表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
22/74

アクアその3

僕とカンナはアパートに帰って来た。

僕はヨッシとアクアの件で結構疲れきってい為、青葉の事をすっかり忘れていた。


「そうだ、青葉怒って帰って行ったけど、なんだったんだ?ヨッシの一件もあったし……なんか疲れた……Zzzzz」


居間にはいるなり、倒れこむようにソファの上で寝てしまった。


カンナは僕がソファに寝てしまったのを見て、毛布を取ってきてそっと毛布を掛けると


「ヒロ。私達の仲間の力になってくれてありがとう」


カンナはニコリと嬉しそうに言うと、僕の顔の隣に座り、そっと僕の頭を持ち上げて膝枕をした。


「ヒロ、私は貴方の‥‥‥貴方の願い事を叶えた‥‥‥それは間違いではなかった‥‥‥けど、あなたは私をどう思っているの?どう感じているの? ‥‥‥私は貴方のことを徐々に‥‥‥」


今日のことを思い出しながら、僕の顔を見て微笑みます。しかしその微笑みは、何かもの寂しげな微笑みに見えます。


「‥‥‥カ、カンナ」


僕はいつの間にか寝言でカンナの名を言った。


「うん?なに‥‥‥ヒロ」とカンナは優しく僕の髪をなでます。


「カンナ‥‥‥アクアはスタイル‥‥‥いいな」


「何の夢みてるの!(怒)」


少し鬼のような怖い顔をするカンナは噛み付く体勢でいますよ。


「けど‥‥‥カンナが‥‥‥俺の彼女が一番‥‥‥だよ」


「‥‥‥ホント、何の夢みてるの?」


軽い溜息をするカンナの口元が少しニコリと微笑むと僕の髪をまた優しく撫でた。




◇◇◇◇




「ポタッ‥‥‥ポタッ‥‥‥‥ポタッ‥‥‥」


顔に何かが落ちてきて、漸く目を覚ました僕は、


「う、う〜ん。あれ?‥‥‥いつの間にか寝てしまったみたいだ」


で、時計を見たら夜の11時を過ぎていた。


「8時ぐらいに帰って来たから3時間は寝てたのか?‥‥‥うん‥‥‥頭に何か落ちて来ている気が‥‥‥」


で、額に手を乗せると水みたいな冷んやりした感じがしたので、


「雨漏りか?」


僕は自分の手に付いた水?を見ると、自分の頭の高さが高いのに気づき、目をゆっくりと天井に向けると、何か白い出っ張った様な物が見えたので


「なんだこれ?」


と手を出してその出っ張りにさわると、最初、布を触る感触の中に柔らかい物を感じると、数回それを揉んでみます‥‥‥


「‥‥‥あっ‥‥‥あっ」


どこかで聞いた声が‥‥‥で、僕はゆっくりと顔を横に動かしますと、そこは誰かの膝の上だと気づくのに時間はかからなかった。で、顔を再び上に向けると‥‥‥


「‥‥‥えっ! カンナ! じゃあ?この頭の下の柔らかいのは‥‥‥カンナに膝枕をしてもらってたのか!」


もう一度見上げたその時、カンナの顔がゆっくりと下を向きます。そして、口から一滴の雫が僕の額にポタッと。


「へえ? ‥‥‥こ、こ、こ、これはカンナのヨダレ!」


それに気づき体をよだれから逃れようとし、ソファからドスンと転げ落ちた。


「痛って!カ、カンナ‥‥‥おい! カンナ!」


「ふぁ〜つ。何今の音?て、あれ?ヒロ起きたの?」


何事もない様な顔をして行って来ましたよ!カンナさんは!


「ああ、お前のおかげでな! それよりカンナ口!よだれ、よだれ!」

カンナの顔に指を差すと、カンナは


「えっ?あっ!」

口を両手で拭き拭きしだしましたよ。


「私、いつの間にか寝ちゃったんだ‥‥‥」


まだ眠たいのか目を両手でこすります。


「カンナ、膝枕はうれしいが///、人の顔によだれはちょっと‥‥‥なあ」


僕は床に落ちたので、起き上がりながらカンナに言うと、


「えっ?う、うん、ごめんなさい」


カンナは僕に頭を下げて謝りました。

(まあ、この辺は素直で好きなんですがね)


で、ソファに座った僕は、カンナに言った。


「カンナ‥‥‥明日カンナの事、青葉に話そうと思うけどいいかな?青葉、あの時怒って帰ったから‥‥‥」


今朝の事を思い出していた僕なんですが、青葉が怒った理由が今だにわからないでいた。


「私は別に構わないけど。だけど私が妖精だった事も話すの?」


カンナはもし他人に話せばどうなるか心配する様な話し方で、て言うよりも、信じてもらえるか? てのが先かな?みたいな顔で言って来ます。


「うん、ありのままの事を話すつもり。無論カンナは妖精て事は青葉にも黙っていてもらうけど。‥‥‥青葉がいれば‥‥その、なんだ‥‥‥女の子しか分からない事でも相談出来るし‥‥‥」


「う〜ん、ねえヒロ、わたしが妖精て事、青葉ちゃんは信じてくれるかな?」


「普通は信じないと思う。けど俺がなんとか信じてもらうようにするよ」


多少の、いや、かなりの不安が僕の頭をよぎります。だいたい、普通の人に「この人は妖精ですよ」なんて言っても信じてもらえるわけない‥‥‥けど‥‥‥青葉には信じてもらうしかない。


「うん、わかった」とカンナは頷いた。


「じゃあ、明日にでも話すよ。明日は月曜だけど会社は丁度年休を貰っていたから休みだし」


僕はそう言うと、早速朝には実行に移るように準備をしました。(てか脳内シュミレーション?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ