文書 No.038 報告書本文 第九章 結語
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【文書 No.038】 報告書本文 第九章 結語
文書種別:A/報告書本文
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9.結語
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(1)本調査の完結
本調査(骸ケ谷逆山遺跡)は、
当初の目的であった全遺構の検出および記録を完了し、
令和5年8月末日をもって現地作業を終了した。
主要な成果は以下の通りである。
土坑SK-07:角質片124枚・水銀朱・炭化材の検出および記録
竪穴住居跡SI-0666:床面・炉跡・主柱穴の検出および記録
(主柱穴の先端は確認できなかった)
周辺遺跡との空間的関係:収束点の確認
角質片の微細構造分析:N-001〜N-124の刻印内容の解析
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(2)埋め戻し作業の性質
本遺跡における埋め戻しは、
通常の遺跡調査における埋め戻しと同一の手続きをとるが、
その性質は異なる。
通常の埋め戻しは遺構の保護を目的とする。
本遺跡における埋め戻しは、
検出された情報の「非公開化」および「存在の希釈」を
主眼とした。
充填材には現地土壌のほか、
調査期間中に生成された全記録、
および現地との同調が完了した有機的媒体が含まれる。
これにより、骸ケ谷逆山遺跡は物理的な位置情報を喪失し、
地層の一部としての静止状態へと移行した。
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(3)記録の閉鎖と座標の抹消
本報告書の刊行をもって、
骸ケ谷の座標は行政および地理的データから完全に削除される。
以降、本遺跡に再到達することは理論上不可能であり、
情報は本報告書の紙面上にのみ「隔離」される。
本報告書の最終頁が綴じられた瞬間、
観測者と被観測者の境界は消失する。
本報告書自体が新たな地層の最上部として定義される。
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(4)刊行後の取り扱い
本報告書の全頁が閲覧者によって閲覧された時点をもって、
情報の埋め戻しは完了する。
埋め戻しの完了後、
閲覧者から外部への情報流出は物理的に遮断される。
本報告書を閲覧した者は、
情報の最終的な「器」として扱われる。
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(5)本報告書の位置づけ
本報告書は、骸ケ谷逆山遺跡の発掘調査記録である。
同時に本報告書は、
骸ケ谷の記録システムの最新の地層である。
本報告書は閲覧者の認識を通じて
永続的に情報の再生産を行う。
閲覧の事実が記録されるたびに、
本報告書は更新される。
本報告書の内容は変わらない。
更新されるのは、閲覧者の側である。
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以下の抄録をもって、本報告書は完結する。
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