建築資材の調達。
「話は済みましたかな?」
ルシアとの話も済ませた頃合いにレイチャード殿から声を掛けられた。
「はい、ルシアとの話は済んだところですが、どうされましたか?レイチャード殿。」
「小国の件はルシア殿にお任せしたので吾輩も動こうと思いまして……」
(動くって…帰るってことか!寂しくなるな…)
「そうですか…身体にお気をつけて!」
「はい、これから建築資材や素材等の商談をして参りますゆえ、暫し離れます。」
どんどん…知らない間に事が進んでいく気がしてならないのだが……ッ!?
それにしてもルシアが選抜したメンバーはどうしてこんなにもやる気に満ち満ちているのだろうか。
あと、何も言わなくてもちゃんと行動する辺り……優秀すぎやしませんかね?
「ノル様のギフトの件は皆がルシア殿に聞いております。とても優秀で素晴らしいギフトだと私は思いました……」
そんなこと……言われたのは初めてだな…家族には使えないと罵られたからな……あれ?
「涙が……」
「ど、ど、どうされましたかッ!?」
「そんな風に素晴らしいって言ってもらえてとても嬉しかったんです!」
「さぞ、お辛かったのでしょうね……大丈夫ですよ!コレから先はあなた様の時代です!」
「僕はもう王子では無い……価値は無いですよ?」
「それは違います!ノル様そのものが価値なのですから。
ノル様はご自身で持っているよりも民に慕われております。
それは王子だから…ではございません。
民を思い、寄り添い、悩まれて来た事を皆が知っておるからです。
そしてノル様がやってきた取り組みが帝国民…
王族以外の全てがノル様を愛しております。」
僕は……生きていて良いの……?
民を失望させ、姿を消したのに未だに慕ってくれているのだろうか…
レイチャード殿が言ってくれた言葉に僕は全ての国民を守れずに離れてしまった自分に腹が立っていた。
「僕に野望が出来ました……」
「皆を集めて来てもらえませんか?」
「ハッ!」
数分後、リビングに集められた仲間に向けて僕は自身の野望を打ち明けた。
「僕は……帝国国民全てを我が国民にする!つまり、帝国との戦も想定されますが、最小限度で無力化する為に周りの国と連携を取れるように皆さんと僕とで各地に行き、同盟加盟国を増やしていきましょう。ただ……国とはまだ、言える状況でないのも事実なので先ずはや小国を何とかして行きます!」
ラスタード帝国国民は重税に重圧に苦しめられるだろう…そうならない為に政策を行なって何とか民に被害を出さないようにしていたが……王族があれでは保たないだろう。
一刻も早く救い出さないと。