20.旅立ちの朝。
旅立ちの朝。
まだ薄暗い窓の外は静寂に包まれて........いない。
ドンドンドン...
「レオナルド!本当に付いて行かなくていいのか!」
「結構です...というかご近所迷惑です」
朝も早くから何やってるんだか。
伯父を回避する為の早朝出発だったのに残念だ。
あれからずっとこの調子で一緒に行くと言って聞かない。
過保護というよりただの駄々っ子。
もちろん連れて行く気はないが。
「やっぱりここですか!帰りますよマスター!」
後ろから追いかけてきたフィオが
すかさず何かしらの魔法を使って動きを止める。
「申し訳ありません...少し目を離した隙に...」
「それではお気をつけて」
「うご...け...な...ひ...」
フィオと動けない伯父に見送られながら
俺達は西の森へと向かった。
昨日は丸一日使って荷物の準備をしていた。
とはいえ野営用のテントと着替えくらい。
食料は調味料以外はほぼ現地調達で賄う予定だし
魔法関係のアイテムや装備は全部“ポッケ”の中だから
意外と持ち物は少なくて済んだ。
ウェザーにもまだ装備は付けさせないで
西の森に付いてから着替える感じにしたから
それまではピクニックにでも行くかのような軽装だ。
彼女はひさしぶりに野営が出来ると大はしゃぎで
まだ先は長いのにスキップしながら坂を駆け上がる。
結構アウトドア派なのだろうか。
いや、インドア派の精霊の方が珍しいか。
峠の中程まで着いたら遅い昼食を食べて
今日は西の森前で泊まるつもりだ。
「レオ、おなかすいたね〜?」
さっきから度々いつ昼食をとるのか聞いてくる。
仕方がないのでフィオが見送り時に渡してくれた
オヤツの袋を取り出す。
中には手紙が添えられていた。
“お疲れ様です。もうだいぶ歩かれましたか?”
“レオナルドにはクッキーと、ウェザーさん用に干し肉です”
“疲れた時に少しずつ食べてくださいね”
.....ゴメン。干し肉はもう全部無くなってしまった。
しかもまだ全然疲れてもいない距離です。
満足した彼女が歩く速度をグングンと上げた為
夕方西の森につく頃には俺はぐったりとしてしまった。
「ふぅ...なんだか予定より早く着いたな」
「疲れてるの?レオ」
(もうダメだ。しんど過ぎてテント張れない...)
座ったまま動けないでいると
ウェザーが慣れた手つきで寝床を組み上げていく。
「はい、出来ました!」
「すごい...本当に助かるよ...」
夕食の時間まで早速テントの中で休憩する事にした。
二時間ほど気絶したように眠った後
俺はウェザーを連れて晩御飯の“買い出し”に出かけた。




