形をもたない、その3
何故妖精が見えなかったのか? それはヨッシが純粋な心を持ってなかったから。
僕の時もそうだった‥‥‥あの時カンナのこと、欲や願望で思ったのではなく、純粋に好きと思った、心の中で‥‥‥
だからヨッシがアクアの事、純粋に熱く語りだしたから妖精が見えた。
「純粋にアクアの事を思ったから‥‥‥」
ヨッシは自分の持つ、アクアフィギュアを見て思いました。
(けどねヨッシ、側から見ると危ない奴にみえるぞ)
心の中で思う純粋な力が強ければ強いほど、妖精を見る事ができる。感じる事ができる‥‥‥
だから‥‥‥
「カンナ!今なら願い事が‥‥‥」
「うん、ヒロ! 今なら‥‥‥」
僕はテレビの中のカミナリの妖精に問います。
「願い事を叶えさせれば、お前はそこから出る事はできるが空には戻れないかもだぞ! それでもいいのか‥‥‥」
僕は立ち聞きをした30日間の事は話さないで話します。
『大丈夫だ。そもそも妾は空を追い出された身、覚悟は出来ている』
妖精はそう言うと軽く頷きます。
「そうか‥‥‥」
僕はちらりとカンナを見るとカンナは
「ところでヒロ。どうやってテレビからこの妖精をだすの?」
「あっ! それはカンナの時と同じだよ。ヨッシが持ってきてもらったフィギュアに妖精を移すんだ。」
ヨッシが持っているフィギュアに指を差す僕。
「そうか‥‥‥わたしと同じ‥‥‥て! 私と同じ!」
カンナは何か嫌そうな感じで言ってきますよ。
まあ、カンナの気持ちもわかる様な‥‥‥
だってですねえ〜、大の大人が持ったフィギュアに乗り移るんですから‥‥‥
しょうがないですよね〜。それに‥‥‥
「大人でフィギュアを持っているのはオタクぐらいだし、後、純粋な心を持った者も多いしな。(一部は暴走して変な事をする奴もいるが)」
『うむ、それでオタクか。納得した』
ありゃ! こんな事で納得しちゃいましたかテレビの中の妖精さん。
で、
「問題はヨッシの願い事なんだが……」
僕とカンナ、テレビの中の妖精はヨッシの方を見ますよ。
「お?なんだ?ヒロ」
「お?、じゃないだろヨッシ。願い事は決まったのか?」
僕はヨッシの方を見て言うと、ヨッシはまだ腕を組んで考えてますよ。
「う〜ん」
「まだ考えてるか?なら僕と同じで彼女になってもらうか」
「ヒロは彼女か‥‥‥う〜ん‥‥‥だったら‥‥‥」
ヨッシ、何かを閃いた様な顔をしてますよ。
けど‥‥‥ヨッシだから願い事はだいたいわかるんですけどねぇ〜。
「このアクアフィギュアに乗り移り俺の嫁になれ…てのはどうかな? なんてね」
照れながら言いますよ。
まあ、僕の予想どうりの事を言ってくれますよ。
で、で、
『うむ! その願い叶えたもうた!』
テレビの中の妖精が言うとですねえ〜
ヨッシ何か慌てだして、
「えっ?あっ! ちょっと! その願い事は大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃあ!」
カミナリの妖精が言うとですね、テレビの画面が白く光り出し、中から拳ぐらいの光の玉が出てヨッシの持ったフィギュアに乗移り、そしてフィギュアが光りだしましたよ。