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賢者の埋蔵金 その16

箱の中。


ぽつんと置かれた、


“逆さまのティーカップ”。


白い陶器。


小さなヒビ。


どう見ても普通。


ショウタ、完全停止。


「…………は?」


サヨも困惑しています。


「これが……世界をひっくり返す宝?」


トンネル博士は震えながらメモ。


「伝説級遺物……!」


白もふはカップをのぞき込みました。


『飲みにくそう』


「そこ!?」


巨大亀は静かに言います。


『その杯は、“見方を逆転させる杯”』


クロックが目を細めました。


『認識変換系の古代遺物……』


ショウタが頭を抱えます。


「説明が難しい!!」


エルドランが咳払いしました。


『簡単に言うとじゃな』


『“当たり前”をひっくり返す宝じゃ』


静寂。


その瞬間――


白もふが、


うっかりカップを持ち上げました。


くるっ。


ティーカップが正しい向きになった瞬間。


カァァァァァ!!


部屋全体が光ります。


ショウタ絶叫。


「触ったぁぁぁ!!」


次の瞬間――


世界が、


“反転”しました。


ドォン!!


巨大亀が小さい。


白もふが巨大。


ショウタの声だけ低音。


『うわぁぁぁ!?』


しかも。


空気が水みたいに流れている。


重力も変。


サヨが目をぱちぱち。


「えっ、えっ!?」


ピースケだけ普通。


「おお、逆ですねぇ。」


クロック、小声。


『なぜ適応できるんですかこの鳥』


巨大白もふが慌てています。


『ちっちゃいみんな踏みそう!!』


ショウタは低音で叫びます。


『声まで変ぃぃ!!』


巨大猫は逆に、


めちゃくちゃ小さくなっていました。


『……屈辱』


サヨは空を泳ぐみたいに浮いています。


「これどうなってるの!?」


巨大亀が説明しました。


『杯は、“固定された認識”を反転する』


『大きい小さい』


『上と下』


『強い弱い』


『全部が入れ替わる』


そのとき。


トンネル博士が、


ふらっと笑い始めました。


「すごい……!」


「つまり!」


「価値観そのものをひっくり返せる!!」


静寂。


エルドランが真顔になります。


『だから危険なんじゃ』


博士の目が、


ちょっと怪しく光りました。


「もしこの杯を使えば……」


「世界の支配者と一般人を逆転できる」


「弱者と強者を入れ替えられる!」


ショウタが青ざめます。


「おいその顔やめろ!!」


博士はティーカップへ手を伸ばしました。


「これは歴史を変える力だ!」


その瞬間――


迷宮全体が揺れました。


巨大亀が低くうなります。


『欲望に反応した』


杯が、


黒く光り始めます。


カァァァ……。


サヨが叫びました。


「まずい!」


すると。


空間がさらに反転。


地面が液体化。


壁が空へ変わる。


コンパスたち大混乱。


『方向が概念になったぁぁ!!』


ショウタ絶叫。


「意味が分からん!!」


そして。


黒く染まり始めたティーカップから、


ゆっくり“何か”が立ち上がりました。


それは、


人の形をしています。


でも顔がない。


逆さま。


揺らいでいる。


そして低い声で言いました。


『……もっと、ひっくり返したい?』

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