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転生した王女は「検索」でまったりと生き残りたいと思ってる  作者: せいざ


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考え事

読んで下さりありがとうございます。


 クロと別れ、魔素の森から出た後、ローレンのスキルで執務室へと戻った。アイリーンを一時も離さなかったグレイブは、近衛兵を連れ医師のもとへと走っていった。

 執務室に残ったエメラルダ、リデア、ローレンがソファへと身を沈める。


「近衛兵には、魔素の森を重点に城内をくまなく捜査させている。もう城内にいない確率の方が高いが…念の為にな…。アイリーンが目覚めたら、話を聞くことにする。多分、目的はサルトベリーだろう…王族が管理している特別な木の実といったら、魔素の森で採れるものだと憶測しての番号だろう」


 いつものように涼やかな顔で語っているが、机の上で組まれている指には力が入っている。


「父上…国王にはどのように報告するの?」


 少し怯えたような表情でローレンが問いかける。エメラルダも国王の評価が気になっていた。


(今回のことで私のスキルが露見して、使えない奴から使える奴になると、面倒なことになりそう…。どうにか兄様達に擦りつけれないかしら…)


 横目でチラリとリデアを伺うと視線があった。


「エメラルダのスキルに関しては、私の方でどうにかしよう。アイリーンに探知機の魔具を持たせていた、と報告しておけば疑われない」


 リデアの言葉にホッと胸を撫で下ろす。


「リデア兄様ありがとうございます。できれば、このままスキルの事は隠して過ごしたいので…」

「そうだな…。国王は一年ほど前から体調を崩し、ほぼ政務に関わっていない。何か自室でこそこそとしているみたいだが…ある程度誤魔化して、報告しても問題無いだろう」


 国王とは転生してから一度も会っていない。転生前のエメラルダが、一度スキルを披露した時に顔合わせをしたみたいだが、記憶にある国王の顔はぼんやりとしている。

 王城内に姿絵が飾られているが、青紫のウェーブかかった髪の毛を肩で切り揃え、オリーブ色の瞳が印象的な美丈夫だった。絵だけ見れば穏やかな雰囲気の人物だが、実際は実力主義で排他的、不寛容な性格である。人は見かけに寄らない。


「エメラルダがヴォルヌスにスキルを使用した時、首謀者の名前が見えなかったみたいだが…今までこう言うことはなかったのか?」


 リデアの問いかけに意識が浮上する。


「はい…今まで検索したものは全て言語化、もしくは映像化できていました。表示に異変がでるのは初めてで、自分の未熟さが恥ずかしいです…」


 エメラルダの返答にリデアが腕を組み思案する。


(そういえば、首謀者の名前が???になってた…。検索範囲といい、名前のバグといい、自分がスキルを使いこなせていないって事だよね…。スキルを使って一人で生きていけるつもりだったけど、全然ダメだ)


 俯き手を握りしめるエメラルダに、ローレンが近づきそっと肩に手を置く。


「エメラルダ、大丈夫だよ。僕達は君に感謝こそすれど、責める気持ちなんてなんて一つもないよ。」

「その通りだ。エメラルダの協力がなければ、アイリーンの発見は遅れ、誘拐犯の素性も不明のまま逃すところだった。感謝する」


 ローレンとリデアの言葉に、不甲斐ない気持ちが少し安らぐ。

「ローレン兄様、リデア兄様、ありがとうございます。このままでは、独り立ちできない事が身に染みて分かりました。もっとスキルを磨きがんばります!」


 気合いと共にグッと握り拳を作るエメラルダ。その姿を一見、微笑ましく眺めている二人だが、瞳の奥が笑っていない。



((絶対独り立ちなんてさせない))



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