#33
友梨奈さんの担任教師が「今日は転校生がきている」ことを告げると、教室の中から生徒達のざわめきが起きている。
担任教師が教室から顔を出し、廊下にいる彼女を教室に入るよう促した。
彼女は緊張した面持ちで教室に入り、自己紹介をする。
「友梨奈さん、いよいよ第2の学校生活ですね……」
友梨奈さんを「自殺」に追い込ませるような行為をした彼女のクラスメイトは「野澤 結衣」という人物が「木野 友梨奈」であることを知らない――。
たとえ、友梨奈さんのクラスメイトが転生した姿でもバレてしまうかどうかが気になるところではあるが、そればかり気にしていたらキリがないことに気づいた僕。
一応、今のところは彼らからの歓迎を受けていたので、現段階ではバレずに済んでよかったと思っていた。
†
彼女の隣の席に座っている男子生徒が「実はその席、亡くなったクラスメイトの席なんだ……」と寂しげに告げる。
本来は結衣の座席は友梨奈さんが生きていたらこの席になるのだろうと思われるところ。
しかし、今は転生したあとの結衣(友梨奈さんと書くと混乱させてしまうと思い、こう書かせていただく)の席となっており、その周囲は綺麗に片付けられていた。
「僕が……僕がもう少し周りを見ていれば、彼女は自ら命を絶たずに済んだのに……」
彼はまるで過去の自分のことを反省しているようだった。
その時、彼女は「……わたくしはその人の親戚に当たる者ですの」と告げると周囲はざわめきが起こる。
「ところでさ、あの女が死んだだろ?」
「それで、こんなに可愛い子がこのクラスにきただろ?」
「「俺達、ラッキーだよな!」」
一部の男子生徒達は最悪な人物だ。
彼らはゲラゲラと笑いながら結衣に向かって指を指したから。
「人に向かって指を指すことを止めなさい?」
おそらく彼女は泣きたい気持ちになったのだろうか?
しかし、友梨奈さんの中ではここで泣いたら今までの自分に逆戻りしてしまうし、これでは前世に戻った意味がなくなってしまうのではないかと思ったのだろうと僕は推測する。
そのあと、男子生徒達は素直に「ハ、ハイ!」「す、すみませんでした!」と謝ってきたのであった。
「さて、どなたでも構いませんが、わたくしにこの学校を案内してくださらない? さあ、今すぐに!」
「僕が!」
「あたし達が!」
結衣の問いかけに挙手をしてきたのは男子生徒1人と女子生徒2人。
「ならば、わたくしを含めて4人で行きましょう」
「「4人で!?」」
「えぇ。もし嫌でしたら、他の方に頼みますので」
「「……ハイ……」」
確かに、結衣から言ってきたのだから、4人でなければ確実におかしいと思う。
「友梨奈さん? これから1限目が始まるのにそのようなことを考えていていいのですか!?」
僕は診察室の机に手をバンっと叩きつけた。
2017/08/05 本投稿
※ Next 2017/08/06 0時頃更新予定。




