精霊界
「ここはどこだろう?」
何もない世界‥‥‥誰も居ない世界‥‥‥音もない世界‥‥‥重さも感じない世界‥‥‥
そう、まるで僕は白い無重力空間にただ一人その場を風船の様にプカプカと体を横たわり浮いていた。
「‥‥‥ここは‥‥‥確か、瓦礫に埋もれて‥‥‥」
僕は思い出せないでいた。何故この様な場所に、何故瓦礫に埋もれていたと思う、それどころか自分が何者で、どこの誰かさえも忘れていた。
不安、絶望、恐怖、寂しさ、悲しみ、痛み‥‥‥‥ありとあらゆるものが僕に流れ込んでくる。
「なんなんだよこの感覚は!」
身動きも取れない‥‥‥まるで死んだ様な感覚‥‥‥
「貴方は死んでますよ」
誰かが僕にそう告げます。
僕は体を動かそうとするが、やはり動かない。目で周りを追おうとするが、眼球が動かない。
「だ、誰だ‥‥‥誰かいるのか?」
まるで‥‥‥五感の全てがない状態。
その話し声は、耳に聞こえたのではなく、心に直接語られたのだと分かるのに時間はかからなかった。
「誰ですか?」
「‥‥‥」
僕の問いに返事はない。けど‥‥‥不安と言うものが感じられなかった。いや、寧ろ、安心?みたいに感じ取れた。
「‥‥‥誰かいるのか?」
「‥‥‥」
「返事を‥‥‥誰か‥‥‥いるのですか?」
「‥‥‥貴方は、何故そこにいるのですか?」
返事が帰って来たが、僕はその返事に直ぐには答えられないでいた。
「‥‥‥何故?‥‥‥わからない‥‥‥自分が誰なのかも‥‥‥」
まるで迷子の子供が一人、親を探し出す、その様な気持ちに僕はなり、
「わからない‥‥‥教えてください‥‥‥」
「貴方はわからないのですか?」
今度はハッキリとした言葉で僕に聞いてきた。
僕は悲しくなったが‥‥‥涙が出ない、いや悲しい気持ちも湧き上がらない。
「‥‥‥カンナ‥‥‥」
「‥‥‥えっ?‥‥‥カンナ?」
「貴方は‥‥‥カンナ‥‥‥を」
「カンナ‥‥‥」
その言葉?、いや名前なのか? 、僕は聞くと暫く考えた‥‥‥
「カンナ‥‥‥」
なにか‥‥‥懐かしい‥‥‥懐かしい?、何故そう思う。どうしてそう思う。
「カンナ‥‥‥カンナ‥‥‥カンナ‥‥‥」
その時、僕の頭の中、いや、心の中で
「‥‥‥ヒロ!‥‥‥」
女の子の声が聞こえた。
ヒロとは‥‥‥僕か? けど何か‥‥‥引っ掛かる。
「ヒロ‥‥‥」
また同じ女の子の声が聞こえる。けど‥‥‥やっぱり何か‥‥‥
「‥‥‥カンナ‥‥‥えっ!‥‥‥カンナ」
僕の心の中の靄が晴れていく様な感じがした。カンナと言う言葉に反応して。
「僕は‥‥‥カンナ‥‥‥僕は‥‥‥ヒロ」
「僕は‥‥‥ヒロ!、そうだ! カンナ!」
僕は漸く思い出した。自分の名を、そしてカンナとは何かを。
そして、僕は心の奥から力一杯叫ぶ。
「カンナ! ‥‥‥ここは何処だ! 」
「‥‥‥ここは精霊界‥‥‥」
「精霊界‥‥‥だって‥‥‥」
全てを思い出した僕に、若い女性の声が聞こえた。
そして‥‥‥僕に言います。
「私は星の精霊‥‥‥プラネット‥‥‥そして、太田 ヒロ‥‥‥貴方は死にました」
と。
長い事、この作品を更新出来なく、申し訳ありませんでした。
これからはこちらの作品も出来る限り、更新して行きます。
また、今回からヒロが自分を「俺」と呼んでいたのを「僕」にしました。ので、1話から順に直して行きます。(誤字脱字やいるいらないの文面も)
また宜しければ、一読の方をお願いします。
m(_ _)m




