『薄紫の哀しげな花冠』
2018/8/26 Amebaにて掲載したもの。
「Hyacinth」
『赦してください』 こんな僕を
『ごめんなさい』 こんな僕で
疵附けるくらいなら 泣かせるくらいなら
そんな結末 最初から解っていたのに
互いに愛して 疵附きあって さよならの一言で終わる関係
ひたむきな愛を嘯いた 幾度目見る 初恋の夢
踏み込みすぎた 甘い時間 一夜のまやかし 夏の夜終わりを報せる
ゆるり落ちて終わった線香花火の火も ふわり香る君の甘い匂いも 忘れられるはずが無くて
苦しくて 悲しくて 過ったって 気付いたの
ごめんなさい 赦してください なんて言葉 もう遅くて
遠く離れた距離 声も届かない 触れられない
僕を置いて また 何処に行くの
哀しくない
苦しくない
寂しくない
何も知らないままで 逢いもしなければ
僕らはまた 誤らないで済んだの
寒くない
暗くない
息も出来ない
きっと迎えに行くよ 出来ない約束を 交わした
ただ一つの無色の糸 今 途切れて
君はもう 戻らない
僕を忘れて 正しい途を 歩むの
風に揺られる 一輪の花の事なんて 地に咲く雑草の一つで まるで眼中になんて無いのに
それを僕は 知ってた 解ってた 棘のない雑草もまた 踏みにじられ 枯れ逝くだけなのを
僕は君にとって 良い人で居れた?
愛すること
畏れること
嫌われること
好いてること
拒絶が怖くて 蝶には成りたくなくて 蛹の儘 融けたまま 誰にも掬われないまま
殻は破れて 何にも成れない 紫色の黄昏
君が残した 最後の花 ヒヤシンス
融解度 混ざり合うの 黄昏と花の紫が
また僕は君に 本当の気持ち 伝えぬ儘
夢を見る 醒めない夢を
夢を見る 褪めない夢を
夢を見る 確かに 君と居た夏の夜を
君は知らない
僕の想いを
偽りの仮面を幾重も重ねた
本当の素顔を
君は知らない
僕は要らない
所詮、01の羅列と傀儡の言葉
「祠之傀儡」 end




