8月
赤→赤羽 才律 アカバ サイリツ
山→山口 賢蒼 ヤマグチ ケンソウ
麗→阿比留 麗 アビル ウララ
茜→上地 茜 ウエチ アカネ
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↑の続きです。
8月15日 日曜日
山「次は何食べる?チョコバナナ?焼きソバ?」
茜「んー、あ!りんご飴だ!」
山「りんご飴今買ったら、これ以外食べれないよ」
茜「そっかぁ・・・じゃあまずあそこで売ってるラムネかな!」
赤「・・・」
麗「・・・お待たせ」
赤「ああ・・・似合うな、浴衣」
麗「ありがと」
赤「・・・盆踊り、行くって伝えてなかったけどな」
麗「まぁね」
山「ビー玉いる?」
茜「小学生じゃないんだから」
山「じゃあ、そのビー玉くれよ」
茜「小学生だったか」
赤「随分久しぶりに来たな」
麗「私は去年も来た」
赤「へぇ」
麗「射的でもする?」
赤「ははっ、隻眼の俺に言うか?それ」
麗「うん。勝負しようよ」
赤「悪くないな」
山「1口いる?」
茜「・・・普通さ、あーんとかやるんじゃない?」
山「やってほしいのか?」
茜「うるさい!」
山「あーん」
茜「・・・あ」
山「どう?」
茜「ん・・・今までで1番おいしいかも」
山「だよなぁ!マジこの焼きソバ超旨い!」
茜「・・・ばーか」
赤「まぁ、当たらんわな」
麗「おかしい。絶対当たってた」
赤「ま、引き分けで手を打とうぜ」
麗「ん」
赤「・・・」
麗「・・・ねぇ」
赤「なに?」
麗「・・・赤羽の目の話、聞いてもいい?」
赤「断ったら?」
麗「・・・・・・聞かない」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・あそこにラムネ、売ってるぜ」
山「あ、赤羽たちだ」
茜「よかったぁ」
山「・・・そっとしておくか」
茜「うんうん」
山「じゃ、俺らは射的しよーぜ」
麗「乾杯」
赤「ああ」
麗「・・・ラムネとソーダの違いって知ってる?」
赤「ああ。ビー玉の有無だろ」
麗「・・・」
赤「じゃあ、俺からの問題だ。俺が見えてない目は、どっちだ?」
山「ふぅ、やっと取れたよ」
茜「・・・射的に4000円も使わないでよ」
山「はっはっは、このぬいぐるみはこの夏の思い出として部屋に置くんだ」
茜「まったく。そろそろ花火が上がるよ」
山「こっちこっち、いい場所知ってるんだ」
茜「さっすが!」
麗「・・・左」
赤「ははっ、外れだ」
麗「・・・」
赤「・・・・・・俺が8歳の時さ、交通事故に遭ったんだ」
茜「ほんとにこんな場所で見れるの?」
山「こっちだよ」
茜「えぇ・・・立ち入り禁止だよ」
山「ふっふっふ、これは俺と赤羽が勝手に置いたものだ」
茜「・・・」
山「さ、レッツゴーレッツゴー」
赤「な、つまんない話だろ?」
麗「・・・」
茜「なんでわざわざこんな木に登るの?」
山「ここが1番よく見えるんだよ」
茜「・・・やだ」
山「・・・赤羽たちが来たら、気まずいだろ」
赤「・・・俺が悪かった」
麗「・・・うん」
茜「まさか高2で木登りするとは思わなかったなぁ」
山「ま、そろそろ始まるよ」
茜「うん」
麗「・・・私も、わかったきになってた」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「・・・着いてきて」
茜「ちょっと、ちょっと!何寝てるの?」
山「・・・やっべ、始まる?」
茜「違う!赤羽と麗ちゃん来たよ!」
山「!」
赤「・・・」
麗「・・・」
赤「綺麗だな」
麗「・・・月は、見えないね」
赤「・・・っ、見えなくても、きっと綺麗さ」
麗「・・・うん」
8月16日 月曜日
茜「・・・」
麗「・・・」
茜「どうだったかなんて、聞かないよ。どーせよかったんでしょ」
麗「あはは」
山「・・・」
赤「・・・殺せ」
山「・・・写真、いるか?」
赤「焼き捨てろ!」
8月17日 火曜日
麗「・・・っ・・・ふぅ」
山「・・・何やってんだ」
麗「!」
山「はよ入れよ。赤羽待ってんぞ」
麗「・・・」
山「・・・早くしろ。暑いんだよ」
麗「・・・っ!」
赤「・・・いらっしゃい」
8月18日 水曜日
茜「2人の初対面ってどんな感じなの?」
山「俺が落としたハンカチを拾ってくれたんだよ」
赤「ああ。その時はまだ両目が見えてたんだよね」
麗「・・・触れにくいよ。そのジョークは」
茜「・・・よ、よく覚えてるね」
山「だってコイツ拾った後にこう言ったんだぜ!『人の物を持ち歩くのはよくないよ』って。馬鹿にしすぎだよね!」
赤「お前みたいな洟垂れ小僧がハンカチを持ってるとは思ってなかったんだよ」
麗「ふふっ、口が悪いのは小学生から変わらないんだね」
赤「ああ。誇りに思ってるからな」
山「何誇ってんだ!空気清浄機のボタンはどこだ!」
8月19日 木曜日
赤「・・・いらっしゃい」
麗「うん」
赤「何飲む?アイスコーヒー?」
麗「ジュースって、あるかな?」
赤「・・・ジンジャーエールくらいならな」
麗「ふふっ・・・次の月曜日、空いてる?」
8月20日 金曜日
山「お疲れさん」
茜「・・・もう、ヘロヘロ。体育館暑すぎるよ」
山「明日の試合、自信ある?」
茜「もっちろん!」
8月21日 土曜日
赤「・・・どうせ勝っただろ。コンビニ行ってくる」
麗「・・・そうだね、風呂入ってくる」
山「見ろ!俺の彼女を!」
赤「死ね」
麗「・・・」
山「ほら!また決めた!もう19点目だぞ!」
麗「・・・よくあんな身軽に飛べるなぁ」
赤「・・・俺も、球技してみたいな」
麗「なん・・・そっか」
赤「ああ。距離感が掴めなくて突き指しまくるんだ」
8月22日 日曜日
山「ハイ、乾杯!」
茜「かんぱーい!」
麗「乾杯」
赤「ん」
麗「全勝、おめでとう」
茜「えへへ、ありがと」
山「すごかったな!上地!」
茜「やだな、褒め過ぎだよ」
山「いやぁ、見てる俺まで嬉しくなるよ!」
赤「はっ、惚気が」
山「おっと?おっと?僻みか?」
赤「表出ろ。アジの開きみたいにしてやる」
麗「すぐ喧嘩するんだから」
茜「あ、小エビのサラダ来たよ」
山「ん、俺だ」
赤「なに瀟洒なメシ食ってんだよ。雑草にチョレギかければ満足するくせに」
山「なんだと!」
茜「はいはい!喧嘩はおしまい!」
8月23日 月曜日
麗「お待たせ」
赤「ああ、おはよう。今日の予定は?」
麗「お勉強会をしようよ」
赤「帰らせていただこう」
麗「判断が早いよ」
赤「カレンダー見ようぜ、まだ8月だ。今お勉強したら何かしらの発作で死ぬ」
麗「さ、喫茶店行こ」
赤「聞いちゃいねぇし」
赤「んで、これがかの有名な、日独伊三国同盟。国名の説明はいる?」
麗「日本、ドイツ、イギリス。漢字見ればわかるよ」
赤「英国紳士が聞いたら泣くぞ。日本は第一次世界大戦でドイツの敵として戦ったくせに、第二次ではいきなり味方になってる。ドイツは色々となりふり構えないほど、ヤバかったんだ」
麗「ふーん」
赤「ちなみに、なんでヒトラーはユダヤ人を迫害したと思う?」
麗「国民の負担を減らすため?」
赤「それもあると思うけど、俺的には、共通の敵を作りたかったんじゃあないかなって考える。ナチスにヘイトが向かないようにってね」
麗「考えたこともなかったな」
麗「んーと、赤羽のレベルがわかんないんだよね。手を使った法則って何知ってる?」
赤「んー、右ネジの法則とシュトレミングの法則だったっけ?」
麗「アンペールの法則と、フレミングの左手の法則だね。シュトレミングはニシンの缶詰だよ」
赤「使い方は知らん。美味しく食べる方法もな」
麗「・・・結構初歩の知識なんだけどなぁ」
赤「テストで出てくる磁界とか電流の向きとか、ニブイチで当たるからな」
麗「・・・私、赤羽にテスト負けたことあるの恥じるべきかな」
赤「おい」
赤「・・・もういいだろ。疲れた」
麗「だから、違うって。赤シャツはやなやつだけど、悪い奴じゃないって」
赤「俺はうらなり、結構好きだからどうもその意見は受け入れられない」
麗「ただちょっとだけ利己的なんだよ」
赤「それを悪い奴っていうんだろ」
麗「今日はお疲れ様」
赤「・・・まさか8時間拘束されるとはな」
麗「これで、次のテストでいい勝負できそう」
赤「はっ、また何か賭けるか?」
麗「じゃ、私が勝ったら呼び捨てで呼んで」
赤「・・・いいぜ、乗った。俺が勝ったら次の文化祭のミスコンに出て」
麗「え」
8月24日 火曜日
茜「おはよー!」
山「知らねーよ!誰だルーズベルト!」
赤「いくらお前の頭がルーズでも、これくらい覚えとけ!」
山「んだとゴラァ!」
麗「ルーズベルト大統領だよ。ニューディール政策とかした人」
山「なにそれ?ニューディール?」
茜「あ、世界恐慌の話か。テスト範囲だもんね」
赤「・・・大前提、なんで第二次世界大戦が起きた?」
茜「はい!」
赤「はい上地さん」
茜「ドイツがポーランドに侵攻したから!」
赤「合ってるけど、俺が聞きたいのはそれじゃあない。じゃあ、なんでドイツは侵攻する必要があったの?」
茜「え?賠償金の支払いじゃない?」
赤「賠償金の支払いだとしても、なんで侵攻する理由が必要なんだ?」
茜「・・・わかんない」
山「はい!」
赤「はい山口」
山「戦争はビジネスだから!」
赤「不思議と割と正しいんだよな」
山「え」
赤「んーまず、世界恐慌が起きたとき、それぞれの国は何をした?」
麗「はい」
赤「はい山口」
山「え」
麗「私が手上げたんだけどな」
赤「じゃあ、阿比留さん」
麗「アメリカはニューディール、イギリスとかはブロック経済」
赤「正解だ。アメリカはこの恐慌を国民に仕事を与えて経済を回復させたんだ」
山「ブロック経済って?」
赤「ブロック経済は植民地を持つ国が、自国で作れない物を植民地で作らせて、それを使うことで輸入を減らしたんだ。輸入が減るってことは?」
茜「お金の消費が減る!」
赤「正解だ。だから、日本もドイツも、植民地の獲得が必須となったわけだ。だから、ドイツはポーランドに侵攻した。OK?」
麗「・・・舌を巻く説明だね」
8月25日 水曜日
赤「~♪~~♪」
山「お前、ほんとにグリーンデイ好きだな」
赤「いいバンドだろ」
茜「あ、このバンドグリーンデイって言うんだ。ちょこっと気になってたんだよね」
赤「割と有名なんだけどな」
麗「この曲の名前は?」
赤「マイノリティ」
山「自覚があるのはいいことだ」
赤「犬カスが。野垂れ死ね」
山「おいゴラ」
女「あ!やっぱやってるよ!この店」
女「ほんとだ!気になってたんだよね!」
女「おじゃましまーす!」
赤「・・・いらっしゃい」
山「・・・」
茜「・・・知人?」
赤「全く」
女「お兄さん、メニューある?」
赤「ない。何が飲みたい?」
女「え!そんな感じなの!」
女「ヤバくない!名店だったりしない!」
女「え?幾らぐらい?」
赤「ただのコーヒーなら120円。ラテは200円。マキアートとかは300円」
女「じゃあ、ほうじ茶ラテは?」
赤「300円」
女「カプチーノ!」
赤「200円」
女「え?ジュースは?ジュースある?」
赤「ない」
麗「・・・」
女「じゃ、私もほうじ茶ラテで」
赤「はいはい」
山「・・・手伝うか?」
赤「や、いい」
女「お兄さん写真いい?」
赤「店のか?」
女「や、お兄さんの写真」
赤「・・・構わんよ。ピースでいいの?」
女「話分かるじゃん!」
女「はい、ちーず!」
女「わ、いい写真!」
女「待ってwwwウチw目瞑ってるんだけど」
女「待ってww死ぬww」
赤「・・・ほら、お待たせしました」
女「可愛いぃー!」
女「これ絶対ストーリーあげよ」
女「お兄さん、この店の名前は?」
赤「スケープゴート」
茜「初めて知った」
山「実は俺も」
女「うま!甘!」
赤「そりゃなによりだ」
女「なんか食べ物は売ってます?」
赤「・・・今は在庫がないな」
女「えー残念んー」
赤「はっ、食べたかったらまた来てね」
女「お兄さん商売上手ー!」
女「ごちそーさま!」
女「じゃ!私たちテス勉でカラオケ行くから」
女「来る?おにーさん」
赤「結構だ」
女「ばいばーい!」
女「また来まーす!」
赤「・・・」
麗「・・・」
山「・・・」
茜「・・・嵐かなんかかな」
赤「はぁ。香水臭い」
8月26日 木曜日
赤「なんで今日から学校始まんだよ」
山「まったくだ。センスがねーぜ」
赤「しかも来週テストだろ?」
山「やる気でねーぜ」
赤「・・・なぁ、並んでないか?」
山「野良猫でもいんだろ」
赤「野良猫かぁ。俺も写真撮ったろかな」
山「・・・や、猫はいなさそう。てか、お前の店に並んでないか?」
赤「・・・すみません、これはどういう列ですか?」
男「え?このスケープゴートって喫茶店ですよ」
山「・・・あなたも?」
女「そうですよー」
赤「・・・」
山「・・・」
赤「すみません、通りますね。はいごめんなさいー」
女「ちょっと、抜かさないで!」
山「抜かすも何も店員だよ」
赤「入れ、山口」
山「・・・どういうことだ?」
女「開店ですか!?」
山「・・・クローズの字が読めないんか?不法侵入だぞ。出ろ」
女「す、すみません」
赤「何が起きてる?仕組んだか?」
山「何をだよ。メリットがないだろ」
赤「それもそうか」
山「・・・どうする?」
赤「どうするも何も、客ならもてなすだろ」
山「・・・俺も手伝おうか?」
赤「・・・大丈夫だ」
赤「いらっしゃい、お兄さん何飲む?」
女「私カプチーノ!」
男「メニューとかって」
赤「ない」
男「そうなんですね・・・ブラックで」
赤「アイスでいいのか?」
女「ねぇ!写真撮っていいですか?」
赤「勝手にしてくれ」
女「私キャラメルラテ!」
女「私も!」
女「私は抹茶ラテ!」
赤「・・・わりぃ、俺しか働いてないんだ!なに飲みたいか紙に書いて持ってきてくれ!コーヒーは100円!ラテとかは200円!それ以外は300円!飲み物以外は今日は出せない!」
赤「山口、すまないが並んでる人に豆がないからもう売れない、明日来てって言ってきてくれ」
山「ああ。任せろ」
赤「お客さんもお代わりはもうありません!また来てください!」
女「お兄さん、ピースして!」
女「ツーショットいいですか!?」
男「写真、撮ってもらっていいですか?」
赤「・・・」
山「・・・」
赤「・・・一体なんだったんだ。タモリがあのレミファソラとかやりながら語るのかよ」
山「・・・・・・随分お疲れだな」
赤「そりゃあな。はぁ、スーパー行くぞ。豆買わないと」
8月27日 金曜日
赤「・・・」
女「あ!店長さんだ!」
女「今からオープンですか?」
女「てか、その制服、あの高校じゃないですか!すごい!」
赤「・・・20分後に開けます」
赤「どうぞ。注文が決まったら各テーブルに置いてある紙とペン使って書いて、俺んところまで持ってきて。ここはコーヒーとかしか販売してません!食べ物は勝手に持ち込んで!料金は先払いです!」
女「はい!じゃ、お願いします」
赤「ほうじ茶ラテにココアね」
男「ん」
赤「・・・コーヒーが2つね・・・おい!先払いだ!」
女「ハイチーズ!」
男「盛れてる?あの店長よりかっこいい?」
女「どうかなー?」
女「これ」
赤「ココアと抹茶ラテとホットコーヒーね。600円」
麗「・・・赤羽」
赤「どうした?」
麗「大丈夫?手伝えることは?」
赤「・・・大丈夫だ。テスト勉強でもしてて」
男「あれ?店長さん彼女ですか?」
赤「・・・」
男「いい女じゃないですか!お姉さん、連絡先ください」
赤「黙れ。失せろ」
男「っ」
麗「・・・また学校で」
赤「ああ」
女「あの人彼女ですかぁー?」
女「ピースお願いします!」
赤「・・・並んでるんだ!長居は遠慮してくれ!」
8月28日 土曜日
茜『赤羽、スケープゴートバズってるよ』
赤『どういうことだ?』
茜『めんどくさい、電話していい?』
赤『今なら大丈夫』
茜「もしもし」
赤「なに?」
茜「だから赤羽の店バズってんだって。塩イケメンがひとりで回す喫茶店って。イケメンだって」
赤「喜ばねーよ。どういうことだ?」
茜「今なにしてるの?」
赤「スーパーに豆の買い出しだよ」
茜「この前来た3人組の1人が結構有名なインスタグラマーで、ストーリーにあげてたみたい」
赤「だからこんな客が来るのか」
茜「しかも赤羽の制服姿とか写真で撮られて何枚も回ってるよ」
赤「・・・クソっ」
茜「ねぇ、どうするの?月曜日からテストだよ」
赤「・・・オーナーに聞いてみる。あの店、一応俺の店じゃあないから」
茜「うん、何か手伝えることはある?」
赤「・・・や、大丈夫だ。勉強しててくれ」
茜「・・・うん」
赤「・・・Shit」
赤「いらっしゃい」
女「おじゃましまーす!」
女「お兄さんいくつ?」
赤「・・・17だ」
女「え!年下ボーイ!」
女「じゃ、仕事終わったらさ」
赤「結構です」
男「おい、このコーヒークソ旨いぞ」
女「ガムシロ入れすぎだってぇw」
男「ばーか、甘い方がいいんだよ」
赤「・・・っ、そこ!飲み残しは持ってこい!」
女「ちっ」
女「ねーおヒゲついてるよ」
女「このまま撮ってよ。映えるからさ!」
女「おにーさん、ちょっとストップ、ピースして!」
赤「・・・後でな」
女「きゃー塩すぎぃー!」
女「お兄さん彼女いるの?」
女「てか、名前なんですか!?」
赤「・・・西田だ」
女「西田さん、れ、連絡先ください!」
赤「無理」
女「ねぇ、そんな言い方なくないですか!せっかく勇気ふり絞ったのに!」
女「うぅ・・・っ、グスッ」
女「謝ってください!」
赤「・・・黙ってろ!用がないなら帰ってくれ!並んでんだ!」
女「なんでワンオペなんですか」
赤「なんだっていいだろ」
女「ピースお願いします!」
女「お兄さん、待ってよ!」
赤「ああぁっ、クソが」
8月29日 日曜日
赤「・・・」
女「あ!店長さんだ!写真お願いします!」
赤「勝手に撮って」
女「入っていいんですか?」
赤「・・・15分後までお待ちください」
赤「・・・はぁ。どーぞ」
女「この席が1番日の当たりがいい!」
女「席ゲット!」
女「カウンター席!やっと取れた!」
赤「・・・おい!注文しないなら帰ってくれ!」
女「なにそれ!こっちは客よ!」
赤「物を買ってから客だ!権利だけ主張するな!」
女「お兄さん、名前は?」
赤「松下だ」
女「松下さん、仕事が終わったら一緒にディナーに」
赤「行かない。またお越しください!」
女「お兄さん、彼女いるの?」
赤「いるからほっといてくれ」
女「え!どんな人ですか?」
女「やっぱ可愛いですか!?」
女「お兄さん!写真!写真!」
女「エアドロするんでスマホ貸してください!」
女「K‐POP好きなんですか!?いい曲ですよね!」
女「お兄さん!お代わり!」
女「インスタ乗っけていいですか!」
女「店員さん、かっこいいですね!」
女「え、待って、私の方向いてくれた」
女「超イケメンじゃん!」
女「彼女志望です!」
赤「・・・もう、豆がない!飲み終わったら帰ってくれ!」
赤『旦那、電話かけていいですか?』
オ『勿論』
オ「もしもし、どうしたんだい?」
赤「お疲れ様です。スケープゴートが大繁盛しているのはご存知ですか?」
オ「勿論。いいことじゃないか。なんだい、ボーナスが欲しいのか。しかたがないな。2万円だけだぞ。じゃあな」
赤「・・・クソが!舐めやがって!」
8月30日 月曜日
山「・・・お前、大丈夫か?」
赤「大丈夫だ」
山「そうは見えない。今からテストだぞ。勉強はしたのか?」
茜「ねぇ、本当に大丈夫?」
赤「・・・」
茜「私たちを頼ってよ」
赤「テスト期間なんだから、自分のために勉強してくれ」
山「月曜日は定休日だもんな」
赤「ああ。とにかく寝たい。泥のように」
麗「・・・テストの勝負」
赤「はっ、どうせ俺が勝つさ」
麗「・・・赤羽、今日のテスト終わったら一緒に来て」
赤「ん?構わんけど」
茜「ねぇ、どうだった?」
山「んーまあまあかな。地理と生物は苦手でもないし」
茜「赤点はなさそう?」
山「今日はね。明日の古典ヤバいかもなぁ」
茜「じゃ、またウチで勉強する?」
山「え?行っていいの?」
茜「いやぁ、ママが山口のこと気に入って、会わせろ会わせろうるさいんだよね」
赤「・・・どこに連れて行くんだ?」
麗「こっちだよ」
赤「・・・?どこだここ」
麗「茶道部の部室だよ」
赤「んなんあったんだな」
麗「おじゃまします」
赤「おじゃまします」
麗「シューズはそこで脱いでね」
赤「随分勝手知ったる感じだな」
麗「まぁ、いいでしょ。そこ座って」
赤「ん」
麗「よいしょっと。あったあった、ハイ、缶コーヒー」
赤「・・・」
麗「ここの顧問の先生は生徒の恋愛の場に使えるようにここは自由に出入りできるの」
赤「初耳だな」
麗「隣、座るよ」
赤「・・・近いぜ」
麗「赤羽、ホラ」
赤「なに?」
麗「肩貸すから、寝な」
赤「おはよ・・・っ!」
麗「あ、起きたの・・・いたたた、足が痺れたよ」
赤「わ、悪い。ヨダレとか垂らしてないよな」
麗「それは大丈夫。随分爆睡だったね。もう6時だよ」
赤「・・・7時間近く寝てたのか」
麗「どう?元気になった?」
赤「寝たら誰だって回復するさ」
麗「・・・」
赤「・・・はい」
麗「さ、帰ろ。送ってってよ」
赤「うだるように暑いな」
麗「赤羽、明日も店開くの?」
赤「ああ」
麗「・・・開かないで」
赤「・・・」
麗「・・・私さ、赤羽とのテストの勝負、楽しみにしてたんだよ」
赤「・・・」
麗「あの店が繁盛しても、赤羽にメリットはあるの?」
赤「・・・」
麗「ほとぼりが冷めて、4人の溜まり場になるまでそっとしとこうよ」
赤「・・・そうすっか」
麗「・・・うん!」
赤「じゃあな。今日は悪かった」
麗「気にしないで」
赤「・・・また明日」
麗「赤羽!」
赤「なに?」
麗「・・・っ、自愛してね」
赤「勿論。おやすみ」
8月31日 火曜日
茜「結局、店しばらく閉めるんだ」
赤「ああ。たまり場が無くなっちゃうのはごめんな」
山「まぁ、仕方がない。オーナーには言ってあるのか?」
赤「勿論。お前の管轄の店だから、好き勝手してくれってさ」
麗「うん、それがいいよ」
赤「はぁ。散々な目に遭ったぜ。このままじゃあ左目まで見えなくなっちまうところだった」
茜「笑いにくいよ!」
赤「んで、今日は現代文だけど、勉強したの?」
茜「まぁ、教科書読んだりとかはしたよ」
山「ジョジョ読み返してきた!」
麗「・・・はぁ。赤羽は?」
赤「国語の勉強とかしたことないな」
麗「・・・吠え面拝ませてもらうよ」
赤「はっ、やれるもんならな、阿比留さん」
麗「フン。来週からは阿比留呼びだからね」
赤「別に、麗でも構わんよ。どうせ勝つから」
麗「言ったな!」




