第1章 第18話 ファイの村からの手紙
転移17日目 領都 〖精霊の泉亭〗
翌朝、起き出したセイヤは、ターニャの朝食を準備して、自分の朝食の為、階下に降りていった。
「おぅ、セイヤ! おはよう! おまえも此処が常宿か?」
ホレスさんの商隊で、護衛隊長だったモールさんが声をかけてきた。
「あっ! おはようございます! モールさんもこちらでしたか。 おはようございます! セレスさん、朝食をお願いします!」
セレスに朝食をお願いしながら、モールと話をしていく
「護衛で出て無い時は、ここを常宿にしているよ」
ホレスさんの護衛をしていた護衛隊は、〖ムードの風〗という冒険者のパーティーで、モールさんがリーダーだった。
「そうだったんですね、他にも、何組かのパーティーが、ここを常宿にしてますね。」
「裏手に、冒険者用の建物が有り、長期で借りるパーティーは、6組程泊まれるからな!」
「セレスさんの料理目当てのパーティー達ですか?」
「ちがいねぇ!! 初心者用と紹介されるが、ここに居着くパーティーも居るな!」
「僕は、領都に来た時だけ、ここを利用してますが」
「そんな行商や商人も、良く見かけるぜ!」
「はいょ! セイヤさん!」
セレスの掛け声と共に、朝食の準備ができ
「ありがとうございます!セレスさん!」
セイヤは、モールとセレスに頭をさげ、朝食を受け取り、席に着いた。
朝食を食べていると、何組かのパーティーが、起き出してきたり、出かけていったりした。
その中には、前回泊まった時に、見かけたパーティーもいた。
朝食を済ませ、セレスに器を戻して、部屋に戻り、背負い袋を持って、商業ギルドに出かけた。
商業ギルドに着いて、受付嬢に
「こちら、ファイの村の村長よりの手紙です。 それと、金貨を銀貨に両替してもらえませんか?」
セイヤは、商業ギルドのカード・ファイの村の村長の手紙、金貨5を背負い袋から出した。
「ファイ村の村長からの手紙ですね。 少し、お待ち下さい。 それと、金貨の両替ですね! こちらで、銀貨500枚です。」
「ありがとうございます!」
セイヤは、商業ギルドの受付で待つと、ギルドにホレスさんがやって来た。
「セイヤさん! 無事に着きましたか。 今、ファイ村の事で、ギルドに相談に来たところです。」
「あっ、ホレスさん! 僕も、ファイの村の村長からの手紙を、ギルドに届けたところです。」
「丁度良かった、一緒に来てもらえないか?」
ホレスさんは、そのままギルドの2階にあがっていった。
2階に上がり、〖ギルド長室〗の前でノックして、ギルド長室に入っていった。
セイヤは、着いていったが、さすがにギルド長室の前で止まり
「兄さん!! いきなり、びっくりするだろう!!」
「すまんが、セイヤさんも入ってくれ! ホルス、すまんが、急ぎの事と状況説明だ!!」
「いきなり過ぎる!! こちらも、急ぎの事が有るんだ!」
「ファイ村の事だろ! 昨日、そちらから戻った。 詳しく話たいから、説明してもらう!」
「待って! 手紙を持って来た人を呼ぶ!」
「どうせ、彼さ! 説明してもらうから」
「ヘッ…! 知り合いか?」
「あぁ、 一昨日助けられた。オーク15匹位の群れに遭遇した時にな!」
「オーク15匹の群れだって! ナゼそんなに群れている!」
「こちらは、セイヤさん、彼はファイの村に行商に来てた方で、ファイの村の廻りで、魔物が増えているとの事で、ファイの村に城壁を建て、周りを討伐してた方だ!」
「ファイの村に城壁!! どうなってるんだ!」
「新人冒険者で、行商しているセイヤです。 10何日か前に、こちらのギルドでも、登録しました。」
「「新人冒険者ぁ!!」 セイヤさん、ベテランで、ソロじゃなかったのか?」
ホレス達が叫び、ホレスが続けた。
「ベテランって、まだ、15歳ですよ? 始めたばかりです!」
「始めたばかりってぇ、魔法だって凄かったのに!」
「それは、固有スキルの影響だと思います。」
セイヤのスキル形態は、隠蔽で隠して措かないと、大変な事になりそうな位に、多画化しており、勇者認定され兼ねない。
「で、何の話でしたっけ?」
「あっ!そうそう、それで、ファイ村の周りに魔物が、多く出ているって話だった。」
「そうですね! 騎士団にお願いするって事でしたね。」
「騎士団だって! 騎士団が出ないといけない程の状況なのか?」
「その方が良いと思います。僕だけでも、10何日の間に、400近い魔物を討伐して来ましたから。」
「「400だって!」」
「たまたまです。100程は、洞窟内に閉じ込めて、毒の煙で一晩燻し、止めを刺して回っただけです。」
「洞窟内に閉じ込めただって! そんな倒し方があったのか!」
「森で見つけた、毒草や毒茸を焼いて、煙を洞窟内に誘導して塞ぎました。」
「塞いだって事は、土魔法でか! 魔物から、守ってくれた時も、土壁で防いだ。 ファイの村の城壁もそうか!」
「ファイ村の城壁? そんなの、聞いてない!!」
「ギルドで、登録した次の日に出て、ファイの村に行き、翌日に建てましたから。 頻繁に行商が行く村ならいざ知らず、あまり行かない所の情報は、遅いと思いますよ。 ホレスさん、ウルフの革鎧(E)のセット10、後ロングボウや矢を、ファイの村に運んであげて下さい。 僕が受注しましたが、早い方が良いと。」
「君の商いをこちらに? いくらなんでも「商いでなく、村の防衛の為です。 早い方が良いですから。 できれば、安く運んであげて下さい。」……わかった。 防衛の為だな! 明日には、出発させる!」
「すみません、個人の行商だけでは、賄いきれませんので。」
「わかった! 私は、手配しに行くので、こちらを頼む。」
ホレスさんは、足早に部屋を出、手配しにいった。
「ファイ村の村長からの手紙、運んでくれて、ありがとう! これから、領主様に会いに行き、騎士団の派遣を要請してくる。」
「よろしくお願いします。」
セイヤは、頭を下げてお願いし、ギルドをあとにした。




