表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
26/74

今度の土曜日


「今度の休みだと、土曜か日曜のどちらかだよな」


で、ですね、 僕は少〜し、本当に少〜しの嫌そうな顔をしちゃったんですよね。その顔を見逃さなかった青葉は、少し機嫌が悪くなったのか、


「なによ、その顔は! こんな美少女二人と、デートできるのよ! いいわよ、だったらカンナの事は無かったてことで‥‥‥」


青葉が言いかけたので、僕は慌てて、


「わ、わかった。わかりました。青葉様!行きたい所に連れてってやるから、なあ」


青葉を拝むように僕は言いましたよ。


「行きたいところ?だったら海!海に行きたい!」


青葉は目を輝かせて言ってきましたよ。まあ、しょうがないかな。何せ青葉は山奥育ちだから、海は余り見に行けないからな。で、僕は青葉にいつ行く?と聞くと、


「じゃぁ、土曜に行こうよ!早い方が良いし」


即答回答か、まあ、青葉らしいかな。海も久しぶりみたいだし。で、青葉を見た僕は、


「うん、いいよ。カンナも海でいいか?」


カンナに僕が聞くと、カンナも実は海は見た事がなく目を輝かせて、


「ヒロ! 海に行くの?ねぇ、ねぇ!」


僕の肩に両手を乗せると僕の身体を両手でブンブンと揺さぶりながら言ってきます。


「カンナ、海よ海に行くのよ。久しぶりだわ!」


青葉は何か、遠い目をして、思い出しながら言ってきます。聞くと小学生の時以来らしい。


そうか。俺はこっちに住んでるからドライブなんかで海にはよく行くけど、青葉は岐阜の山奥の方に住んでたからなあ。僕は、考える人の様なポーズをとると、そう呟いた。


「なに一人でぶつぶつ言ってるの?」


青葉が顔を僕の顔に近づきます。


「ヒロ、大丈夫?」とカンナは僕の額に手を当ててきましたよ。


「な、なんだよ!お前らは!だ、大丈夫だって!」


逃げるように二人から少し距離を置いた僕に、カンナと青葉はキョトンとしていた。


「と、ところでお前ら、海に行くのはいいけどなあ‥‥‥」


僕はまだ二人に距離を置きながら言います。だってですねぇ、二人の顔が近いんですよ!本当に。僕もこれでも男の端くれだから、恥ずかしいですよ。


「なに、ヒロ君?」、「ヒロ、どうした?」


海に行けるのを喜んでいるせいか、まだ目を輝かせてるカンナと青葉。


その二人の目を見て『うっ!』と言葉を詰まらせ、

「いや(焦り)な、なんでもないよ。本当になんでもないよ‥‥‥」


右手を左右に振る僕は苦笑いをしながら二人に言います。


で、


「じゃぁ、カンナ、青葉、今度の土曜日の午前8時に出発てことでいいかな?」と二人に向き合うと二人は、うん、と笑顔で答えた。


ただこのドライブが、カンナと青葉とのデート?が僕に取って、忘れる事の出来ないものになるとは、この時はまだ知る由もなかったんです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ