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「ただの経費削減ですが?」〜銀河最弱の補給艦隊が、俺の「在庫管理」で最強になったようです〜  作者: 空木 架
アストラ艦長のランチェスター戦略

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第24話 連邦軍の新兵器と帝国軍のアンドロイド

「先頭はクラウザーム・ヴァイロンだ。後の2隻はオートパイロットで追随しろ」


 ブリッジに戻った俺は、最速で勝つ――いや、冷奴を食べるため、最速で帰る方法を指示した。

 3隻散り散りに飛ばれたのでは、収拾がつかなくなる。一直線で一定の距離を保って進むのが最速だろう。トヨタ生産方式の要領だ。たぶん……。


「敵艦は、横1列に広がっています!」


「そのまま真っすぐに突き進め」


 敵艦の間をすり抜けて、そのまま帰れるかもしれないからな。それに、〝できる限り競争(戦闘)を避ける〟それが一番コストをかけずに儲けを出すコツ――ブルーオーシャンってやつだ。知らんけど。


 俺がそう考えていたとき、隣にいた将校が、鼓膜が破れるのではないかと思うほどの声で叫んだ。うるさい。


「ア、アストラ艦長! 〝真っすぐ突き進む〟ですと!? 敵艦からミサイルを撃ってきたらどうするおつもりですか!?」


 俺は、ほんの一瞬だけ考えて結論を出した。


「そうだな……。その時はお前が的になればいいんじゃないか? アンドロイドだから問題ないだろ?」


「な……!」


 壊れてもサブスクの無償保証範囲内だから安心だ。

 俺がそう思っていると、周囲の軍人が何だかざわめき出した。


「お、恐ろしいお方だ!」

「戦闘に勝つために、生贄になれということか!?」

「これが伝説のクラウス・クロス将軍直伝の戦術か!」


 そんなわけないだろ。俺は低コストかつ、残業しないで、早く帰って冷奴を食べたいだけだ。

 そろそろ敵艦が目視できる距離に入る。俺は緊張した面持ちで、身構えた。そういえば帝国に醤油はあるのか?


 ◇


 一方その頃。銀河連邦軍の主力艦サイクロン・ドログリーのブリッジでは、司令官のムワルグが慌ただしく指示を出していた。


「我々人間が、アンドロイドなどに負けるわけにはいかんのだ! あのゴミ共を絶対に撃退するぞ! 新兵器の準備はまだか!」


「もう間もなく、全艦準備完了します!」


「よぉし! アンドロイドよりも生身の人間のほうが優れていることを証明するんだ!」


 ムワルグがそう叫んだとき、前方からクラウザーム・ヴァイロン率いるクロス・ヴァーン帝国軍艦隊が、目視できる距離までやって来た。


「準備完了しました!」


「完璧なタイミングだ! 全艦一斉に前方に向かって照射しろ!」


「は! フリーズ(資産凍結)サブスクリプション(定額支払期間)デッドライン(強制終了)照射!」


 銀河連邦軍の艦隊7隻から、不気味に光る七色の電波が同時に照射される。


 ホワワワァァァァン!


 ◇


「アストラ艦長! 敵艦が何やら虹色の電波を照射してきました! このままでは、全艦謎の電波に包まれます!」


 電波が目の前の空間を埋め尽くし、進行方向全体が虹色に染まった。

 くそっ! 横一列の陣形をとっていたのはこのためだったのか! ……ってか、電波って宇宙では目視できるものなのか?

 俺が、見える電波に驚愕している間に、帝国艦隊が虹色の電波に包まれた。

 その刹那。周囲の乗組員達が、バタバタと倒れだした。


「何だ……急に……通信――」ガシャン!

「こ……の、電波は――」ゴシャ!

「アス……トラ、艦――」ドゴン!


 もちろん隣のヘルディナンドも同様だった。


「艦、長は……なん、ともないの――」ボゴン!


 その直後、艦内無線にヘルディナンドの声が響き渡った。


『アストラ艦長! 突然アンドロイドとの通信が遮断されました! 艦長は無事ですか!?』


「あぁ。俺は大丈夫だ! 俺以外は皆倒れたが……」


『な、なぜ? アストラ艦長だけ!? そういえば〝特別製〟とおっしゃっていましたね!』


「まぁ、実は生身の人間だからな」


『……な、なんですと!? まさか! アストラ様はこうなることを見通して、自分だけ生身の姿で乗り込んでいたというのですね!? 凄まじい慧眼であります!』


 ぜんぜん違うけど、まぁいいか……。


「このくらいお前もすぐできるようになるさ」


 俺がそう答えたとき、突然クラウザーム・ヴァイロンが右に傾き出した。

 宇宙なのに傾きが分かるのはおかしくないか? などというツッコミは置いておいて、要するに右に旋回し始めたのだ。


 俺が操縦桿のほうを確認すると、アンドロイドが操縦桿の上に倒れ込んでいた。


「不味いぞ! このままでは、ルートを外れる!(燃料を多く使うし、帰りが遅くなる!)」


 俺は、ブリッジ内に折り重なっているアンドロイドをかき分けながら、操縦桿に向かうのであった。


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