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紅葉狩り その3

ゴォォォォ……。


山頂から吹き下ろす風が、


森を大きく揺らしました。


赤い紅葉が空を埋め尽くします。


ショウタは完全に固まっていました。


「で、でか……。」


サヨもぽかん。


「山と同じくらいある……。」


巨大な影はゆっくり立ち上がります。


長い角。


金色の目。


まるで山そのものが生きているみたいでした。


巨大鹿は震えながら後ろへ下がります。


タヌキはピースケの羽にしがみつきました。


「怒ってるよぉ!」


すると――


山頂から声が響きます。


『……誰だ。』


低く、


重い声。


空気そのものが震えました。


ショウタが小声。


「山がしゃべった……。」


巨大な存在は、


ゆっくりこちらを見下ろしています。


その目には怒り。


でも――


どこか悲しさもありました。


ピースケは静かに前へ出ます。


「こんにちはぁ。」


ショウタが慌てました。


「挨拶から入るの!?」


しかし。


山神は少し目を細めます。


『……大きな鳥。』


風が吹きました。


紅葉が渦を巻きます。


『なぜ山へ入る。』


タヌキが震えながら叫びました。


「みんな山を助けに来たんだよ!」


山神の目が揺れます。


『助ける……?』


その瞬間――


ドクン。


山全体が脈打つみたいに揺れました。


サヨが胸を押さえます。


「今の何……?」


クロノワールが顔をしかめました。


「山の奥に何かいる。」


すると。


地面の裂け目から、


黒いモヤが漏れ始めます。


ゴォォォ……。


ショウタが嫌な顔。


「うわ、絶対良くないやつ。」


巨大鹿も苦しそうに鳴きました。


山神は低い声で言います。


『山が腐り始めている。』


静寂。


『紅葉が終われば、この山は死ぬ。』


サヨが息をのみました。


「そんな……。」


タヌキは半泣きです。


「最近ずっと変だったの!」


「木が枯れて、動物たちも逃げちゃって……!」


そのとき。


地面から黒いツルのようなものが飛び出しました。


ビシィッ!!


ショウタの足に巻きつきます。


「うわぁぁぁ!?」


そのツルには、


黒い葉がびっしり生えていました。


しかも動いている。


気持ち悪い。


ベルフェルが即座に炎パンを投げます。


ドゴォン!!


ツル爆発。


ショウタ解放。


「毎回パン火力高すぎる!!」


しかし。


地面の裂け目から、


さらに大量の黒ツルが伸びてきました。


森の木々へ絡みつき、


紅葉を黒く染めていきます。


サヨが叫びました。


「紅葉が枯れてく!」


山神が苦しそうに咆哮します。


ゴォォォォ!!


その声で山が揺れました。


巨大な角から、


赤い葉が大量に散ります。


でも。


葉は途中で黒く変色していきました。


ショウタが青ざめます。


「感染してる……。」


魔王が低く言います。


「山の核が汚染されているな。」


「また核ぅぅ!?」


その瞬間――


山頂の奥。


森の中心から、


巨大な黒い木が姿を現しました。


ドクン。


ドクン。


まるで心臓。


枝は空を覆い、


黒い葉を降らせています。


そして幹には、


巨大な“目”がついていました。


ギロリ。


ショウタ、絶望。


「木まで目ついてるぅぅぅ!!」

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