空の大陸 その3
静寂。
空の大陸スカイラッドが、
ゴゴゴ……と不安定に揺れています。
赤い警報光。
崩れる建物。
逃げ惑う人々。
でも。
ピースケだけは、
塔の奥をじっと見つめていました。
「……さみしくて暴れてる感じですねぇ。」
ショウタ絶叫。
「エンジンに感情あるの!?」
メカリンはハッとします。
「……まさか。」
クロックが時計を見ながら分析。
『空石エンジンは、古代文明の半生体機関です』
『感情反応型の可能性があります』
ショウタ。
「説明されても怖い!」
夜の龍が空を旋回します。
『コノママデハ墜チル』
巨大猫も珍しく真面目。
『急げ』
その瞬間――
塔から、
真っ赤な光の触手が飛び出しました。
バギィィン!!
空中の橋を破壊。
建物を巻き込みながら、
こちらへ伸びてきます。
メカリン絶叫。
「うわぁぁ! 暴走モードです!!」
ショウタ。
「穏やかな名前じゃない!!」
ピースケは風でみんなを包みました。
ふわっ。
触手を回避。
しかし。
塔の中心から声が響きます。
『いやだ』
『落ちたくない』
『ひとりになりたくない』
静寂。
サヨが胸を押さえました。
「……怖がってる」
メカリンが悔しそうに唇を噛みます。
「私、直そうとしてたんです」
「でも全然うまくいかなくて……」
「“部品”としてしか見てなかった」
ショウタが塔を見上げます。
「つまり……」
ピースケはこくり。
「話を聞いてほしいんですねぇ。」
ショウタ。
「毎回対話ルート!?」
でも。
そのとき。
塔の上部が開きました。
ゴゴゴゴ……。
中から現れたのは、
巨大な“赤い鳥”。
空石でできた翼。
燃えるみたいな羽。
でも目は不安そう。
ショウタ、ぽかん。
「エンジン鳥ぃぃ!?」
赤い鳥は叫びます。
『守らなきゃ』
『落としちゃだめ』
『でも怖い』
その翼が暴走。
赤い嵐が空を裂きます。
空の大陸がさらに傾く。
人々悲鳴。
メカリンが涙目。
「ごめんね……!」
「ずっと働かせてばっかりだった……!」
赤い鳥が揺れました。
『……ほんと?』
ピースケは前へ出ます。
ショウタ即反応。
「また近い!」
でも。
ピースケは銀のスプーンをそっと掲げました。
すると。
ふわぁ……っと、
温かい匂い。
永遠のシチューの香り。
赤い鳥がぴたりと止まります。
『……あったかい』
ピースケは笑いました。
「少し休みませんかぁ?」
静寂。
空を吹く風が、
少しやさしくなります。
でもその瞬間――
クロックが青ざめました。
『まずい!』
ショウタ。
「今度は何!?」
クロックは空を指差します。
スカイラッドのさらに上空。
雲の向こう。
巨大な黒い影。
円盤みたいな形。
しかも、
ものすごい数。
夜の龍が低くうなりました。
『……空喰イ』
メカリンの顔が真っ白になります。
「うそ……!」
「“空食い艦隊”!?」




