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紅葉狩り その4

ギロリ。


巨大な黒い木の目が、


ゆっくり開きました。


その瞬間――


山の空気が変わります。


紅葉の色が薄れ、


冷たい風が吹き荒れました。


サヨが腕を抱えます。


「寒い……。」


タヌキは震えていました。


「あれが“枯れ樹”……。」


ショウタが聞き返します。


「枯れ樹?」


タヌキはうなずきます。


「昔、山の奥で眠ってた悪い木!」


「でも、こんな大きくなかったのに……!」


黒い木――枯れ樹は、


ドクン……と脈打っています。


そのたびに黒い葉が舞い、


周囲の紅葉が枯れていきました。


巨大鹿も苦しそうに膝をつきます。


フゥゥゥン……。


山神が低く唸りました。


『山の命が吸われている。』


ピースケは静かに枯れ樹を見つめます。


「だから怒っていたんですねぇ。」


山神の金色の目が揺れました。


『守れなかった。』


その声は、


とても苦しそうでした。


ショウタが小声で言います。


「今回のボス、山そのものじゃなくて木か……。」


その瞬間――


ズルズルズル!!


地面から黒ツルが大量発生。


サヨが悲鳴。


「きゃぁ!」


ツルはまるで蛇みたいに動き、


ピースケたちへ襲いかかります。


ベルフェルが炎パン連射。


ドゴォォン!!


黒ツルが燃え上がりました。


しかし――


燃えた場所からまた生えてくる。


ショウタ絶望。


「再生するタイプぅぅ!!」


クロノワールが爪でツルを切り裂きながら言います。


「本体を止めねば無限だ。」


魔王が山頂を指差しました。


「あの目だ。」


枯れ樹の幹。


巨大な目。


そこから黒い力が流れています。


エリシアが真剣な顔。


「核部分ですね。」


ショウタが頭を抱えました。


「最近なんでも核あるな!!」


そのとき――


山神がゆっくり前へ出ました。


ズゥゥン。


一歩で山が揺れます。


巨大な角が紅葉を巻き上げました。


『我が道を開く。』


サヨが目を見開きます。


「山神さま……!」


山神は咆哮しました。


ゴォォォォォ!!


すると。


山の動物たちが現れ始めます。


鹿。


狐。


タヌキ。


ウサギ。


さらには巨大な梟まで。


ショウタがびっくり。


「援軍イベント!?」


タヌキが胸を張りました。


「山のみんなだよ!」


黒ツルたちが一斉に襲いかかります。


しかし。


動物たちも負けていません。


巨大梟が風を起こし、


狐たちが黒葉を噛み砕き、


鹿たちがツルを蹴散らします。


紅葉の嵐。


黒い葉。


山全体が戦場になりました。


その中で、


山神が巨大な角を振り上げます。


ドゴォォォン!!


枯れ樹へ一直線。


しかし――


ギロリ。


枯れ樹の目が赤く光りました。


次の瞬間、


地面から超巨大な黒ツルが出現。


山神の足へ巻きつきます。


ズズズズ!!


山神が苦しそうに咆哮。


『グォォォ!!』


サヨが叫びました。


「山神さま!」


黒ツルはどんどん広がり、


巨大な体を締め上げていきます。


しかも――


山神の紅葉の角が、


少しずつ黒く染まり始めました。


ショウタが青ざめます。


「やばい!! 山神まで侵食される!!」


すると。


枯れ樹の巨大な目が、


ピースケを見ました。


ギロリ。


そして――


木なのに笑ったのでした。

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