↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RE/SONANCE  作者: ねずおあきとし
夏のクラシック編 ― 一年目編
25/25

規格外の二連戦! ~サエ・ガオラン吼え、仏陀に選ばれし者が登場~

 トーナメントは進行し、スペンサーがいつものように進行を握った。


「――トーナメント最初の一撃の後、メタルメイデンを迎えましょう!」


 スペンサーが轟いた。


 メタルメイデンが現れた。目に見える鋼の鎧、鎖帷子、そして頭は露出していた。


 三十代の女性で、固い眼差し、風に流れる茶色の髪。


 彼女の神具は「騎士の試練」と呼ばれる鋼の剣で、暗い色調で、チユウと結ばれていた。


◇


 特別室で、ジークはメタルメイデンを少し……いや、かなり好色的な目で見ていた。


 アキが即座に殴った。


「この変態!」


「な、な、なんでそんなこと言うんや!? 彼女の剣と鎧がすごく気になって……痛いわ……。」


 彼は頭を擦りながら言った。


「明芙、なかなかいいわね。そう思わない、瞬?」


 華凛が尋ねた。


「ああ……まさかランキングに入るとはな……。」


「明芙?」


 ジークが尋ねた。


「本名よ。というか、初めて会った時にそう名乗ったの。」


「数ヶ月前、沢蟹の仮メンバーやったんや。」


 アキが付け加えた。


「結局、事務所を持たずに一人で道を進むことを選んだけどな。」


「なるほど……。なあ、アキ、四流の所長にしては、スカウトの目があるんやな。」


「もちろんよ。それが私の神具やから。良い予感がするの!」


「神具? あんた共鳴者やったんか?」


「皮肉が分からへんの? アホ。」


◇


 彼らが会話を続ける間、アリーナはブーイングで轟いた。サエ・ガオランが出てきたからだ。


「――トーナメントの大悪役! サエ・ガオラン、新品の衣装で登場!」


 スペンサーが叫んだ。


 サエ・ガオランの服装は、相手とは違い、上半身を無防備にさらしていた。


 ゆったりとしたズボン、腕に複数の包帯、そして大胆な、おそらくは傲慢な眼差し。


「――始め!」


 審判が告げた。


 アリーナはメタルメイデンに声援を送り、彼女は最初の一撃を待つことにした。


 サエ・ガオランは、自分の神具を具現化した。


「ついに世界に見せられる……。裂けろ、そして斬れ! 細波(さざなみ)!」


 アヌビスの神具がアリーナに具現化した。


 それは双子の刃の装置で、内側から掴むタイプの、二枚刃のカタールのようなものだった。


「うわ、なんてすごい神具なんや!」


 ジークが叫んだ。


「ええ、見た目は確かに堂々としてるわ。」


 華凛が言った。


「でも、明芙が鎧を着てるのに、どうやって斬るの?」


◇


 戦いが始まった。


 ガオランは全力でメタルメイデンに向かって走った。


「死ねえええ!」


「あんたみたいなのの典型的な手ね。」


 メタルメイデンは小声で呟いた。


「光輪斬!」


 明芙の剣が、アリーナ全体を感動させる光の輪を描いて斬撃を放った。


 だが、斬撃は空を切った。


「遅すぎる!」


 ガオランは勢いをつけ、メタルメイデンの神具に足をかけ、彼女の背後へ跳んだ。


 彼は叫び、メタルメイデンの首を斬った。


 試合は即座に終わった。


 大トーナメントでさえ、短く速い試合はある。


「――終了!」


 審判が告げた。


 スタジアムは静まり返った。


 特別室も。


「次はあの変な奴か。ちっ、楽なトーナメントだぜ。」


 ガオランは小声で言った。


 ガオランは叫び、両腕を上げ、勝利を掲げた。


 アリーナは再びタイ人にブーイングを浴びせた。特別室でも。


 ジークはブーイングしながら、華凛と瞬もやっているのを驚いて見た。


(まさか、彼らも感情に流されることがあるなんてな。)


 彼は思った。


 スタジアムの声がサエ・ガオランの勝利を宣言し、彼はアリーナを去った。


◇


 第一回戦の第三試合の番だった。


 トーナメントスタッフの一人が、次の共鳴者の扉をノックした。


 扉には「李芳(り・ふぁん)」と書いてあった。


 李芳(り・ふぁん)が出てきた。様々なスタッフが彼を励ましながら。


「ご武運を、李芳(り・ふぁん)様!」


「ここに来た理由を聞いた後は、もう最高を願うしかありません!」


「寺院に栄光を!」


「皆さん、ありがとうございます。やります。」


 トンネルからアリーナへの道は、トーナメントスタッフで埋め尽くされた。彼らは李芳(り・ふぁん)に敬意を表してお辞儀をし、励ましの言葉をかけた。


「――トーナメント第三試合を始めましょう!」


 スペンサーが告げた。


「――まずは、万済の周中村から! 長年の瞑想、努力、規律の賜物! 僧侶たちの誇り! 李芳(り・ふぁん)!」


 アリーナには、周中の僧侶たちが李芳(り・ふぁん)の勝利を祈る区域があった。一行が寺院に立ち寄った時に出会ったあの和尚もいた。


 太陽がアリーナの中心に降り注ぎ、李芳(り・ふぁん)は固い眼差しで相手を待っていた。


「――そして反対側には、お嬢様方! カメラをご用意ください! 彼はパートタイム俳優です! 最新映画を映画館でご覧ください! コアルハウ出身の二枚目、トーマス・フェルブルッヘン!」


 フェルブルッヘンが現れた。ゆったりとした服、サングラス、そして羨ましいほどの金髪のたてがみ。


「皆様、ご支援ありがとうございます、お嬢様方……。」


 女性観客が彼の言葉を聞いて沸き立ち、何人かは気を失った。


 観客席の一角にはフェルブルッヘンのファンクラブがあり、太鼓とシンバルで彼を応援していた。


 一人の少女が席と手すりの端の間に立ち、明らかにファンクラブのリーダーだった。


「さあ、お嬢様方! 全力で叫んで! トーマス! トーマス! トーマス! トーマス!」


 ミトが叫んだ。


◇


 二人がアリーナの中心に立つと、李芳(り・ふぁん)は敬意の一礼をし、トーマスは片手を上げながら神具を具現化した。


「タンダヴァ・ダンス! 具現化せよ!」


 それは南アジアでダーと呼ばれる湾曲した剣だった。しかし、それが神具の本当の本質ではなさそうだった。


「堂々たる神具だ、認めよう。」


 李芳(り・ふぁん)が言った。


「そう言うことなら、試合を始めよう。六道輪廻(ろくどうりんね)!」


 太陽の輝きが弱まり、李芳(り・ふぁん)の神具が具現化した。


 徐々に太陽の輝きが戻り、具現化がより顕著になった。


 それは圧倒的な視覚的スペクタクルだった。


 特別室で、ジークは李芳(り・ふぁん)の神具を見て汗をかいていた。


 瞬、華凛、アキの目は、その光景に魅了されながら、僧侶の神具の輝きを映していた。


 ついに完全に具現化した。


 李芳(り・ふぁん)は六道輪廻(ろくどうりんね)と呼ばれる杖を片手で掴んだ。金色の縁と、その長さに沿って六つの白い点がある杖だった。


 彼はそれを扱い方を知っている者の経験で携えていた。


 その期待の中で、審判が合図を送った。


「――始め!」


 試合が始まった。


 観客の大半は女性で、それぞれのお気に入りに叫び始めた。


 李芳(り・ふぁん)は杖を掲げ、トーマスの方へと向けた。


「先手を譲ろう。」


「俺はお前を知っている、李芳(り・ふぁん)。お前の戦い方を知っている。譲ってもらったことを後悔させるぞ。」


 トーマスの神具は、宙に浮かびながら、不規則に動き始めた。


「我が言葉のすべて……我が行動のすべて……すべてがタンダヴァと結ばれる。おお、力あるシヴァよ、戦いの叫びがあなたを讃える……波は前へ、岸へと動く……風は自由に舞い、この剣は標的を打つ……。」


 フェルブルッヘンは催眠的なダンスを披露した。ファンたちのお気に入りのものだ。空気のような振り付けの中で、彼は空中の点に触れた。


「タンダヴァの舞踏とはこれだ……舞踏の行為……儀式……すべてが繋がっている。出ろ! 増殖!」


 コアルハウ出身者の神具が振動し始め、振動するほど、描かれた点により多くの形が生まれた。


 トーマスは右手で掌を上げ、それを閉じた。


 彼を囲む振動が固体化した。


 タンダヴァ・ダンスは、トーマス・フェルブルッヘンの監督のもとで浮かぶ九本の剣だった。彼はまるでオーケストラの指揮者のようだった。


◇


 観客席で……


「あの動き……昨日の中国人の杖に似てる……そう思わない、魁斗? ……魁斗?」


「おい、バカ。魁斗はトーナメント中や。」


 瞬が言った。


「ああ、そうか……。」


◇


 アリーナの中心で、李芳(り・ふぁん)の視線は最初の攻撃を待っていた。


 トーマスは彼の方へ動き始めた。


 彼は宙返りをし、アリーナのタイルの一つを踏むと、剣たちは李芳(り・ふぁん)へと速さで向かった。


「第一の道、天道……。」


 六道輪廻(ろくどうりんね)が黄色いオーラを放ち始めた。戦闘における発動の証だ。


 李芳(り・ふぁん)は動かずに、すべての突きをかわした。


「お前の第一の道は生存本能。予測可能だ。だが、これには気づかなかったな!」


 地面からもう一本の剣が現れ、李芳(り・ふぁん)の頭へと飛んだ。


 彼はそれをかわした。


「俺の番だ。第三の道、人間道。」


 李芳(り・ふぁん)は杖を掲げ、胸へ一撃を放ったが、トーマスのもう一つのダンスの後、タンダヴァの剣に阻まれた。


「間合いに入れた……咲け、タンダヴァ!」


 剣たちが回転し始め、李芳(り・ふぁん)を囲んだ。


「第一の道、天道。」


 李芳(り・ふぁん)はすべてをかわし、剣を弾いた。


「第五の道、餓鬼道。」


 李芳(り・ふぁん)は杖で地面を打ち、タイルを砕き、剣の回転を中断させた。


(彼の目は……。)


 トーマスは思った。


(彼の視線が見えない……それとも神具に憑依されているのか?)


「お前は六道輪廻(ろくどうりんね)の真の力を知らない。」


 李芳(り・ふぁん)はトーマスの胸を強く打った。


「降参しろ。俺は先に進まねばならん。」


「じ、冗談じゃない、このバカ。一撃で俺が勝利を譲ると思うのか? 戻れ! タン――」


 詠唱はもう一撃で中断された。今度は頭蓋骨への一撃だった。


「――戦闘不能!」


 審判が告げた。


「――勝者、李芳(り・ふぁん)! 仏教徒の僧侶が次の段階へ進む!」


 スペンサーが叫んだ。


◇


 李芳(り・ふぁん)は退出し、次の試合に参加する共鳴者たちとすれ違った。


 特別室で……


「華凛、あの神具、強すぎると思わへん?」


「普通のものには見えへんな。源証(げんしょう)かもしれん……。」


「源証(げんしょう)?」


 ジークが言った。


「うん……神具は神の直接の助手たちによって作られた武器。でも……。」


「源証(げんしょう)は神の個人的な武器や。」


 瞬が口を挟んだ。


「なぜそんなものがここにあるんや?」


「珍しいんか?」


 ジークが尋ねた。


「ここにあること自体がな。俺の知識では、源証(げんしょう)を持つエリート共鳴者は二人だけや。それ以外は、以前の時代の伝説やった。兄貴が三回負けたのも無理はない。」


 一方、ミトとトーマス・フェルブルッヘンのファンクラブは、彼の復帰から退出まで彼を支えた。


 スタジアムの声がもう一度注目を集めた。


「――第一回戦第四試合に移りましょう! 高田梁山(たかだ りょうざん)と真琴(まこと)、お入りください!」


 スペンサーが告げた。


 観客が爆発した。新しい試合が祝われるからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。