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第二夜
琥珀は病室の窓を眺めていた。そんななか病室の扉が開かれた。その人物はゆっくりと入ってきた。
「琥珀元気にしていましたか?」
優しそうな男性は微笑みかけ告げる。その男性に琥珀は微笑みかけその名を呼んだ。
「御影」
其れに御影と呼ばれた男性は微笑みかけそして問いかけた。
「千優はまだ来ていませんか?」
その言葉に琥珀は首を振ることでかえしてそして告げた。
「今日はこれるか分からないって昨日言っていたよ」
「昨日来たのですか?」
その問いに頷く。御影は思案してそして何かを思いだしたようで鞄から本を取り出した。
その本のタイトルは「人は如何にして人と付き合うか?」と書かれていた。
其れを見た琥珀は表情を歪めた。そして呆れたように告げた。
「また変なの読んでるの?」
その問いかけに御影は返答をかえした。
「ええ以前読んでいた本は読んでしまったので……」
その言葉に琥珀は思い出していた。確か御影が読んでいたのは
タイトルは「チェックメイトの美学」だった気がする。
そしてため息をはいたのだ。そして目を細める。
こんな日が長く続くことを祈って。