あの子は一体誰?
次の瞬間、誰かの腕が迷いなく私の身体を引き上げた。
「っ、げほ……けほっ……!」
岸に引き寄せられ、背中をさすられる。
息を整えながら、涙目で顔を上げるとーー
そこには、私よりも少し年上の少年がいた。
整った顔立ち。
少しだけ日に焼けた頬と、落ち着いた黒髪に銀色の瞳。
(わぁ……綺麗な子)
溺れかけていた事も忘れて、私はしばらく男の子の顔に見惚れていた。
近くには、立派な馬が大人しく頭を垂れている。
「大丈夫か?」
「うっ……うん……」
私がそう頷くと、少年はほっとしたように息をついた。
「川は浅くても、油断すると危ないよ。次からは一人で入るなよ……」
叱るようでいて、声は優しかった。
「あのっ!あなたはだれ?!」
「……俺?」
一瞬、少年は言葉に詰まったように目を伏せる。
「……ただの通りすがりだ」
そう言って、ふっと微笑んだ。
その微笑んだ顔がとても、とても綺麗で、かっこよくて私は思わずーー
「ねぇ!今のカエルを見た??もんのすごく大きかったの!!」
大興奮して助けてもらったお礼も忘れて少年に聞いてしまったのよね……
結局そのあと私はすぐ熱を出しちゃって記憶が曖昧になっちゃったけど……
「……って、ああああ!かっこよさに見惚れてたせいで、名前を聞くのを忘れていたわ!私の馬鹿!!」
* * *
あの男の子は誰だったのかしら?綺麗な服だったし立派な馬にも乗っていたから貴族よね……
その助けてくれた男の子ってもしかして……
その頃から会ってた?
最後まで読んで頂きありがとうございました。




