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側室物語  作者: 日暮
11/11

おめでたいことは祝いましょう。

 エレノア様の懐妊が正式に公表されました。



 懐妊の発覚から公表まで、しばらく日があけられました。医者や信頼のおける女官の手配などを行っていたのでしょう。

 正妃の初の懐妊に万全の体制をという意気込みが見られます。

 公表までに頻繁にエレノア様のもとを訪ねられるようになったリュシオン殿下や女官達の動きに疑問を持った側室方もいらっしゃったようですが、事実を突き止めるにまでは至らなかったようです。


 私はとうに知っていたので、女官長がエレノア様付きの女官を連れて部屋を訪ねてきた時、ちゃんと少し驚いた顔をした後に笑顔でお祝いの言葉をお送りしました。

 私は心からお祝い申し上げていますから。小耳に挟んだことですが、他の、ルンベンダルク公爵令嬢やニーゼット侯爵令嬢あたりは悔しそうな顔を隠していたそうです。

 前者は先に子供を産むことでかなり高い確率で正妃の座を狙える立場だからこそ特に悔しいのでしょう。

 どうしてもエレノア様より先に妊娠は出来る筈がなかったのですがね。



 さて、今までは控えていましたが、せっかく公表されたのですから今度お祝いの品をお贈りしましょうか。

 口に入れるものは時期も時期ですから避けた方が無難ですね。お食事などには気をつけていらっしゃると思いますし。

 万が一私が贈ったもので体調を崩されたりしたら目もあてられません。


 安産祈願は気が早すぎるでしょうか。

 家によっては男の子が生まれるように祈祷させるところもありますが、これは国の後継ぎ問題に直接関わる繊細な事項です。そんな事柄に一側室が手を出していいものではありません。

 反対に女児が生まれるように祈祷していたのだと難癖つけられたら大変ですし。

 そもそも祈祷の結果を見る限り生まれる男女の数は半々なので、あまり効果は期待出来ないと私は思っています。

 祈祷の効果がないからといって処罰される方が可哀相になりますよね。


 ここは無難に本でも取り寄せて、と考えていたらニーナに非常識ですと止められました。

 ……そういえばそうでした。

 私は普段から本を読むのが好きですし、エレノア様とはいつも打てば響く会話を楽しんでいるのでうっかり忘れていたようです。

 女性が表立って学を嗜むのはあまり歓迎されません。後宮に本がなくわざわざ実家から本を取り寄せているのもそれが理由ですし。

 エレノア様もあの知識量から考えて相当の本を読み込んでいらっしゃると思うのですが、王太子妃殿下への妊娠のお祝いに本を贈るのは確かに非常識でした。


 仕方がないので安眠に効果のある香を贈りました。無難です。



 しかしエレノア様が懐妊なさったことで、これからは他の側室方にも御子を授かる可能性が出てきました。

 夫の浮気は妻の妊娠時に起こるといいますし……。

 まぁ私達は側室という殿下の妻の一人なので浮気という言い方は正しくありませんが。

 殿下をお慰めする為に私達は存在しているのですから、正妃が夜の相手を務められない今、私達側室が当面の夜の相手を務めるのは当然。


 正妃の第一子妊娠中に他の方を妊娠させるといった事態は避けていただきたいものです。

 せめて、そう、お相手を選んでいただければ。



 あと父に聞いたことですが、動きは後宮の中だけではないようです。

 宮廷でも表向きエレノア様の懐妊に皆一様にお祝いの声をあげているようですが、そこは皆さん、より上を目指す方々。

 後宮に入っているご令嬢のお父上方は協定の解除を悟り、水面下で動き出そうとしているようです。



 今後の為にも第一子には男の子が生まれて欲しいものです。

殿下の名前をたまに忘れます。リュ・シウォンの劣化版みたいな←

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