死神でない死神
もう一話掛けたので更新します。次回は土日になるかも。
ヒロ達がトンネルに閉じ込められていた時、大平沙也加は麻酔から解放されようとしていた。
「千晶、もう大丈夫みたい」
「本当に?言葉はしっかりと喋れるみたいだけど‥‥自分で起きれる?」
欠千晶がそう言うと大平さんは
「うん、‥‥‥‥‥立ち上がるのは無理かも」
「やっぱり、上半身は起こせる?」
「うん‥‥よいしょ、と、出来た」
大平さんは両腕で何とか上半身を起こした。それを見た千晶さんは、
「う〜ん、何とかだね。けどまだ安静だね」
「うん(ちょっと不機嫌)わかった」
そんな会話をしていると夜勤の看護師さん達が慌てだしていた。
「市民病院では対応しきれないかも。もしかしたらウチにも応援要請があるかも‥‥」
大平さんが慌ただしく動く看護師さんを見て
「何かあったのかな?」
「うん、何かあったぽいね聞いてこようか?」
「えっ?いいよ別に。看護師さん達忙しそうだし」
「知りたいんでしょ?待ってなさい」
千晶は座っていたパイプ椅子からスクっとたつと看護師さんのいる場所に。
「もう!千晶は野次馬さんだから」
千晶さんは近くの看護師さんを捕まえて話を聞いた。
「あのう、何かあったんですか?」
「えっ?ああ、ここから近くの◯◯ロードのトンネルで崩落事故があって怪我人も何人か出てるみたい。もしかしたらウチにも応援要請があるかも知れないの。ちょっと慌ただしくなるけどごめんなさいね」
「いえ、ありがとうございます」
「今、テレビで報道してるみたいだから見てみる?」
看護師さんが言うと千晶さんは
「ハイ」と返事をして待合室のテレビをつけてもらった。
テレビからはヘリからの崩落事故の現場の映像が流れていた。
『こちらは崩落事故の上空です。わかりますでしょうか?トンネルの穴をが全て土砂で覆われてます。‥‥‥‥あっ!怪我人が何人かいる模様です。トンネルにはまだ何人かの‥‥」
上空のカメラは怪我人を映していた。だが次の瞬間、千晶さんは目を疑った。トンネルの崩落現場をアップで映し出された時見覚えのある服装と髪型が
「えっ?まさか青葉?まさか‥‥ね」
千晶さんは青葉にスマホで連絡を入れた。
◇
次々に現れる怪我人に現場の消防士達は驚いていたが‥‥怪我人を見るなりすぐさま救助活動に入った。怪我人はすぐに救急車に運ばれた。
「カンナ!カンナ!どうしたのじゃ!カンナ!ヒロになにかあったのか!」
「えっ?ヒロ君に何かあったの?ねえアクア、ヒロ君に何かあったの?」
「わからぬ?カンナからの連絡が途絶えた」
「カンナの連絡が‥‥ヒロ君‥‥」
すると青葉のスマホが鳴り出すと片手でスマホを取る青葉。画面には千晶さんの名が。
スマホをスピーカーモードでスマホにでる。
『あっ!漸く繋がった。青葉今どこにいるのよ?』
「えっ?あっ!千晶さん‥‥今ですか」
『何だか後ろが騒がしいんだけど‥‥サイレンの音も‥‥まさか!トンネルの所?』
「えっ?どうして‥‥‥」
『どうしてって、今テレビでトンネルの崩落事故の中継しているのよ。そしたら青葉らしき人が映ったからもしやと』
「えっ?中継?」と青葉は空を見たら何機かのヘリが上空を飛んでいた。青葉は『結界の壁』に集中していた為上空のヘリに気づかなかった。
『青葉は無事なのね。よかった。で、太田君とカンナちゃんは』
そう千晶さんが聞くと青葉は声を少し震わせ答えた。
「‥‥‥‥わからないんです」
『えっ?わからない』
「はい」
『‥‥‥そ、そんな!嘘でしょ?青葉』
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
『青葉!青葉あ!嘘でしょ?嘘だと言って!」
「‥‥‥ごめんなさい‥‥‥本当にわからないんです‥‥生きていると思いたい‥‥‥」
◇
「そ、そんな‥‥‥‥つい四、五時間前まで一緒に笑って話していたのに‥‥‥」
千晶さんは愕然とした。無情にもまだテレビは崩落事故を中継している。
『‥‥あっ!また怪我人が‥‥千晶さん一旦切りますね』
「‥‥‥あっ!待って青葉‥」
しかし間に合わず青葉は電話を切ってしまった。
千晶さんは電話の切れたスマホを眺めて近くの椅子に腰掛けると両手で顔を覆った。
「太田君とカンナちゃんが崩落事故に巻き込まれたこと‥‥‥沙也加になんて言えばいいのよ?‥‥‥太田君、カンナちゃん無事で、無事でいて‥‥‥」
◇
トンネル内では死神がヒロを捕まえようと躍起になっていた。がついに、
「があ!くっ!」
「ヒロ!‥‥ヒロ!!!」
死神にヒロが捕まったと同時にカンナが立ち上がりヒロの名を叫んだ。それに漸く気づいた死神はカンナの周りにいた怪我人がいない事に気づくと
「何故怪我人が‥‥」捕まえたヒロを見て死神は
「お前‥‥ではないな。するとあの娘がそうか!」
死神は捕まえたヒロを地面に叩きつけるとカンナに近づく。
「がはあっ!」ヒロは口から少し血を吐き出すと
「くっ!‥‥に、逃げろカンナ。逃げろ!」
するとカンナはクビを横に振ると
「いや、いや、いや、いやああああ。ヒロを残して逃げるのはいやああああ!」
死神はカンナに一歩一歩近づくと
「うん?お前‥‥人間ではないな?何者だ?」
死神はゆっくりとカンナに手を伸ばす。
「カンナああああ!」
「よくも、よくもヒロを‥‥‥」
カンナは右手を上げると近くのトラックに積まれた資材の鉄の棒が4、5本消えると死神の頭上に現れると死神めがけて落ちていく。死神はそれをすべて避けるとカンナにまた近づく。
「お前‥妖精だな?なんの妖精だ!言え!」
『な、なんだ結界内では能力は使えないはずでは‥‥‥もしかしたら‥‥試してみるか』
ヒロはそう呟くとカンナに
「カンナ!死神の頭上に俺をテレポートさせろ!」
ヒロの叫びにカンナはうんと頷くとヒロが一瞬で消えた。すると次の瞬間、死神の頭上にヒロが現れた。と同時にヒロは持っていた鉄の棒を振り下ろす。「ブゥーン」と音がするが死神はそれを交わす。だが、
「お前の動きはお見通しだあ!」
「なあっ!」
ヒロは死神を捕まえると死神諸共地面に落ちた。
「だはあっ!」叫ぶ死神。
「ぐうっ!」苦しむヒロ。
「ハアハア、離せこの人間が!」
「くっ!離すものか!‥‥‥うっ!ななんだこれは?この感触は?それにこの‥‥」
ヒロが死神にある所に触れた瞬間、死神は
「こ、この離せ!人間がああああ!」
ヒロは自ら死神から離れた。
「あの感触‥‥死神は女?いやそれよりもあれは?けど‥‥だとすると死神の言動のつじつまが合う」
「ヒロ!大丈夫?」
駆け寄るカンナにヒロは
「カンナ、俺は大丈夫だ!それより死神の正体が僅かだがわかったよ」
カンナは目を丸くして
「ヒロ、何言っているのよ?あれは死神でしょ」
「ああ、死神だよ。でも死神ではない死神だ」
「えっ?言っている意味が分からないわよ」
「ああ、正確には俺にも‥‥‥だ」
「なにそれ?」
カンナはヒロを見て言った。




