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帝国内では…。

       ―帝国 王宮内部―

 王宮では王族以外が慌ただしくしていた。


「ノル様が居てくださらぬだけでこんな……」

「泣き言を言っても始まりません!」

「あのお方はもう……居ないのだから。」


 数人の官僚達が嘆きながら作業に追われているのには理由があった。

 彼らの作業効率を向上させたのは他でもないノルだったのだが、誰もその方法を理解しておらず、言われた通りに動いていたのもあり、今はその対応に煽られていた。


「ノル様……才ある王になれただろうに。」

「ギフトによって若い人生を失うのは辛いのう…」


 

      ―帝国の城下町では―

 帝国で執り行われたノルの『ギフト付与式』の話題が町中に広がっていた。


「ノル様は本当に反逆罪で処罰されたのか?」

「いや…俺はノル様はお病気で死んだって聞いたぜ?」

「え?私は暗殺されたって聞いたわ!」


 皇帝は無駄な混乱を避ける為に帝国民にはノルの【レドリア魔森林への追放】の件は口外しないように兵士と王宮関係者には口外禁止令を出していた。


 その為、帝国民はノルが来なくなった事でウワサが広がり続けていたが、コソコソ話しであること、兵士が上に報告していない事がかえって事態を混沌に向かわせていく。



        ―皇帝邱(こうていきゅう)

 

「はぁ……」


 皇帝ザリオン・ラスタードは今回の件に頭を悩ませていた。

 頭脳明晰で参謀になり得たノル・ラスタードを自身の手で死地に追いやってしまったことに後に後悔をしていた。

 

「父上、どうされましたか?」

「やむなしだな。愚か者め……ノル。」

(ノル……?まだ、根に持っているのか?)

「父上、恐れながら…ノルは王家を汚したのですよ?あの対応で間違いなかったと思います!」

(俺の王位継承権も確定するしな!)


 あの魔森林地帯には恐ろしい魔物がウジャウジャいる……逃げ場は無い。

 出入り口付近には兵を等間隔に配置し、全員に槍を持たせたならな……先に行っても死、戻っても死を考えた俺……スゲェな。


「クククッ…ノルは死んでますよ?」

「幼い子供が行ける環境では無いか。」

「もう、忘れましょう……父上!」

「そうだな。」

「俺が王になって見せますとも!」


 もう少しで父上はレドリア魔森林へと兵を動かすところだったな…どうせ死んでるだろうけど……。

 もし、仮にノルが生きていたら…俺の王位継承権が失われるのは困る。

 確実に死に絶える時刻……つまり、4日後であれば兵を派遣しても問題ないからそれまでは父上を阻止しなくてはな!


 帝国内ではさまざまな思惑やウワサが蔓延し、国民達は不安な日々を過ごしていた。

 

 

 

 

 

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