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三茶浪漫  作者: たま


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10/46

ネットオーダーで買い物すると店長が届けてくれた。

「まあ、ありがとうございます。どうしたんですか?」驚くと

「流石だね。この騒動でも落ち着いてるとか。」様子を見に来たみたいだ。

「バタバタしても変わらないでしょ?それより店の方が大変じゃないですか?」杏が聞く。

「そうなんだよ!変な人に付けられたとか急にゴミを投げられたとか。泣いて怯えてる人もいるよ。」店長が腕を組む。

「スナックの方は?」杏が聞くと「ちゃんと届けたよ。いつまでもお元気だよね〜あの人。

買い物来るのは億劫になったらしいけど、杏さん通さなくても電話してくれたら届けるからと言っといた。」

本来はそっちから発展した店なので近場の飲食店には

有料で配達するらしい。

ホームページに書いてあっても年配の店主は知らない事が多い。

客としては10年以上の付き合いなので、そこは割り切っているようだ。

水もトイレットペーパーも扱ってるのでしばらくは困らないだろう。

「よしっ!やるか!」ネットを見ながらセルフカットに挑戦する。

いつもTシャツGパンだったのでせめて髪の毛はとロングの巻き毛にしてたが、それが今回アダになった。

ロング巻き毛にワンピース着られると、誰でも杏になってしまう。

髪をバッサリ切る。

受験勉強のため早めに帰ってきた長女の凛に変な飛び出した毛は切ってもらって短いボブになった。

そして、白のカッターシャツに夫の礼装からベストを借りた。下はこの頃流行らなくて履かなくなった黒スキニーに黒のブーティーを。

ギャルソン風にして大きめのゴールドのイヤリングをした。

「お母さん、そっちの方が似合うよ!

肩、ゴツいのにロングの巻き毛変だったから♪」

子供は正直で辛辣だ。


迎えに来た黒田も笑う。

「草薙素子みたい…」攻殻機動隊の主人公でメスゴリラの異名を持つ人だ。

もともと学生時代バタフライの選手だったので肩が盛り上がっているのだ。

何とか筋肉は落としたが、骨はそびえたままだ。

『だから巻き毛を肩に掛けてごまかしてたのに!

クソッ、犯人め!』杏は心の中で舌打ちする。

肩幅広いのが、もうごまかせない!

おかげでスナックまで全く誰にも気付かれなかった。

それどころか店に杏を見に来た一見さんすら気付いていない!

「居ないなあ〜噂の美女?」とか言ってる!

黒田がまたカウンターで笑っている。

ママは杏を名前で呼ばないから、余計分からないかも知れない。

ゲーム会社の大谷まで「新しい人に変わったんだあ〜」とガッカリしていた。それを見て、また黒田がうつ伏して肩で笑っていた。

これで自由に動けるし成功なんだが…なんか悔しい。

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