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賢者の埋蔵金 その12

『……だ、誰か』


『天井が……下なんだ……』


迷宮の奥から聞こえる、


ものすごく困っている声。


ショウタが頭を抱えます。


「状況説明がすでに難解!!」


サヨは逆さの通路をのぞき込みました。


迷宮の中は、


完全に上下感覚が狂っています。


階段が横向き。


廊下が途中でねじれている。


しかも、


天井側に家具がくっついていました。


白もふが感心。


『住みにくそう』


「そこ!?」


ピースケは風でふわっと浮きながら、


奥へ進みます。


「助けに行きましょうかぁ。」


ショウタ即反応。


「軽いなぁ!!」


ダイチモグラが真面目な声で言いました。


『気をつけろ』


『この迷宮は、“混乱”を食べる』


静寂。


ショウタ、停止。


「またヤバい性質増えた。」


クロックが説明します。


『上下感覚や方向感覚が乱れるほど、迷宮が成長するタイプです』


ショウタ絶望。


「最悪ぅぅ!!」


トンネル博士はメモを取り始めました。


「素晴らしい生態系!!」


「楽しそうだなお前!!」


そのとき。


迷宮の壁が、


ぐにゃりと動きました。


通路の向きが変わる。


床だった場所が壁になる。


ショウタが転がります。


「うわぁぁ!?」


巨大猫はしっぽで全員を支えました。


『……落ち着け』


夜の龍も星の翼を広げます。


『空間ガ歪ンデイル』


でも。


ピースケだけは普通に歩いていました。


ショウタが叫びます。


「なんで平気なんだよ!?」


ピースケは首をかしげます。


「風って、もともと上下ないですからねぇ。」


クロック、小声。


『また意味不明耐性……』


迷宮の奥。


コンコン。


また音。


『だ、誰かぁ……』


『三日くらい逆さまなんだ……』


サヨが青ざめます。


「早く助けなきゃ!」


一行は迷宮を進みます。


途中、


逆さの滝。


横向きの橋。


天井を泳ぐ魚。


完全にカオス。


ショウタは半泣き。


「情報量が多い!!」


すると突然――


目の前の通路が開き、


巨大な空間へ出ました。


中央には、


逆さまにぶら下がる“家”。


しかもその煙突から、


普通に煙が出ています。


ショウタ、ぽかん。


「……生活してる?」


窓がガタッと開きました。


そして中から、


ボサボサ頭の青年が顔を出します。


上下逆さまのまま。


『た、助けてぇぇぇ!!』


サヨが叫びます。


「人いた!」


青年は涙目でした。


『迷宮が回転した時、取り残されたんだ!』


『もうどっちが上か分かんない!』


ショウタがツッコミ。


「見てるこっちも分かんない!!」


その瞬間――


迷宮全体が、


ゴゴゴゴ……と唸り始めます。


ダイチモグラが目を細めました。


『……来るぞ』


静寂。


サヨが聞き返します。


「何が?」


次の瞬間。


壁が割れ、


そこから大量の“目玉付きコンパス”が飛び出してきました。


『方向を失えぇぇぇ!!』


ショウタ絶叫。


「しゃべったぁぁぁ!!」

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