空の大陸 その2
ボォォォォォ!!
猛烈な爆風。
地面が一気に遠ざかります。
ショウタ絶叫。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
白もふは楽しそう。
『飛んでるー!!』
巨大猫はしっぽをばたつかせています。
『聞いてない』
メカリンは半泣き。
「ご、ごめんなさーーい!!」
ロケット装置は完全暴走。
火花を散らしながら、
空へ一直線。
雲を突き抜けます。
バシュゥゥゥ!!
そして――
雲の上へ。
そこに広がっていたのは、
まるで別世界でした。
夕焼け色の空。
巨大な浮遊岩。
空を泳ぐ魚。
そして遥か前方には――
崩れかけた“空の大陸スカイラッド”。
ショウタ、
空中で半泣き。
「うわぁぁ……すげぇ……」
サヨも目を輝かせます。
「きれい……!」
でも。
スカイラッドはかなり危険な状態でした。
島の端が崩れている。
建物が傾いている。
しかも。
島全体が、
少しずつ下へ落ちている。
クロックが真顔。
『重力制御機構が停止しています』
メカリンがうなずきます。
「はい!」
「あの島は、“空石エンジン”で浮いてるんです!」
ショウタが聞き返します。
「空石?」
メカリンは工具を振り回しながら説明。
「空に浮く特殊鉱石です!」
「でもエンジンが止まってぇ!」
「整備班も逃げちゃってぇ!」
「私しか残ってなくてぇ!」
「なのに暴走してぇ!」
ショウタ。
「最後お前のせい!!」
その瞬間――
ガゴォン!!
空の大陸が大きく揺れました。
建物が崩れる。
空の魚たちが逃げ回る。
遠くから人々の悲鳴。
『落ちるぞー!!』
『支柱が限界だ!!』
夜の龍が低くうなります。
『急グ必要ガアル』
しかし。
そのときでした。
スカイラッドの中心部。
巨大な塔の上で、
“何か”が光ります。
真っ赤な光。
危険な警報みたいな明滅。
メカリンの顔色が変わりました。
「まずい……!」
「あれ、“コア”です!!」
ショウタ。
「コア?」
メカリンは青ざめながら叫びます。
「空石エンジンの心臓部!」
「暴走したら――」
ドゴォォォォン!!
巨大爆発。
赤い衝撃波が空へ広がりました。
スカイラッド全体が、
ガクンッ!!と急降下。
ショウタ絶叫。
「落ち始めたぁぁぁ!!」
そのとき。
ピースケの銀のスプーンが、
また温かく光りました。
ふわぁ……。
すると。
暴走する赤い光の中から、
かすかな声が聞こえます。
『……たすけて』
静寂。
ピースケが目を細めました。
「……泣いてますねぇ。」
メカリンが息をのみます。
「え?」
ピースケは、
暴走する塔を見つめながら言いました。
「このエンジン、“ひとりぼっち”ですぅ。」




