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お后候補から外れたので、後宮で薬膳料理屋を開きます  作者: E.T.


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1/7

落ちこぼれて

私の名前はエアリス=シャンティ。

シャンティ侯爵家の次女で、幼い頃から皇帝陛下の妃となるべく、英才教育を受けてきた。

しかし、紅茶を淹れればひっくり返すし、ダンスをさせれば足を踏むし、ピアノはまるで弾けない。

私には妃の才能がゼロだった。


とにかく形だけでも、と、後宮入りしたものの、お妃レースからは完全に離脱。

私は皇帝陛下の后候補にはなれなかったのだ。


まぁ、でも?

あの窮屈な家から解放されたのだから?

私は自分の運命を受け入れて、自由気ままに暮らす事にした。


ただ…

私は普通のご令嬢とは少し違っていた。

それは2点ある。

まず、1点め、私には()()()()()がある。

そして、2点目、私は()()()というスキルを持っている。


レイゾウコ?

何だそれは?

新手のモンスターの名前か?

と、散々言われたが、地球の記憶がある私には、それが何なのかはっきり分かっていた。


そして、私は後宮取締役のマーラーさんに会いに行った。


「つまり、エアリスさんのおっしゃりたいのは、後宮の空室を使わせて欲しい、という事ですのね?」


マーラーさんは自慢の艶やかな金髪をさらりと靡かせるとそう言った。


「はい。

ダメでしょうか?」


「ダメ、という事は無いけれど…

何に使うのかはっきり聞いておきたいわ。」


マーラーさんは少し言葉を濁してそう言った。


「料理屋、つまりレストランを開きたいのです。」


「レストラン…?」


「えぇ、私がお后候補から外れたのはご存知でしょう?

であれば、趣味の料理屋でも開こうかと。

もう、妃候補として後宮に入ったからには出られませんもの。

じっと部屋で過ごすのは苦しいですわ。」


私は言った。


「うーん…

わかりました。

確か東の後宮にキッチンが付いた空室があるはずよ。

お使いになって。

その代わり…」


「えぇ。

その代わり?」


「ふふふ。

私もぜひ招待してくださいね?」


マーラーさんはイタズラっぽくそう言った。


「もちろんです。

ありがとうございます。」


そして、私は鍋やらフライパンやら、包丁を持って、早速東の後宮へ向かった。


「さぁ、今日からここが私の庭ね。」


私は埃だらけの部屋をぐるりと見回してそう呟いた。


さて、雑巾がけからだわ!


私はドレスの裾と袖をまくし上げる。


♦︎♦︎♦︎


そして、2時間後。

ピカピカになった部屋。

そして、くたびれた私。


だけど、これで薬膳料理屋が開けるわ!


そう、私の前世の職業は薬膳料理人であったのだ。


「スキル『冷蔵庫』!」


ボンッ!と、冷蔵庫が現れる。


私が中を覗くと…


冷やご飯が野菜室に、それから鶏胸肉、生姜、長ネギが冷蔵庫に、クコの実、ナツメ、もあった。


これならば…!

ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!

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