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ドシャブリ

真友は今、学校に来ていた。


音葉からもらった、黄色いバッグの中には、お財布に時計に、スマホ。


サーーーー・・・今は雨が降っているけど、・・・ほら来た!



「有岡!」


「木坂くん!」


「なんだ、めちゃくちゃ簡単に持てたんだな、スマホ。よかったわー」


「うん!」


・・・そう。あの日真友が「スマホほしい」と頼むと、「あら、やっと言ったわね」とだけ言われて、スマホを翌日買いに行き、今に至る。



「…完了!」


「わ、木坂くん、・・・スタンプ・・・めっちゃ、持ってるんだね・・・」


「いやー、有岡とメールしたときにスタンプを送りたいって思ってコレクションしてたら、こうなって」


「もう・・・」


真友はスマホの画面を見て、・・・「友達」と書かれているのを見た。


『好きだ!』


かぁぁっ!!真友の顔がぼっと熱くなる。


「ん?有岡どした?」


「・・・ここ、友達・・・って書いてあるね、って」


そういうと、木坂はふとつぶやいた。


「・・・俺たちが友達じゃなくて、恋人だったらいいのに」


「え?なんていった、ごめん、聞こえなかった」


「・・・バっ、なんでも、ないっ!!!・・・ってあれ・・・」



・・・立っていたのは、音葉と蓮だった。


「真友、もう、木坂と仲良くしないでよ!なんであんたなんかがっ・・・」


「あんたなんか、って何ですか!井上先輩!そっちこそ、木坂なんかと仲良くしないでください」


「なにが、なんかよ!」



2人は勝手にケンカを始めたかと思うと、同時にこっちを向いた。


「もうやめて!そこで恋愛ごっこなんて・・・」



「・・・ごっこじゃない」


真友はふと言った。


「は?」

「ごっこなんかじゃない・・・それより絶対、私に音葉がしていたことが、友達ごっこなんじゃないの・・・?」


「・・・」

「わ、私。誕生日プレゼントにもらった、音葉がくれた、このバッグ、持ってると、勇気出てきて・・・今でも使ってる。・・・音葉は?」


真友は尋ねた。


「音葉は私があげたバッグ、使ってないでしょ?」

「・・・当たり前でしょ。使うわけないじゃん」


音葉が言ったので、真友は、こう答えた。


「・・・知ってた。けどっ・・・、私は今でも、音葉のことを、友達って思ってる・・・。私と音葉がごっこなんじゃなくて、それは、音葉だけごっこしてたの」


「・・・へぇ」


「私と木坂くんは、・・・少なくとも私は、ごっこしてないから!私と蓮くんは、蓮くんがごっこじゃなかった。私、恋愛ごっこなんて、したことはないはずなの!」

真友の強い口調に、音葉は少しだけ後ろに下がった。






「・・・有岡・・・」


木坂は真友をまっすぐに見つめると、叫んだ。


「逃げるぞ!」



「えっ・・・!?」



「いいからついて来い!」


そういうと木坂は手をぎゅっとにぎり、真友をムリヤリ連れて行った。




「ちょっ、待ちなさい!真友っ・・・木坂・・・!」


「真友先ぱーい!?」





背中に音葉と蓮の声が聞こえた気がしたが、もう、真友は気にしなかった。




ザーーーーーー・・・ザーーーーーー・・・




木坂と雨宿りしたあの日みたいに、雨だけがどんどん、強くなっていった。

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