、30人以上居るにも関わらず、体力を削れていっていない。
〖レイドの悪魔〗に、回復能力が有るのか、ダメージが通っていないのか、与えたはずのダメージに対して、体力の減りが低く感じられた。
〖レイドの悪魔〗が魔法を使えば、範囲魔法による回復を図らないと、死者が出る様な状況だった。
「オレ達で、倒せ…「倒すんだよ!!! 倒さなきゃ、自分が死ぬんだぞ!」………」
「前衛の者は闘気を纏い、全力で戦え!!」
前衛で、魔法を使えない者達は、魔力を闘気に変換して、少しでも多くダメージを与えていく。
〖白銀姫〗ユーティスの指示で、前衛職で魔法の使えない者達が、闘気を纏い始め、弓使いの者達も闘気を纏って戦い始めた。
〖レイドの悪魔〗も、自分の体力が削られ始めた事により、攻撃が熾烈になっていった。
セイヤは、マントの下で、左腕に2つのマジックサークルを纏わせ、ソコに魔力を注ぎながら、右手で戦っていた。
セイヤは、この戦闘では、前衛に出られない為、新緑の杖を装備して、魔法主体で攻撃していた。
範囲魔法を受けた時、直ぐ回復魔法で回復する為、前衛職での切り合いでは、回復が間に合わないと被害者が出る為、前衛でなく中衛で全体に回復魔法が行き渡る場所で戦っていた。
リョカには、回復魔法で回復しきれていない者に、ポーションを掛けていき、少しでも回復させていく。
飲用した時より、回復量は低くなるが、戦闘中は飲む事で隙が出来ると、命取りとも成りかねないので、振り掛ける事で、回復魔法の足しにしていく。
ファリスは、矢に《風魔法》を纏わせる事により、加速させてダメージ量を多くしたり、回復のサポートに回ったりしながら、攻撃を担当していた。
〖白銀姫〗ユーティスは、剣に氷の刃を纏わせ、より鋭い剣で切付け、時に《水魔法》で氷を作りだし、〖レイドの悪魔〗に切りかかる。
〖拳狼騎士〗アラニスは、拳に専用のグローブを嵌め、闘気を纏って殴り掛かる。
その速さは、流石なもので、他の追随を許していない。
〖豪槍聖〗レスポールは、輝く白銀の槍に闘気を纏い、素早く重い一撃を放っていく。
その一撃には、魔力も纏っているのか、炎も立ち上ぼり、二重に闘気・魔力で強化されているようだ。
流石にランクSだけあり、並みの攻撃ではないが、〖レイドの悪魔〗も、多才な攻撃を放ち、高い体力で支えている。
セイヤも、《木魔法》で足を拘束したり、《雷魔法》で麻痺させようと試みるが、拘束も直ぐに破られ、麻痺も効いていないようだ。
《四元魔法》の、各ランクSの魔法も、味方の冒険者達を巻き込みそうで、この洞窟では不向きであり、攻めあぐねていた。
セイヤは、いちかばちか、新緑の杖に《闇魔法》の、マジックサークルを纏わせていくと、〖レイドの悪魔〗が、前衛の一部に、強力な魔法を放ってきた。
「「「「カッハッ!!」」」」
魔法を受けた、〖豪槍聖〗レスポールをはじめ、5人の前衛職の冒険者達が、血を吐き崩れ堕ちた。
『リョカさん、ファリスさん、崩れ堕ちた方達を、ボックス内に回収して』
『ノーナ、回収された方達は、時間停止フォルダに!』
セイヤ達が、回収に向かうより早く、〖レイドの悪魔〗の尾が、崩れ堕ちた冒険者を襲う。
尾に襲われた冒険者達は、石化していき、屈んだ石像の様になっていった。
『そのまま回収して!!!』
セイヤ達が、3人を回収したところで、〖レイドの悪魔〗の拳が襲い、3人の冒険者の石像が打ち砕かれた。
セイヤは、振り向きざまに、〖レイドの悪魔〗に、ブーストしたマジックサークルを放った。
『ヴッグッ!!!』
セイヤの放ったマジックサークルは、〖レイドの悪魔〗に効いた様だが、ブーストした為か、新緑の杖が砕け散り、セイヤは、湖畔の小屋で見つけた〘◇◆□▶〙の杖を、クラウドに出してもらい、それを装備して、マジックサークルを展開していく。
『ソレは、あの魔導師の杖!!』
〖レイドの悪魔〗は、驚愕の顔でセイヤを見、セイヤに襲い掛かろうとしたが、セイヤのマジックサークルの方が、早く展開し終わり、その魔法を放っていった。
セイヤは、魔法を放ってからも、〖レイドの悪魔〗に接近し、左腕に展開していたマジックサークルを、ブーストして続けざまに放っていく。
『ヴッグッ!! なにっ!!!』
〖レイドの悪魔〗が、かききえ、あたりに静寂が戻った。
「ウッ!!!」
セイヤは、左腕を押さえ、踞る。
リョカ達が、セイヤのところに駆けつけ
「セイヤさん、大丈夫ですか!」
「左腕に怪我を!!」
リョカ達は、回復ポーションを出していき、セイヤに飲ませていった。
「「「俺たち、倒したのか!!!」」」
「魔界に、追い返しました。」
セイヤは、〖レイドの悪魔〗を、魔界に追い返したと言って、負傷者の救護をしていった。
打ち砕かれた冒険者達3人は、救護のしようがなく、ギルドカードが回収され、リョカ達により、欠片が回収されていった。
他にも、部屋にあった魔物の屍体や、装備品等が回収されていった。




