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哭島列車と五骸童子 ―童歌どおりに人が死ぬ―  作者: アコンプリスの人


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13/13

最終章 終着駅から分かれる

 三か月後、哭島駅の展示室には大きな空白が残っていた。

 五骸童子の絵があった壁。

 そこには、五つの事件を説明する文章も、五人の肖像もない。

 小さな案内が一枚だけある。

 《調査中。異なる出来事を一つの物語へまとめないため、展示を停止しています》

 二階堂は句読点を確認した。

 真壁が呆れたように見る。

「そこまで見るのか」

「《異なる出来事》と《別々の事件》で迷った」

「どっちでもいい」

「よくない」

 九条は展示室へ入らず、ホームの時刻表を見ていた。

 五本のローカル線代行バスが、別々の方向へ出る。

 二階堂が駅舎から出てきた。少し遅れて真壁が続く。

「帰りは同じ車でいいよな」

 二階堂が訊く。

「俺たちは同じ行き先だからな」

 真壁が答えた。

 事件資料を載せた車は、すでに出発していた。

 一台は、現在四件の殺人を扱う県警本部へ。

 一台は児童相談所へ。

 一台は鉄道事故調査の保管庫へ。

 一台は検察へ。

 最後の一冊は、本人の同意を得るまで封印された。

 哭島駅は終着駅ではなかった。

 分けるための駅だった。

 了


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