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第2章-5 突然の収束…… 新しい時代の幕開け…… 新しい経済対策

ウィルスに感染した2人のその後と経済対策について書いています。


以前書いた内容のいくつかが実際に実現されてきています。


一番問題の家賃の話がもう少し国主導でどうにかなればと思っています。


 吉光はだんだんと力が抜けていく雪の手を握りながら励まし続けるが、雪の容体はどんどんと悪くなっていく。トントンとノックの音が聞こえ、医師の白石が午後の診察に来た。


「栗本さん聞こえるかな」


 雪は小さくうなずく


「自分の状態はわかるかな? このまま悪くなるようであれば酸素吸入と麻酔を掛けることになる。この意味はわかるよね? 吉光さんは多分抗体を持っているから再度悪化するとは思えないし、現状でも陽性なのでこのまま栗本さんの側で夜の回診までいてもらって構わないから。もしもどうしても我慢できないような状態になったら回診前に麻酔をかけるね。人工呼吸器の手配はしているから……自分は本当に無力だと思う……」


 白石の話を聞き雪自身も自分の状態を判っており、昨日の吉光のような奇跡が無い限りこのまま自分が死んでしまうことを理解していた。人工呼吸器なんて日本中どこにも開いているものがあるわけがない事も重々承知している。生きているうちに吉光と一緒にデートしたかったな……

 そんな事を思いながら熱でうつらうつらしていると、診察時には部屋の外で待っていた吉光が入ってきた。


「雪さん、大丈夫ですか? お水とか大丈夫ですか?」


「うん……」


 力ない返事が帰ってきた。


「雪さん治ったら何処行こうか? とりあえず中華は決定だけど雪さんさえ良かったら他のところにも行きたいな。海とか山とかにキャンプとかもいいな」


 吉光は明るい声で雪に話しかけるが、雪は少し微笑むだけで声は出ない。どんどん容体が悪くなっていく雪を見ながら、吉光は最近ずっと思っていた事を雪に伝えた。


「雪さん、もしも良くなって退院出来たら、俺と付き合って欲しい。もちろん結婚を前提にしたお付き合いをお願いしたい」


 雪は涙を流しながら小さくうなずいた。


「良かったああああ!! 振られたらどうしようかと思った」


 吉光は明るく雪に笑いかけると雪も少しだけ明るい笑顔を吉光に返してきた。

 吉光は意を決したようにゆっくり雪の顔に近づけると雪にキスをする。雪は感染させてはいけないとびっくりしたような顔で横を向くが


「大丈夫!!俺も陽性だから!!」


 吉光は笑って言いながら再度顔を近づけると雪も今度は拒むことなく吉光のキスを受け入れた。これが人生最初で最後のキスになるとは思わなかったと考えながらも、最後にキスが出来た事が何よりも嬉しく幸せな気持ちになった。何度かのキスをした後、雪が少し咳き込んでしまった。それからは吉光が手を握り、一方的に雪に話しかけていた。仕事のことや自分の生い立ちを面白おかしく語っていく。雪は聞きながらどんどん吉光が好きになっていく。こんなウィルスがなければ楽しい事がいっぱいあったんだろうなと思いながらも、このウィルスがなければ吉光とも会うことが出来なかったのかな? などと考えていた。


 夜の診察が始まったが、白石は栗本の診察をしながら少し状態が他の患者と比べて進行が遅いことに気がついた。


「栗本さん呼吸とか咳の状態はどうかな? きついならうなずくだけでいいから、夕方より良くなってきているような気がするならうなずいて、悪くなるようなきがするなら横に振ってもらえるかな」


 雪は自分でも夕方より少しだけだが楽になっているような気がしていた。雪は小さくうなずいて見せた。


 白石は血液が喉からの検体採取を行い、吉光に容体が落ち着いているからそのまま部屋で過ごすことを許可して慌てて出ていった。それからまた吉光は雪に先程の続きを話しかけていた。雪も夕方より元気を取り戻し笑顔で笑っていた。夜中まで一緒に話をしてそのまま寝てしまった。


 翌朝になるとそこには、吉光同様に元気になった雪の姿があった。


 この2人の事例は世界中の医療関係者に伝わった。もちろん吉光が雪にキスをしたところまで……


 その事により、吉光が感染後に吉光の体の中で変異したCOPAN-20αはCOPAN-20γ型と名付けられそこから分離された抗体によって治療薬とワクチンの開発に成功した。


 その治療薬とワクチンについては、その抗体を持っていた吉光、雪そして見つけた白石より研究用に渡すサンプルの条件として、どこの企業がワクチンや治療薬を開発したとしても全ての情報を世界中に公開をして、特許類を放棄する事が約束された。もちろん世界中にその内容も公開されたために莫大な利益を得ることは製薬会社として出来ないが、少なくとも最初に作った企業は世界中に名前が出る事で製薬会社としての認知度はとてつもなく上がる事は間違いない事だった。


 サンプルを渡して程なく治療薬とワクチンが完成したが、日本ではそれらを作ることが可能で希望する企業に対して、政府よりほんの少しだけの利益しか出ない価格での製造許可が降りた。それでも殆どの企業が参加し、日本以外にも輸出される事になった。もちろんその価格は上乗せされること無く世界中に送られた。これによりワクチンの成功より1ヶ月ほどで急激にウィルス騒動が収まっていった。


 ウィルスが収まって3ヶ月程後、教会に吉光と雪の姿があった。もう少しして結婚式をあげようと思ったが、この騒動の終息の立役者でもあり、世界を明るくするニュースが必要だと言われ早めに式を上げることになった。


「ねぇ、この祝電っておかしくない? 大統領クラスから沢山届いているんだけど……」


「そうだよな、俺達が何かしたわけでも無く、単にウィルスにかかっただけなんだけどね」


「まっ仕方ないか、すぐに忘れられると思うから祝ってもらえるだけありがたいと思いましょ!」


「中華料理は食べたし、約束の旅行もいかないとね!」 


 二人はそんな話をしながら結婚式に向かった。





 二人の結婚式から1週間後


「それでは、今後の日本の再生プランの説明をさせていただきます。これらのプランにより疲弊した日本を強く再生させていきます」


「まず、終息宣言でもお伝えしましたが、数多くの方が亡くなりました。そこには医療や生活物資の販売等で命を落とした方も多数おられます。他にも社会の為に働いて頂いた方々の中にも犠牲になった方もおられます。それらの方全員の方に深く感謝すると共にご冥福をお祈りします」


 深く頭をさげたあと一息ついてから話し始める。


「まずは医療機関に関しては今回の反省を活かすために、医療機器及びオペレーション体制の充実を来年5月までに行います。医療機器は受注の減っている町工場等を利用し純国産の医療機器の製造をお願いすると共に、今回不足したマスクやアルコールの備蓄に対しても各家庭及び企業だけでなく、メーカーや自治体において最低でも6ヶ月間の供給が滞ること無く行き渡る体制をとります。マスク製造工場に対して3ヶ月間分の原材料の保有を義務付けそれらの保管場所等の補助等を行います。アルコールに関しては高濃度アルコールを製造可能な酒メーカーに補助金でアルコール製造の増産が出来る体制を取り、通常は今まで通りの免許を維持しますが、今回のような場合には即日アルコール増産が可能な体制をとります」


「次に長く続いた行動制限により、観光や飲食の消費が減っております。それらを改善するために国民1人あたり10万円の娯楽遊行券を発行致します。これらは使用を希望する店舗において利用できます。利用金額の2割までをその券でお支払いいただけます。また2年間を目処に高速道路を各地域毎に500円乗り放題とします」


「またイベント等に関しては補正予算を組み、コンサートや演劇を含め数多くの補助や協力を行います。政府主催のイベントを今後3年間は大幅に強化いたします」


「そのほかにも多数の施策を今後おこない、以前の日本以上の活気を必ず取り戻し、同じようなウィルスが今後出た場合でも、世界中が一度に対策をできるような国際協力の実現に力をいれます。今からが日本の強さを世界にアピールする時期です。どうか皆様のご協力をお願い致します」


そう締めくくられた。











 今の日本は本当に危険な状態になっています。


 この状況下でもパチンコ屋さんは大繁盛ですし、大きなショッピングセンターも大盛況です。なんとか終息させないと、本当に変異が始まって手がつけられない状態になるかもしれません。


 このウィルスが変異してこの小説のような状態にならない保証は全くありません。明日以降変異する可能性もあります。だからこそこの数週間を家ですごし、その後も出来る限り三密を避ける努力が必要です。みんなの心がけで三密は防げますし、感染リスクは減らせます。


 なんとか皆さん乗り切りましょう!




 

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