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15.需要と供給は噛み合わない。

あれから仕事以外では例のドレスを着ている。

前より外出したがるようになって一安心。


......と言う訳にもいかない。

魔装具でなければ戦うことは出来ないからだ。


今日の分のコインを持ってアイテム屋へ向かう。

生活費を除く全額を“石”に変える。


これで十回分のガチャを回せる石が貯まった。

“連続”にするか“単発”にするかで毎度悩む。


当たれば大きいがハズレ時の喪失感が大きい“連続”

運が良ければ節約だが出ないと底無し沼の“単発”


どちらも経験済みで悩む所だが

前に単発三回で見事ウェザーが出た事だし

今回も単発十回までの予定で行こうと思う。


とりあえず今日は早めに寝よう。

明日は“木曜限定!装具ガチャ”の日なのだから。


早朝4時半。


まだ眠い目を無理に覚ますために

湯を沸かして滋養強壮で有名なシビレ草を飲む。

不味い....しかしもう一杯飲む。


完全に目が覚めた俺はウェザーを起こしに行く。

“幸運の女神”もとい“幸運の触媒”として

召喚に付き合ってもらおうという魂胆だ。


勝手に悪いが部屋を開けると...

(ピッピィ....ピッピィ....ピッピィ....)


「.....なにやってるの」

「あ、レオ。ピッピィと遊んでたよ?」


ピッピィ達を自分の魔力で実体化させていた。

精霊は寝溜めが出来るから眠くならず

こうしてよく暇つぶしをしていたらしい。

最近俺が悪夢を見ていた原因が解った気がする。


「いつも静かに踊るように言ってるよ?」

「とりあえず俺が寝てる間はダメ」


女神は渋々と奴らを“ポッケ”にしまった。

そんな茶番をしている間にもうすぐ5時だ。


まだガチャをする人が少ない時間帯。

触媒代わりの幸運の女神(少しご機嫌ななめ)。

さあ、始めようじゃないか!


“Grand Challenge System Assign”


シュインッ...グワン...

“サンダルー”


履きやすいがよく脱げるし、俊敏性は落ちる。

戦闘には不向きだが好んで履く人も多い...微妙。


シュワン...シャーウァァ...

“おしゃれなブーツ”


ウェザーは喜んでいるがチョット残念。

見た目に重点を置いた靴で上がるのは“気分”だ。


この後俺が引いたのは


初心者には当たりの“戦士の劔(つるぎ)”

魔力がそこそこ上がる“トンガリ靴”

肩のみの防具“アイアンパット”


など、微妙に使えるような...使わないような...

そんなものばかりだった。


「魔装束落ちないね...」

残念そうに彼女が呟いた。すまない...

実は以前に俺は何度か魔装束を当てていた。


その頃は自分用の武器や防具が欲しかったし

女神級なんて早々来ないと思っていたから

全部“石”に替えてしまったのだ。


要らない時には来るのに、欲しい時には来ない。

需要と供給とは何とも理不尽なものである。


残り少なくなった“石”を握りながら

俺の幸運値の低さを嘆いた。

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