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87/2010

紅葉狩り その1

時は流れ――秋。


山は赤や黄色に染まり、


村にも涼しい風が吹いていました。


今日はみんなで紅葉狩りです。


ピースケは巨大なリュックを背負い、


山道をのんびり歩いていました。


カサッ、カサッ。


落ち葉を踏む音が響きます。


サヨは目を輝かせました。


「見て! 真っ赤!」


山いっぱいの紅葉。


赤。


黄色。


オレンジ。


まるで山が燃えているみたいです。


ショウタは感動していました。


「うおー……これはすごい。」


しかし次の瞬間。


ツルッ。


「うわぁっ!?」


落ち葉で滑って転倒。


ゴロゴロゴロ!!


坂を転がっていきました。


サヨが叫びます。


「ショウター!?」


ピースケがあわてて追いかけます。


「大丈夫ですかぁ!」


数秒後。


ショウタは落ち葉の山に突き刺さっていました。


「……秋つよい。」


クロノワールが小さくため息。


「弱い。」


ベルフェルはなぜか山でもパンを焼いています。


『焼き栗パン』 『紅葉あんぱん』


エリシアがじっと見ました。


「どこで窯を?」


「気合い。」


「説明になってません。」


そのとき。


山の奥から、


コン……コン……と音が聞こえてきました。


サヨが耳をすませます。


「何の音だろ?」


ピースケも首をかしげました。


すると――


ガサガサッ!!


茂みから何かが飛び出してきます。


ショウタが飛び上がりました。


「うわぁ!?」


現れたのは――


小さなタヌキ。


でも普通じゃありません。


頭に赤い落ち葉を乗せています。


しかも二本足。


そして。


タヌキはピースケを見るなり叫びました。


「でっかいニワトリだぁぁ!!」


全員停止。


ショウタがゆっくり聞き返します。


「……しゃべった?」


タヌキはハッと口を押さえました。


「しまった。」


サヨが目をキラキラさせます。


「かわいい!!」


しかしタヌキは急に慌て始めました。


「たいへんなんだ!」


ピースケが優しく聞きます。


「どうしましたぁ?」


タヌキは山の奥を指差しました。


「山神さまが怒ってる!」


その瞬間――


ゴォォォ……。


山の奥で風がうなりました。


赤い紅葉が一斉に舞い上がります。


ショウタが青ざめます。


「嫌な予感しかしない。」


すると。


ドォォォン!!


山の奥で巨大な木が倒れました。


鳥たちが一斉に飛び立ちます。


タヌキは半泣き。


「このままだと山がめちゃくちゃになるよぉ!」


サヨがピースケを見ました。


ピースケは静かにうなずきます。


「行きましょうか。」


ショウタが叫びました。


「紅葉狩りが毎回イベントになるのなんなのぉぉ!!」

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