第十七話 北と南、二つの決着
北側ではアレサとスパインが、
南側ではイリスとシャドウが――それぞれの限界を超えてぶつかり合う。
血と光、影と決意。
坑道の奥で交錯する二つの戦いは、
それぞれの「信念」が試される瞬間だった。
【北側坑道:アレサ vs スパイン、決着へ】
互いの武器は血と埃で汚れ、呼吸は荒く、足元はふらつき始めていた。
だが――
どちらもまだ倒れない。
スパインの槍が閃く。
アレサの盾が火花を散らす。
斧が唸り、槍が跳ね、坑道の空気は熱を帯びて震えていた。
【最後の読み合い】
スパインは槍を構え直し、静かに息を整えた。
スパイン「……終わりにしましょう」
アレサも盾と斧を構え、低く呟く。
アレサ「……ああ。同感だ。最後は気が合ったな。」
スパインが踏み込む。
アレサも踏み込む。
二人の距離が一気に縮まる。
スパイン「《ルナティック・レイン》!!」
無数の刺突がアレサを襲う。
アレサは――生死の要である盾を、スパインの大技の中に投げ捨てた。
スパイン「……ッ!?」
丈夫な盾は砕け散ると共に、ルナティックレインの起動をことごとく逸らしていく……
アレサは弱まった槍の軌道を気にも留めず、スパインの懐へ飛び込む。
スパイン「しまっ――」
アレサ「おらぁぁぁッ!!」
戦斧がスパインの槍を叩き折り、そのままスパインの胸元へ叩き込まれた。
ドガァァァンッ!!
スパインは壁に叩きつけられ、崩れ落ちる。
槍の破片が床に散らばり、スパインは苦しげに息を吐いた。
スパイン「……っ……まさか……あなたに……ここまで……」
アレサは斧を肩に担ぎ、血を拭いながら言った。
アレサ「……格下だなんだって……勝手に決めつけてんじゃねぇよ……」
スパインは悔しげに笑い、そのまま意識を失った。
アレサは深く息を吐き、壁にもたれかかる。
アレサ「……はぁ……はぁ……ヴァルカ……いいとこ……見せられたか……?」
坑道に、アレサの荒い呼吸だけが響いていた。
アレサVSヴァイオレットスパイン 決着
【イリス、反撃の光】
イリスの瞳が七色に輝いた。
イリス「……終わりじゃない!!」
七色の光が爆発する。
イリス「《マーブルアロー・フルバースト》!!」
無数の矢が空間の裂け目ごとシャドウを貫いた。
シャドウ「……ッ!?ぐ……あ……!」
シャドウは影に崩れ落ち、苦しげに立ち上がる。
シャドウ「……見事……ここまでとは……」
だがその瞳には、まだ“逃げる”意志が残っていた。
シャドウ(心の声)
(……ここまで追い詰められるとは……だが私は……生き残る)
イリスは矢を構え直す。
イリス「逃がさないよ……シャドウ」
シャドウは影に溶け、坑道の奥へと逃げ始めた。
【南側坑道:光と影の最終局面】
シャドウは影に溶け、坑道の奥へと逃げようとしていた。
イリスは矢を構え、その背中を追う。
シャドウは影の中で苦しげに息を吐く。
イリスは確信していた。
イリス(心の声)
(勝てる……!シャドウの動きは全部読めてる……!)
その“わずかな油断”が――イリスを窮地に追い込んだ
【シャドウの奇襲:影の牙】
シャドウの影が突然、
真横の壁から飛び出した。
シャドウ「《シャドウ・スラッシュ》」
イリス「――えっ……!?」
黒い刃がイリスの脇腹を深く切り裂いた。
ズシャァッ!!
イリス「っ……あ……!」
七色の光が一瞬だけ弱まり、イリスは膝をつく。
シャドウは影から姿を現し、冷たい声で言った。
シャドウ「……油断しましたね。」
イリス「くっ……!」
シャドウはさらに追撃を仕掛ける。
シャドウ「《シャドウ・ピアス》」
影の槍がイリスの肩を貫いた。
イリス「――ッ!!」
血が飛び散り、イリスは後退する。
イリス(心の声)
(……痛い……!まずい……動きが……鈍る……!)
シャドウは静かに歩み寄る。
シャドウ「あなたは強い。だが……経験が足りませんでしたね」
シャドウは影を一点に収束させ、空間を裂いた。
シャドウ「《シャドウ・リーパー・ゼロ》」
イリス「……!」
シャドウ「これで終わりです。よく私をここまで追い詰めた。あの世で自慢して良いですよ」
空間の裂け目から、巨大な影の刃が現れる。
イリスは矢を構えるが――体が動かない。
イリス(心の声)
(……まずい……!避けられない……!)
シャドウは無表情のまま、
影刃を振り下ろす。
シャドウ「――さようなら」
影の刃がイリスへ迫る。
【轟音。衝撃。断末魔。】
ドガァァァァァンッ!!
坑道全体が揺れ、
爆風がイリスのをかすめる。
シャドウ「――ッ!? が……ああああああああッ!!」
影の刃は霧散し、シャドウの身体が吹き飛んだ。
イリス「え……?」
イリスは自分が無傷であることに気づき、ゆっくりと目を開けた。
倒れていたのは――
シャドウだった。
イリス「……シャドウが……倒れてる……?」
イリスは震える手で矢を下ろし、深く息を吐いた。
イリス「……助かった……本当に……危なかった……」
ヴァルカ「ワハハハ!間に合ったな・・・」
ヴァルカは坑道を壁事ぶち破ると、豪快に笑いながらイリスの肩に手を置く。
ヴァルカ「危なかったな!だがよくやったよ。」
イリス「……絶対勝てると過信していたんだ。経験不足だった…」
ヴァルカは頷く。
ヴァルカ「そうだ。だが、それはこれから積めばいい。今日のお前は……十分すぎるほど戦った」
イリスは悔しさと安堵が入り混じった表情で、シャドウの倒れた姿を見つめた。
イリス「……次は……もっと強くなるよ」
ヴァルカ「その意気だ」
シャドウの影は完全に消え、南側の一角に静寂が戻った。
シャドウ戦――決着。
アレサとイリスは、なんとか勝利を掴むことができました。
しかしその代償として、満身創痍のメンバーが着実に増えてきています。
今のところ――
元最強の名を持つヴァルカと、底力を秘めたアルトはまだ戦える。
アレサはギリギリ踏みとどまり、
イリスに至っては戦力となれるのかが怪しくなってきました。
坑道での戦いは終盤へ差し掛かり、
それぞれが限界を超えながら前へ進んでいる状態です。
そしてもう一方では、
レオン、アルト、ファング――三者の戦いがさらに激化。
こちらも、いよいよ目が離せない局面へ突入していきます。




