第五話 死活問題
サブタイトルを修正しました。案外ミスは出るものですね...
あれから2週間が経った。
動物(?)を狩るのも、魔法を使うのも慣れて今じゃ手を振るようにできる。
ただ、魔法を使った時の眠気だけは全然治まらない。
異世界物だと魔力が増えていってるんだが、ここはそうじゃないのか?
もしかして一定量から増えないとかそういう感じなのだろうか...
だったらメインもMP増やしておけばよかったか。
それと驚くべきことが起きた。
狩っているときに枝だけではどうしても一体ずつしか相手が出来ない。
それに今日食べる獲物を枝に突き刺した状態で持ち運んでいるのだが、その状態では相手することができないのだ。
その時にふと思ったのがゲーム時代の武器だ。
今の体がゲームのキャラなら、魔法が使えるなら、何もないところからポンッと武器が出せるのではないか。
そう思って武器が出てくるのをイメージしたら、腰に重みを感じた。
見るとそこには銃があった。
見るからにハンドガン程度の大きさで持ち手が紫になっている。だが、バレルが異常に長く銃身に薔薇の彫刻がされていて妖艶さがある。
それが2丁。
見覚えがある、これはメインキャラで使っていた双銃。
ソロ限定の武器種固定ダンジョンのクリア報酬の銃だ。
12時間ぶっ続けで潜り続けやっとこさ手に入れたから、ものすごい思い入れがある。
剣と魔法のゲームになんで銃があるのかはわからないがあるんだからしょうがない。
俺は銃を手に取る。
「ローズ・ツインクリスタル...久しぶり...でいいのかな」
見慣れたものがある、それだけで嬉しくてついつい頬ずりをしてしまう。
するとローズが薄く発光し始めた。
「うぇ?!」
驚いたのもつかの間、すぐに発光は治まった。
一体何があったのかはすぐに理解できた。嬉しいという感情が伝わってきたからだ。
愛銃に感情があるというのも驚いたけど、自分と会えるのが嬉しいと思ってくれるのは素直にうれしかった。
「俺もうれしい...」
ローズはまた発光をした。
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ということがあって今は枝に食料を突き刺し、片手にローズを持って移動している。
ものすごく楽だし、スキルの【火炎弾】を使えば火を出せるので、態々魔法を使わなくてよくなったのはうれしい誤算だった。
そう、スキルが使えたのだ。魔法も使えるならもしかしてと思ったけど本当に使えたのには驚いた。
魔法を使えること自体が楽しいから練習はやめないけどね。
これで食糧問題や自衛に関しては心配がない。
だがそんなことすらもどうでもいいと思えるほどの問題が初日からずっと発生している。
お風呂問題だ。
・・・どうでもいいとか言った人、ちょっと裏行こうぜ。久しぶりにキレちまったよ...
お風呂、まぁ水浴びでもいいけど、
とにかく水を浴びて汚れを落とすのは凄い大事だと思うんだ。
日本の頃は例え遅くて疲れてようと絶対にシャワーだけは浴びていた。
寧ろ入らないと、翌日は気分が沈んでしまい仕事にならないくらいだったほどだ。
なのにこっちに来てからは湖一つ見つからない。
魔法で水を出せばいいのだが、イメージが乏しいのかわからないけど何故かコップ一杯程度の水が限度だった。
しかもやるたびに眠気がくるわ、動く気にもなれないわでやる気が起きなかった。
だから、必要最低限の飲み水と手を洗う程度の水しか出せず体を洗えていないのだ。
「血の匂いが臭い...どっか湖ないのー!」
癇癪気味に叫んでみるけど、そんなんで見つかるわけがない。
「はぁ...ここまで歩いて見つかんないなら、諦めるしかない...か」
トボトボと歩きながら今日も見えない出口を探す。
お読みいただきありがとうございます。
誤字・脱字等がございましたらお教え下されば幸いです。
愛銃登場回とお風呂入れない問題の回でした。
愛銃回を分けようとは思ったのですが、無理に埋めようとすると蛇足ばかりでつまらなくなりそうだったので一緒にしました。
皆さんはお風呂、どうですか?