プラネット
死の世界とはなんなんだろう?
生の世界とは確立された世界?
それとも別の世界なのか?
いや、それとも別の世界に行く途中の世界なのか?
「死、死、死‥‥‥僕は死んだ?」
では‥‥‥この世界はなんなんだ?
精霊界、人が死ねとここにくるのか?
けど、僕は信じられない。自分が死んだ事に。
いや、まだ、生きている感じさえする。
体の重たさも、温かさも、感触も、匂いも、見る事も、五感全てが感じる‥‥‥。
いや、全ては感じていると思っているだけか?
誰かに言いたい。いや、答えて貰いたい。
僕が本当に、死んでいるのか、と。
しかし、無情にも、星の精霊【プラネット】は、僕に
「太田 ヒロ‥‥‥貴方は死にました」
と。
またその言葉。僕は信じられない気持ちだ。
「僕は‥‥‥プラネット、僕は、本当に死んだのですか?」
プラネットは表情を一つ変えず、
「はい」
そう答えるのみ。
僕はまだ、信じられない気持ちでいた。
体は動かない目、肉眼も動かない。けど、感覚は、五感の感覚はあるんだ!確かに感じるんだ! だから信じられない!
「では、貴方に質問です。何故あのような事をしたのですか?自ら命を絶つ様なことを?」
プラネットは僕に聞いてきた。そして僕は答える。
「あの時は‥‥‥あの時は、ああするしかなかった。‥‥‥でなければ、みんな死んでいたかも知れない」
「では、残された者達は、どうするのですか?貴方を失った悲しみはどうするのですか?
本当に残された者達は幸せになるのですか?」
次々と質問してくるプラネットに僕は、
「あっ、うっ‥‥‥そ、それは」
答えられないでいた。もし、死んでいるなら、僕が死んでいるなら、残された者はどうなる? 考えた事も無かった‥‥‥
ただ僕は産まれてから、そう言った悲しみを味わった事がニ回だけある。
大好きだった、おじいさんが亡くなった時だ。あの時は僕は小学一年。亡くなった事にかなり悲しんだとか。そして、小学四年の時に、友人を目の前で亡くした時だ。あれだけは今だにトラウマになっている。
「‥‥‥確かに、その通りだ。今のままでは、いや、もう遅いか‥‥‥僕は死んだのだから」
僕は自分自信に落胆した。どうして、あの時あんな真似をしたんだ! 何故、カンナ達と共に生きようとしなかったのか、と。
僕は泣いた。取り返しがつかないと泣いた。
「もう、取り返しがつかないのか‥‥‥カンナ、青葉、大平さん」
そんな僕の姿を見たプラネットは、
「本当に貴方は泣いているのですか?」
「‥‥‥えっ?」
「本当に心から泣いているのですか?」
僕はそのセリフに、プラネットの顔を見ると、その顔は母親が子を思う顔をしている、そして、カンナを思う、そんな顔をしていた。
「僕は‥‥‥はい」
泣きながら返事をした。
「そうですか‥‥‥なら貴方を戻します」
プラネットは僕を見ながら、そう呟いた。




