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──昔から変な夢を見ていた。


内容はいつも同じ。


学校に通う俺の前に幽霊が現れて、意味の分からない言葉を喋り、俺を振り回すんだ。そしてその幽霊は、すぐに俺の前からいなくなる。


ただの夢なのに、夢の通りシンシアは王子の婚約者になった。


──偶然だろうと思っていた。


しかし入学した途端、化粧が濃くなったので何となく幽霊からの助言を思い出し「やめろ」と注意した。どうやら周りの令嬢からアドバイスをもらっての行動だったようだが、王子や侍女たちの意見を聞いた方が良いと説得し、濃い化粧も変な髪型も、匂いがキツい香水も止めさせた。


そのおかげか王子との仲が悪くなることはなかった。


一年後にはソフィアという令嬢が入学し、何度か王子と一緒にいたところを目撃した。


これも夢の通りなのか……そう思い王子に話を聞く。


王子は入学式に間に合わず、クラスに馴染めてない令嬢がいると先生に相談されたため、生徒会として気にかけただけだと言っていた。


そのため二人は最低限の接触しかない。そのせいか、ソフィアという女は俺の前によく姿を現すようになった。


夢の中の俺は彼女に好意を寄せていたようだが、今そんな風には思わない。むしろ意図的に俺に近付いてきているような気がして嫌悪感が芽生えた。



学校に入ってから俺は、夢で彼女と出会ったベンチに座って本を読むのが日課となっていた。


決して彼女を待っている訳じゃない


馬鹿らしいと思っているくせに、そこに行くのを止めることができない。

自分でも何がしたいのか分からなかった。




王子の生誕祭まであと一か月になった。


夢だとこのぐらいの時期に彼女が現れたはず。

何も起こる訳ないと思いながらも、この一週間落ち着かず、本に集中できなかった。


今日が終われば生誕祭まで一か月を切る。


いつものように座っていたが、特に何も起きることなく休憩の終わりを告げるベルが鳴った。


「何も起きなかったな……やはりただの夢か」


本をバタンと閉じ、ベンチから立ち上がる。


(もう明日からここに来ることはない)


そう思いながら教室に向かうため、一歩踏み出そうとしたその時


「やばっ……久しぶりのレオン様だ。相変わらず尊い」


どこかで聞いたことのある意味不明な言葉が聞こえていた。


ドクンと胸が高鳴る。


声のした方を見ると木の側に人影が見える。


ゆっくりと近付くと、その影はビクっと揺れ動く。

それにつられて俺も驚き立ち止まると、人影は走り出し逃げてしまった。


追いかけなければ……そんな気がして後を追う。


長くなったので途中で切りました。

あと一話で終わりです。

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