③
ドサッ!!
「!!」
ボクは物音に驚き足元を見た・・・
ボクのかばんが倒れていた
「・・・・深く思い出しすぎた・・」
手を見ると汗でびっしょりになっていた。
先輩が亡くなってからもう3年経つ今でも
思い出すたびに涙が止まらなくなる・・・
でも忘れようと思わない
それを忘れたらボクの中の先輩がいなくなる気がした・・・・
ふと周りを見ると暗くなっていた
「ん?もうそんな時間?」
《PM4時30分》
「こんな時間になってたのか・・」
時計を見たボクは驚いた・・・
「今日は少し長居しすぎちゃいましたね」
そういうとボクは腰を上げた
「でも・・・・もう少しいてもいいですか?実は今日、大事なお話があってきたんです。」
今日ここに来たのには思い出話や掃除のためじゃない
先輩に話しがあったのだ・・・・
「もう3年経ちました・・・」
ボクはふと言葉を発した
「あの日からボクは毎月ココに足を運んできました。そしてここで先輩に触れて思い出に浸り・・・今まできました・・・・。」
声が詰まった・・・
頬に熱い一筋の感触が走った。
「先輩がいなくなったあの日からボクは先輩に伝えたいことがありました。」
「あの日からずっとずっと・・・伝えたくて・・・・」
「でも伝えるにはまだ早くって・・・」
ドクンドクン・・・
鼓動が早まる
目頭が熱くなる・・・
口から音はでるのに言葉がでない。
でも伝えたい・・・
今日伝えると決めていた。
「・・・・今日何の日か知ってますか?今日はボクの誕生日なんです。」
そう・・・今日でボクは20歳になる・・・
「・・・・先輩・・・・年上しか付き合わないっていいましたよね?」
ボクはまっすぐ先輩を見つめた。
「もう・・ボク20歳です。わかりますか?ボク・・年上になりました。」
そう今日でボクは20歳・・・
先輩の時間はあの時止まってしまった・・・・
18歳のまま・・・ずっと止まっている。
「年上に・・・・なりましたよ・・・先輩。」
ボクは泣いた・・・・
先輩を失ったあの日以来。
「ボクの気持ちは昔のまま・・・いいえ、昔よりもずっとずっと1日1日過ぎるごとに先輩に対する気持ちが積もっていきました・・・」
声がかすれる
視界がぼやける・・
でもボクは声を発することをやめなかった。
「先輩・・・今のボクなら・・・・愛してくれますか?今のボクなら先輩の彼氏になれますか?」
そうボクは先輩が逝ったあの日から
先輩に【好き】と伝えていなかった・・・
《年上としか付き合わないの》
先輩がボクについた嘘
わかっていた、でもその嘘すらも越えて
うそなんかで逃げてほしくなかった。
ただの意地でしかなかった・・・
総ては先輩の優しさが生んだうそ。
わかっていた・・
でも、頭で理解していても・・・・・
心が想いがそれを理解できなかった。
-------…
「ふふ・・・そうですよね。今更ですよね・・・」
そういうとボクはその場でしゃがみ荷物を片した。
そう・・・・
ボクの人生2回目の告白は《自己満足》で終わった・・・
そのとき・・・・
ふと嗅ぎ覚えのある匂いがした・・・
(花の香り・・・?・・・・薔薇の香り?)
『私も大好きだよ・・』
「!!!!!!えっ?」
ボクはあわてて顔を上げた
しかしそこには先輩の眠る墓石しかなかった。
「・・・そうか・・・懐かしいわけですよね・・・・」
そう、あの嗅ぎ覚えのある匂いは・・・・
先輩がよく愛用していた香水のにおいだった。
「【薔薇の朝摘みの香り】ってよく自慢していたっけ・・・」
ボクはうれしくなった。
届いたんだ・・・たとえ勘違いでも、空耳でもいい。
でもボクにははっきり聞こえた・・・・
はっきり先輩を感じた。
「うん・・・じゃぁまた来るね。いってきます、せんぱ・・・ううん。いいよね?いってきます。薫」
そういってボクは墓石をあとにした。
このときボクは初めてうれし泣きをした。
ボクは先輩の後輩・・・・。
そして・・・・年上の彼氏。
年の差2歳・・・・
『ねぇ薫?生まれ変わったらどこかで会えたらいいなって言ったの覚えてる?もし・・・生まれ変わったらそこで待っててね。ボクが迎えに逝くから、そしたら今度は同じ時間を同じ歩幅で一緒に歩こうね。もう・・・・先に前を歩くのはなしだからね・・・』
--END--




