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17.基本を覚えよう。

今日はフィオと昼過ぎまで稽古の予定。

その後で俺には試したい事があった。


昨夜寝る前に何となく回して出た “賢者の小石”

レベルがほんの少しだけ上がるという代物だ。


このアイテムは俺にも使えるけど

今はウェザーが強くなってくれた方が心強い。

それに初期値の彼女であれば

Lv.2〜3程度まで一気にレベルUPするだろう。


まだ“室内温度湿度調節(コンディショニング)”しか使えない為

(そのおかげで日々快適に過ごしてはいるが...)

戦いに出るなら攻撃系の魔法も欲しいところだ。


因(ちな)みに、レベルとは言っているが正確な数値ではなく

“〜が使えるようになった”

“〜が出来るようになった”

とかで皆何となく判断をしているのだ。


俺は二年間で大体Lv.20位だろうか。

早々に当たりガチャを引いて冒険に出た人達と

日銭を稼いでいた俺とでは歴然の差がある。


額(ひたい)の汗を拭う。


「はい、今日はこの位で終わりにしましょうか」


結局基本の素振りが延々と続いて

実戦形式みたいな事はさせてもらえなかった。


それに「基礎体力が足りていない」とも言われた。

仕事で肉体労働してるから自信があったのだが

疲労からそれ以外で鍛えたりしていなかったからか。


「毎日続けてくださいね」

フィオが手書きで特訓ノートを作ってくれていた。

基礎体力編、基礎魔力編、戦術編など充実の内容だ。

結果が出るまで三十日間試してみようと思う。


そして例の“賢者の小石”だ。

フィオも研究の為にとレベル上げに立ち会った。


「じゃあこれを叩きつけて」

キラキラと輝く小石をウェザーに手渡す。

大きく振りかぶると床に叩きつけた。


ゴンッ!!!

そんなに勢い良く投げなくても大丈夫なのだが。

(絶対に床が傷ついただろうな...)


それはともかく、オレンジ色の光が彼女を包むと

一瞬で消え去ってしまった。小石だとこの程度か。


「ねえ、ウェザー。何か違いを感じる?」

「なんかね、一つ出来るようになった気がする!」


自信満々な顔をして俺とフィオを席に座らせる。

一体何を覚えたというのか。


フォン...彼女の髪が少し浮き立つ


「いくよ? 明日の.....天気は............はれっ!!」

「明後日はあめっ!!」


彼女は決まったって感じで頷(うなず)いている。

一体何を覚えたというのか.....


「天気予報(フォーキャスト)だよ?まだ一週間先までだけどね」

「あら、それはすごいですね」


フィオはとっても感心しているが

これはどういった...


「これはすべての基本にもなるからね」

「すっごいんだよ〜?」


ウェザーの基本は気象。

現在の気象を利用したり、変化させる事で戦う。

だから明日のお天気が判ることは大事なのだという。


「確率は98%なんだからねっ!」


2%は何かというと、他の“ウェザー”が近くに来ると

気象を操る為にお天気が変わる事があるらしい。

珍しい精霊なので滅多にある事ではないのだとか。


「では明日は厚物のお洗濯をしようかしら...」

「ばっちり乾くと思うよ!」


...と、まあそんな感じで最初のレベル上げは

無事に?成功したのであった。


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