ウチのパンダは過保護でマザコンです。
およそ半年ぶりの更新。
お久しぶりです。
読者の皆様こんにちは、神野卯月です。
今日は平日なので学校に居ます。
なので動物園の仕事は夕方からなのですが…。
「もしゃもしゃ…ヒマやなー。なあエテマル」
「ウキー」
「何故居るバカパンダ」
「ぎゃあああああ!!!」
あたしは廊下で笹咥えながら寝転ぶ龍龍にアイアンクローをかます。
え?パンダが悲鳴を上げるほどのアイアンクローが出来るなんて人間かですって?
キニシナイキニシナイ。キニシタラアナタモオナジメニアウヨ?
「お…おおぅ…相変わらずオカンは容赦無いなぁ」
「黙れバカパンダ。何しに来たのよ?帰れ」
あたしは額に青筋を立てながら龍龍を踏み付ける。
「パンツ見えとんごべら!」
下顎に上履きの跡を付けてやった。
昼休み。
後輩のツッキーがコピーした鍵を使って屋上に上り、龍龍と向い合って弁当を食べる。ツッキーには借りパクすんなよって言われた。
無断で学校の備品偽造した奴のセリフじゃないと思う。
閑話休題。
「で、あんたは何しに来たのよ?」
「オカンの身辺調査や」
笹を食べながらこのバカはそんなことを宣った。
探偵か。探偵気取りかコイツ。
「何?あたしが何かした?」
「いんや、オカンはなんもしてへんで」
訳わからん。いや関西弁話してる時点で既に訳わからん動物だけど。
「じゃあ何を調べてるってのよ?」
「オトコや」
「は?」
龍龍の言葉にあたしはぽかんと口を開けた。
何言ってんだこいつ。
「何言ってんだこいつ」
「口に出とんで」
うるさい。
「オトコって何よ?あたしがストーキングされてるとでも言いたいの?」
「いんや、ちゃうで。ワシの見立てやと…」
そう言って龍龍は鼻を鳴らす。
「オカン、ガッコで気になる奴がおるんとちゃうか?」
「……は?」
あたしはじりっと少し後退った。
………なんで分かんのよコイツ。
家ではそんな話題振ったこと無いのに。
「で、あたしにそんな男の子が居たとして、結局あんたは何がしたいの?」
あたしは素知らぬ顔でとぼけると、龍龍はいつの間にか持っていた笹束をベキッと圧し折る。
「そらま、当然、オカンに相応しいオトコか見定めなアカンわな」
そう言って龍龍は折った笹束を編み上げていく。
そうしてなんか長い銃みたいな形の物体を作り上げた。
「………何する気よ」
「ここからやったらオカンの匂い付いとるヤツも判るわ。せやからそいつら片っ端から狙撃する。パンダ14って呼んでや」
「やめんかバカパンダァァァァァ!!!!!」
あたしは龍龍の首元を引っ掴んで投げつけ、地面に叩きつける。
「卯月ちゃんがぁ!!!捕まえてぇぇ!!!」
いつの間にか屋上に潜り込んでいたシノが叫ぶ。
それに構わず、あたしは浮き上がった龍龍をジャンプしてから殴りまくる。
「卯月ちゃんがぁ!画面端ぃぃっ!!!!」
画面端ってなんだ。
「ま、まってやオカン!?」
「黙れ死ねぇっ!」
龍龍の説得を無視してアッパーで地面から打ち上げ、再びジャンプして殴りまくる。
「説得読んでぇぇっ!!!まだ入るぅぅ!!」
着地の瞬間にボディーアッパーをぶつけ、左ストレート。
「卯月ちゃんがぁっ!!!!……つっ近づいてぇっ!!!」
受け身を取ってガードした龍龍に上から殴り付け、再び浮いた所を蹴って殴る。
「卯月ちゃんが決めたぁぁーっ!!!!」
トドメのアッパーカットを決めた後、シノが吠えた。
「………全くもう」
沈んだ龍龍をじろりと睨みつける。
「……………」
龍龍はピクピクと痙攣しながら完全に気絶していた。
あたしは心配や気遣いなど一切含まず、無造作に後ろ足を掴んで引きずっていく。
「シノ、この鍵ツッキーに返しといて。そんであたしは早退するって吉澤先生に言っといて」
「アッハイ。……ってか俺がいた事のツッコミは無しですかそうですか」
段差に龍龍の後頭部がぶつかるのを気にも止めず、あたしは階段を降りて家に帰った。
あからさまなネタ。
下手の横好きですが格ゲー大好きです。
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