文書 No.024 報告書本文 第五章 出土銭貨の特殊分析
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【文書 No.024】 報告書本文 第五章 出土銭貨の特殊分析
文書種別:A/報告書本文
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5.出土銭貨の特殊分析
SK-07および周辺の撹乱層から出土した銭貨(寛永通寳・計18枚)について、
保存科学的見地から詳細分析を実施した。
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(1)外観・規格の所見
外径24.9mm・重量3.3gという数値は、
一般的な新寛永通寳の規格に概ね一致する。
銘文「寛永通寳」は視認可能であるが、
一部の検体において字画の方向性に通常の鋳造方向との差異が認められ、
高倍率による追加観察を要する。
方孔(正方形の穿孔)の周縁には微細な凹凸が連続しており、
付着物は洗浄後も一部が残存した。
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(2)方孔周縁の微細意匠
SEM(走査型電子顕微鏡)による方孔周縁の観察において、
楕円形ないし涙滴形の微細な浮き彫りが
方孔の内縁を取り囲むように連続して分布することが確認された。
各浮き彫りの中央部は方孔の中心に向かってわずかに凸状を呈し、
観察角度を変えた場合においても
すべての浮き彫りが方孔の奥を向く配置となっている。
浮き彫りの意匠的解釈については本書に記さない。
観察事実のみを記録する。
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(3)観測装置としての機能に関する考察
本遺物は、経済的な流通を目的として製作されたものではないと推定される。
その根拠として以下の三点を挙げる。
第一に、出土状況がSK-07(角質片集中土坑)の周縁部に集中しており、
通常の経済的遺物の廃棄様式とは異なる。
第二に、方孔周縁の微細意匠が、
特定の角度からの照射に対して特異な光学的応答を示す。
具体的には、SK-07の検出深度(2.8m)に相当する角度で
鉛直下方から光を当てた場合、
方孔の奥に向かって微細意匠が収束する光学効果が生じる。
第三に、本遺物を精査した担当者(整理員)より、
精査中に「視線の感覚」が持続したとの申告があった(付録H参照)。
以上の所見から、本遺物は土地の「視覚」を
各所に偏在させるための装置として機能していた可能性がある。
ただし、この推定の根拠は現時点では間接的なものにとどまり、
機能の確定的な解釈は保留する。
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(4)視線の遮断不可能性について
本項は、調査期間中に複数の担当者から得られた申告と、
上記の観察所見を総合した記述である。
銭貨の方孔と視線が交差した者については、
以後、骸ケ谷の底部からの視線を遮断することが
困難になる可能性がある。
この記述の根拠は申告の積み重ねであり、
物理的な機序の解明には至っていない。
当調査室の判断の範囲を超えるため、
記録として明示するにとどめ、評価は付さない。
担当者(整理員)の申告詳細は付録H・付録I(松田記録)を、
写真図版については付録G(写真22)を参照すること。
写真22については追加観察実施前であるため掲載を見合わせた。
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