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砂金探し その12

岩の巨人――“鉱山喰らい”が、


ゆっくり一歩を踏み出しました。


ドゴン。


その瞬間。


地面から伸びた黒い根が、


町の金色を吸い取っていきます。


金塊ひまわり、


しゅるるる……。


巨大金キノコ、


ぺしゃん。


白もふの金ぴか毛並みも、


半分くらいただの白へ戻りました。


『しょんぼり仕様……』


ショウタ。


「そこ気にする!?」


しかし。


町の人々は笑えません。


空気が冷たい。


山全体が、


“空っぽ”な感じ。


サヨが小さくつぶやきました。


「……悲しい音がする」


クロックもうなずきます。


『枯竜脈は“循環停止状態”です』


『流れが止まった山は、奪うことでしか存在できません』


ショウタ。


「また“独り占め”問題か……」


黄金龍は、


鉱山喰らいをじっと見ています。


『昔は、あの山も歌ってた』


静寂。


鉱山喰らいの目が揺れました。


『……歌?』


黄金龍。


『水も、石も、人も』


『みんな流れてた』


『でも掘りすぎた』


黒い根が、


びくっと震えます。


『……止まった』


『全部、消えた』


町の人たちも、


うつむきました。


ガンテツのおじさんが苦しそうに言います。


「昔の鉱夫たちは……」


「掘れば掘るほど豊かになるって思ってた」


「止められなかったんだ」


ショウタ。


「うわ……」


そのとき。


白もふが、


しおれた金塊ひまわりを持って、


鉱山喰らいの近くへ歩いていきました。


ショウタ絶叫。


「危ない!!」


でも。


白もふは、


ただ花を差し出します。


『あげる』


静寂。


鉱山喰らい停止。


『……なぜ』


『だって元気ない』


ショウタ。


「白もふの会話、毎回シンプルすぎる」


すると。


しおれたひまわりが、


ほんの少しだけ光りました。


ぽっ。


鉱山喰らいの黒い体にも、


小さな金色の線が入る。


巨人が、


わずかに目を見開きました。


『……あたたかい』


ピースケが、


ゆっくり前へ出ます。


「いっぱい取るだけだとぉ。」


「流れが止まっちゃうんですねぇ。」


「でもぉ。」


ピースケは、


空に舞う金色の綿毛を見上げました。


「分け合えば、また流れますぅ。」


静寂。


クロックが、


突然ハッとします。


『……そうか』


メカリン。


「何かわかったんですか!?」


クロックは地図を広げました。


『カラノ鉱山の地下には、古い水脈があります』


『もし竜脈と再接続できれば――』


黄金龍が続けます。


『山はまた歌える』


ショウタ。


「歌う基準が独特!」


しかし。


問題がありました。


メカリンが指をさします。


「水脈までの道、全部崩れてる!」


「しかも枯竜脈の根が邪魔!」


黒い根は、


まるで山を閉じ込める鎖みたい。


鉱山喰らいも苦しそう。


『……戻り方、わからない』


静寂。


すると。


小型ドリル軍団が、


突然整列しました。


ぶいーん。


『掘削任務』


『通路作成』


『山をつなぐ』


ショウタ。


「お前ら急に頼もしい!」


メカリンも目を輝かせます。


「いけます!」


「今度こそ正しい掘削です!!」


ショウタ。


「フラグっぽい言い方するな!」


その瞬間。


黄金龍が、


空へ向かって大きく吠えました。


ゴォォォォ!!


金色の光が山脈全体へ広がります。


星川ヌシも川を走る。


夜の龍が空を巡る。


そして――


黒い山の奥から、


かすかに。


本当にかすかに。


“水の音”が聞こえました。

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